第69話 さらなる頂へ
毎回の誤字の指摘本当にありがとうございます。皆様な優しさが日々身に染みるこの頃です。
第69話~さらなる頂へ~
俺とカナデの全魔力を注いだ攻撃がサイモンを貫いた。その余波で屋敷はついに全壊し、今まで街への被害を防いでいた結界もついにはグングニルによって破壊された。
「やったか!?」
思っても絶対に言ってはいけない言葉の一番に上がる言葉がつい口から零れ落ちる。
というかこれで倒せていないならさすがに打つ手がない。俺は魔力を全て使い、不倶戴天すら使っている。もう1分もしないうちに反動で生きるか死ぬかの瀬戸際に否が応でも追い込まれることになる。
カナデも今の一撃に魔力を相当量使ったため、今までのような火力による攻撃はもう出せないだろう。
これで再生されれば負けが確定する。土煙に包まれたサイモンを、俺達はかたずをのんで見守った。
「ぉ、ぉぉおおおお……」
これはどっちと判断すればいいのだろうか。
土煙が晴れた向こうで、サイモンはまだ生きていた。だがその様子は先ほどまでの完全再生には程遠く、グングニルに貫かれた体の穴は修復しきれずに残ったまま。体のところどころも損傷が激しく完全には程遠い。
「こ、の、下等種族がぁっ!!」
破壊の一歩手前まで進んだ体だが、それでもその眼光が衰える様子は一切ない。サイモンに諦めの色はなく、次の瞬間には壊れかけた体で襲ってくることは間違いない。
再生しきれていないのも今だけで、時間がたてばまた完全な姿に戻ってしまう可能性もある。
勝機は今。だがもはやