雷鳴編・第十八話
雷鳴編・第十八話、更新します。
今回はが近江国舞台になります。
雷鳴編・第一話、矛盾点を訂正しました。万里小路権大納言が主人公を殺せ、的な発言をしていたからです。
永禄八年(1566年)十二月、山城国、武田信虎邸、戸次道雪――
太宰少弐(武田信之)殿とともに近江国今浜館へと向かっていた儂であったが、急遽、その足を京へと変える事になってしまった。
と言うのも、儂の目的である太宰大弐(武田信親)殿が京に滞在中だという報せが届いたからである。
それ自体は構わない。今浜館で待たずとも目通りが叶うのであれば、儂にとって都合が良いからだ。一日も早くお会いして、左少将(大友宗麟)殿の窮状をお助けして差し上げねば。それだけを思い、儂は太宰大弐殿が宿代わりにしている左京大夫(武田信虎)殿の屋敷へと向かったのである。
ただ気になったのは、道中で伝え聞いた京での騒ぎについて。
太宰少弐殿は武田家の重要人物の一人。故に京での騒ぎについて報せが来るのも不思議ではない。
白装束に黄金の磔台持参で参内。主上の御前で無実を勝ち取った太宰大弐殿は名を上げた。これ自体は良い、武田家に降った大友家の立場を考えれば、主家が強いに越した事はないからだ。
問題は面目を失った方だ。万里小路権大納言(万里小路惟房)様は不忠の臣と見られ、御所に姿を見せなくなったという話。ただ万里小路権大納言様は東宮殿下の伯父に当たる御方なのだ。このまま静かに、と言うのはあり得ぬだろうな。
三好家長老、日向守(三好長逸)殿は『逃げた』と専らの評判だと言う。急病という口実で参内を拒否したのだから仕方ないとはいえ、日向守殿もこのまま黙っている訳が無い。間違いなく、太宰大弐殿への報復を行うだろう。
恐らく、これから起きるのは畿内を舞台とした大戦。となれば槍働きに困る事は無い。寧ろ、儂にとっては望む所だ……む、どうやら到着したようだな。襟元を正して、気合を入れ直す。
……屋敷の中は兵が多かった。だが弛んでいる姿は見受けられない。配置された場所から勝手に離れる事も無く、無駄な会話をする様子もない。文字通り緊張感に満ちた、規律正しい兵の姿と言った所。これには文句のつけようが無いわ。
普段からの厳しい調練、それが窺い知れる。そして、それだけの調練を施すというのは、上に油断が無い事でもあるのだ。
恐るべきは、これだけの兵を常備兵としている武田家の懐具合。神屋から伝え聞いてはおったが、流石は今荀彧と言った所か。
儂が案内された先。
そこにいたのは複数の人影。
御名前を伺い、驚いたのは武田家の主要な方々が、ほぼ勢揃いしていたという事だ。考えてみれば、京での騒ぎの件で上洛していたのだから、当たり前と言えば当たり前の事。屋敷の兵が緊張していた事にも納得がゆく。万が一、が起これば武田家が絶えかねぬ程なのだからな。
「……改めまして、某は戸次伯耆守道雪と申します。此度は目通りが叶いました事、まずは感謝申し上げます」
「道雪殿、そう堅苦しくなられないで戴きたい。私は七つの頃から道雪殿と文を交わしてきた。多くの事を教えて頂いた。私にとっては師の一人と思っている」
「敗残の将に対して、勿体なき御言葉に御座います」
有難い評価だ。こうして直接顔を合わせて分かったが、目が不自由と言うのは本当なのだと改めて思った。今も痩せ気味の女子が傍に控えている。十中八九、側室でもあるゆき殿なのであろうな。
それにしても、武田家側は当主三代が揃っているにも関わらず、儂との遣り取りに関しては、全て太宰大弐殿に一任するつもりらしい。左京大夫殿は儂を厳しい眼差しで、右中将(武田信玄)殿は口元を歪めながら面白そうに、右少将(武田義信)殿は温和そうな表情で、それぞれに儂を見ておるな。
御三方、それぞれの思惑が有るのだろう。ただ共通しているのは太宰大弐殿に対する信用の高さ。全て任せておいても問題は無い、という自信が御有りなのだろう。であるのならば、猶更、太宰大弐殿を口説き落さねばならぬだろうな。
「……某の立場は、重々、理解しております。しかしながら、恥を忍んで御願い申し上げます。どうか、我が所領全て、左少将様の所領にして頂きたく存じます。某が離間の計を読み切る事が出来ずに敗れた事、今なら分かります。それを恨むつもりは御座いませぬ。全ては己の実力不足。ですが、左少将様に対する忠義だけは貫きたいので御座います」
「それを認める対価は?」
「……我が才、思う存分、御使い下さい」
これしかないのだ。儂が差し出せるのは、これまで培ってきた経験だけだ。腹を切っても、目の前の御仁は喜ばぬだろう。喜ぶぐらいなら、最初から儂を攻め滅ぼしている。
離間の計。こんな回りくどい手口を使ったのは、全て儂を武田家に取り込む為。
ならば、きっと受け入れて貰える。無論、受け容れて貰えたからといっても、そこからが本番だ。大友家からは裏切者扱いはされるであろう、武田家家臣からはやっかまれよう、侮蔑の言葉もかけられるだろう。それでも、儂は忠義を尽くすと覚悟を決めたのだ。
「その言葉、偽りは御座いませぬな?」
「御座いませぬ!」
「分かった。だがこちらにも事情があるのでな。すぐにと言う訳にはいかぬ。故に春から行われる肥前攻めを終えた後、『褒美』という形式で戸次家の所領を与えるようにしよう。それまでは大友家の者達が無意味に悩まずに済むように、糧食や銭という形で支援を行わせる」
『忝う御座います』と頭を垂れる。
本音を申せば『今すぐにでも』と申し上げた所なのだが、向こうにも事情があると言うのなら無理は申せぬだろう。その事情、恐らくは肥前攻めの際に裏切りを働き、後背を衝かれる事を考えたのやもしれぬな。
故に糧食や銭の支援。武田家は裕福な御家だ。ケチるような真似はせぬであろうし、やれば儂が不満を抱える事になる。儂を使う気が有る以上、目の前の御仁がそのような不義理を働く事も無かろうな。
「ところで道雪殿。道雪殿には御家族や郎党とともに、近江へ来て頂きたい。武田本家、正確には武田家当主である太郎(武田義信)兄上の直臣として働いてもらう為にな」
「某を御本家の直臣として取り立てる、と?陪臣だとばかり……」
「うむ。これらも理由があっての事でな。既に父上(武田信玄)や太郎兄上には話は通してあるが、この際だ。道雪殿にも訳を説明しておこう。私が道雪殿を欲した理由にも繋がるのでな」
確かに気になる所だ。儂には裏切りを働くつもりは一切無いが、それはそれとして、儂をここまで欲する理由は聞いておきたくはある。
儂もそれなりに、自分の力量には自負がある。故に儂を欲した、それなら分からぬでもないが、武田家には有能な将が揃っておる。敢えて儂を本家直臣として扱う程の理由にはならぬ筈。
寧ろ、それを実行すれば従来の臣に不満を溜めさせる事になるのだ。だと言うのに直臣扱い……眼帯に隠された目から心底を推し量る事が出来ぬ。だが声色から虚言を発しているとも思えぬな……
「ゆき、済まぬが戸を開いて盗み聞きが出来ぬようにしてくれ」
「心得ました。暫しお待ちを」
「ああ、頼んだ。父上、床下も天井裏も問題は御座いませぬな?」
太宰大弐様の確認に、右中将様が『当然の事だ』と笑いながら御返しになられた。
絶対に、これから話す事は他家に盗まれてはならぬ、という強い覚悟を感じるわ。それだけの秘事という事は分かるが、それを儂に……
丹田に気を集中し、一言一句漏らすまいと気を引き締め直した。ここまでする程の秘事、覚悟を決めずして聞くような非礼を働く事は出来ぬわ。
「手短に済ます故、冷えるのは勘弁してくれ。まず私が道雪殿を取り込みたい、そう思った原因、すなわち目的から話をする……南蛮による侵攻から、この日ノ本を守る事だ」
「……真で御座いますか?」
「嘘を言う意味が無い。事実、異国には南蛮によって攻め滅ぼされた国は多数ある。加えて、民全てが奴隷に落とされ、消滅した国もな」
そのような事が、まさか、本当に?だが、以前聞いた島津家が南蛮へ若い女を売っているという話。それを事実と受け止めた理由が、そこにあったと言うのか?
だが、話の筋は通る。儂を直臣とする理由には足りぬが、対南蛮を見据えて一人でも有能な将を、と言うのなら納得は出来るわ。
目の前の御仁が偽りを口にしているとも思えぬしな。少なくとも、南蛮から日ノ本を守るという考えに偽りは無かろう。
「まず耶蘇教について簡単に説明しておこう。耶蘇教は大きく分けて二つに分かれる。新教と旧教――向こうの言葉でプロテスタントとカトリックと言う。ここで重要になるのが、カトリックを信仰する国の中で、特に強い力を持つ二つの国になる。イスパニアとポルトガル、だ。この二つの国を我らは南蛮と呼んでいるのだ。ここまでは良いか?」
「はい、続けて下さい」
「イスパニアとポルトガルは、それぞれがぶつからぬ様に、反対側へ勢力を伸ばした。イスパニアは西へ、ポルトガルは東へ、と言うようにな。だがここで問題が起きた。イスパニアは強欲過ぎたのだ。結果、多くの国が滅び、財宝は略奪され、民は奴隷として売られ、国は廃墟と化した。ポルトガルは比較すればまだマシだが、それほど大きな差はない。連中は隙を伺っている。日ノ本の富を奪う為にな」
太宰大弐様は焙じ茶で喉を湿らせた。そして小さく溜め息を吐かれる。
この場に居合わせた方々は、重々しく頷かれていた。少なくとも南蛮の危険性や、このままにしてはおけぬ、という点について御理解なされておられるのだろう。
……もしや、武田家のあまりにも早すぎる勢力拡大は、そこにも理由があるのやもしれぬな。ノンビリしていたら攻め込まれる、と。であるのならば、他家から厳しい視線を向けられたとしても、他国へ攻め込む手を緩めようとしなかった事に納得がいくわ。
「奴らの先兵を務めているのは耶蘇教の坊主達だ。彼らは敬虔ではある。だが布教に当って支援を受ける代価として、日ノ本の内情を伝える事を義務付けられておる。彼らは自分の行為が何を齎すか?等考えた事も無いだろうな。純粋に信者を増やす事、それだけを考えているのだろう。しかしな、日ノ本には一向衆という存在があった。そして私は奴らと戦ってきた」
「……もしや、耶蘇教の門徒を煽動すると御考えに?」
「もっと質が悪い。一向衆と違い、耶蘇教は御家の当主、為政者まで信者にしようと布教するのだ。そして南蛮にはローマ法王というカトリックの大僧正と言うべき坊主がおり、信者はその命に従う事を義務付けられる。神の御名の下にな」
確かに質が悪い。そんな事をされたら、日ノ本は内から滅びてしまうわ!
そして激しい内乱の隙を見計らって、南蛮の手勢が攻めてくる。
間違いなく日ノ本の被害は甚大。力無き女子供が犠牲になるだろう。拳に力が入るのが自覚できた。武士として、そのような事を許せる訳が無いわ!
「事実、連中はこれまでも、十字軍と言う聖地奪還を目的とした戦争を、法王の命によって五度も起こしている。更にその陰で私欲に走った者達も当然だが存在していた」
「何と、五度も?」
「そうだ。奴らの欲に限度は無い。己の欲を満たす為に、奴らはあらゆる手を取ってくるだろう。何せ日ノ本は狙いどころだからな」
『狙いどころ』と言う言葉に、ピクンと反応する。
日ノ本周辺で、富を抱える国があるとすれば、それは間違いなく明であろう。明は昔から多くの富を有してきた大国であるからだ。
ならば狙いどころは明では?苦労は多いが実入りも大きい。だが、太宰大弐様はそうではない、と見ておられるようだな。それには理由が有る筈だ。
「鎌倉の頃らしいがな、東方見聞録という書物が記されたのだ。その中で日ノ本は黄金の国と書かれている。更には元寇を追い払ったと言う実績もあるのだ。南蛮側からすれば、日ノ本から富を奪い、武家と言う名の戦力を確保すれば明を奪い取れる、これこそ一石二鳥の策だ、とは考えられぬかな?」
「確かに、仰せの通りかと。狙いどころ、という言葉にも納得がゆきます」
「そうだ。だが日ノ本の武家は総じて誇り高い。奴隷にされる位なら、腹を切るだろう。それでは南蛮にとっては旨味が減ってしまう事になる。ならば信者にするのは、自明の理と言えるだろうな」
それで耶蘇教の布教に繋がる訳か。
南蛮の上の者達にとっては、銭を費やすだけの価値が有る、と言う事だ。日ノ本を支配すれば、明攻めの尖兵として使い潰せるのだ。同時に不満を持ったとしても、戦慣れした武者の数が減ってしまえば、幾らでも力で抑え込む事が出来る。
文字通り、二虎競食の計。南蛮の者達は笑いが止まらぬであろうな。太宰大弐様が南蛮を警戒される気持ち、十分に理解出来る。放っておく事など、出来る訳が無いわ。
「ここで話を一旦戻させて貰う。南蛮の者達が多くの国を滅ぼしてきた、という点だ。そんな連中が本格的に日ノ本を支配すれば……尊い御血筋すらも……確実になる」
「そのような愚行、許す事など出来ませぬ!」
「そういう事だ。だから私は一人でも有能な人材を欲したのだ。来たる南蛮との決戦において、目の不自由な私に代わって、南蛮軍を撃滅できる男をな」
その為に儂を……いや、それなら儂を直臣として抱えようとした理由が理解出来る。
南蛮と言う敵はあまりにも強大であり、残酷なのだ。尊き御血筋すら、情け一つかけぬ程に。
確かに冷酷非情という点では太宰大弐様も同じではある。だが両者の間には『欲の有無』という明確な違いがある。少なくとも、儂が『全身全霊をもって励まねばならぬ』と思う程にな。
「まずは日ノ本を一枚岩にしなければならぬ。即ち、武田家による天下統一だ。それを為す為に、将として力を振るって貰わねばならぬ。その後に南蛮だ。道雪殿を本家直臣としたのは、より多くの兵を指揮して、大将として勝利を掴み取って貰わねばならぬからだ」
「心得ました。日ノ本の為、我が才、御使い下さい」
「うむ。だが今話した事は口外禁止だ。洩れると色々と面倒な事になる」
無論、言われるまでも無い事。『はは』と頷き返す。
今の時点で天下統一を口に出せば、三好家が敵に回る。結果、天下統一が遅れてしまう。それは南蛮に有利に働く事になるのだ。決して漏らせる訳が無い。
考えてみれば、耶蘇教と仏教の問答に対する裁き。あれも南蛮の事を考えていたのやもしれぬな。あくまでも『法に触れたから』という立場を貫く事で、南蛮に無用な刺激を与えまい、としていたのやもしれぬ。天下統一前に攻め込まれる訳にはいかぬ、と。
「ここまでの事を為す為にも、道雪殿には然るべき立場が必要になる。故に、伝えておくとしよう。道雪殿には太郎兄上の軍配者になって貰う」
「太宰大弐様!?」
「無論、私は譜代の臣を軽んじるつもりは無い。特に軍配者に任じられてもおかしくないであろう、鬼美濃(馬場信春)殿や三郎兵衛尉(山縣昌景)殿を差し置いて、な。それでも道雪殿を軍配者に推すべき理由があるのだ」
この御仁は、何を見ているのだ?それが儂には分からぬ。
恐らく、それこそが儂が敗北を喫した理由。儂には見えなかった、今荀彧と謳われる御仁の見ている光景なのだろう。
……越前守(角隈石宗)殿。某は初めて天才に相まみえました。大友家に対する忠義を捨ててはおりませぬが、少なくともあの世で御会いした時、土産話に困る事は無いでしょう。
「それについては新年の評定で説明させて貰う。鬼美濃殿や三郎兵衛尉殿だけでなく、武田家に仕える者達全てが知りたがるからな、一度の説明で済ませてしまいたいのだ。最後に道雪殿の手柄は大友家の手柄としても判断させて貰う。手柄を挙げれば挙げる程、大友家の所領が増えていく、そう判断して戴きたい」
「忝う御座います!」
「うむ。道雪殿には色々とやって貰う事があるからな。ノンビリ出来るのは暮れまでだ。身を粉にして励んで貰うぞ?」
……全ての疑問に対して答えを得られた訳では無い。向こうの事情とは言え、儂を軍配者に据える理由は未だに伏せられているからだ。
そして儂が主と仰ぐ事になる右少将様はと言えば、柔和な笑みを浮かべたまま、軽く頷かれた。そして儂に向かって『宜しく頼むぞ』と御声をかけて下されたのである。
『はは』と頭を垂れる。大友家を救う為にも、儂は励まねばならぬ。それは大友家だけではなく、日ノ本全てを、ひいては朝廷すらも御守りする事に繋がるのだ。これほどの遣り甲斐ある御役目、必ずや一命を賭して果たさねばなるまいな。
「ところで道雪殿。道雪殿に一つだけ、辛き役目を命じねばならぬ』
「……いかなる御命令でも、お受け致します」
「……大友家内部にこちらの意を受けて動く者を一人欲しい。それが大友家を守る事にもなる」
一瞬、天を衝かんばかりの怒りを覚えた!ギリッと歯軋りもしてしまった。儂は主家を救う為に、一人、汚れ役を背負った。その苦しみ、同輩に味合わせようと言うのか!と。
だが、太宰大弐殿は口元を歪めていた。眼帯に隠された目を見ずとも分かる程、苦々し気に。
……そういえば大友家も守る為に、と仰せになっておられた。これは訳有りのようではあるな……
「左少将殿は耶蘇教に傾倒している。万が一、耶蘇教を通じて南蛮に与された日には、大友家を庇う事すら出来なくなる」
「……あ……」
「故に耶蘇教と左少将殿の間に、溝を作れるような者が必要なのだ。最低でも『武田家は耶蘇教に良い感情を持っておりません、下手に耶蘇教に近づくと危険です』と、武田家を悪役にしてでも忠言出来る程度には動いて貰わねばならぬ。道雪殿なら分かる筈だ」
……確かに、こればかりは儂には出来ぬ御役目だ。そもそも儂は左少将様に目通りすら叶わぬ、醜悪極まりない裏切者であるからだ。
そして断れる訳もない。左少将様の耶蘇教への傾倒は、家中においても有名。今回の件で耶蘇教の神に対して救いを求めれば、本気で南蛮に与しかねぬだろう。
『心得ました』と強く頷く。何とかして繋ぎを取らねばならぬな。幸い、同輩は儂の事を信じてくれていたが、左少将様には気づかれぬようにしなければならぬ。これは厄介な御役目よ……
今回もお読み下さり、ありがとうございます。
今回は近江国。雷神様視点より。
【武田家が絶えかねぬ】
京は三好領ですからね、長逸さんが兵を差し向けてきたらアウトですから。
それでも信虎祖父ちゃんの屋敷にいるのは、主上の存在です。前話で主上同席の下、無罪を勝ち取った相手を不意を突いて討ち取る。やれば評判は急落しますからね。それを無視すれば実行できます。でもやらない。それはボンバーマンが睨みを効かせているからです。
【太宰大弐様】
武田家に降る事を明言した為、雷神様は敬称を殿→様に変更。
直臣なので殿でも問題は無いでしょうが、その辺りは立場を考えて、と言う感じですね。自分だけでなく大友家まで巻き込まれる様な真似は出来ん、と言う感じで。
【南蛮】
補給網の問題もあるので簡単にはいきません。史実でも行われていませんし。
でもだからと言って起きない保証は無い訳ですからね。
【二虎競食の計】
主人公の最悪の想像に、御家云々を抜きにして義憤に駆られる雷神様。
【尊い御血筋すらも】
雷神様の義憤は限界突破。でも十分に考えられる案件ですよね。史実では南米の件がありますから、それを知識として知っている主人公が、こう発言するのは当然だと思います。あくまでも南蛮が攻め込んでくる、というIFが起きた場合ですけど。
【軍配者】
以前にチラッとは書いてましたが、主人公が義信兄ちゃんつきの軍配者として雷神様を推薦。パパとお兄ちゃんにも承諾を得ています。
何故なのか?は少しお待ちください。メタ的理由になりますが、同じ理由を二度も書くと、その分、長くなってしまうからです。
【……あ……】
雷神様、主人公に指摘されて今更ながらに気づきます。
大友家のアキレス腱が宗麟さんである事に。なので宗麟さんが宗教的な意味合いで暴走しないように、良く言えばブレーキ役、悪く言えば監視役が必要だと気付きました。
その役目を誰にするか、どうやって話を通すか、雷神様的にも胃痛の種になりそうです。
それでは、また次回も宜しくお願い致します。




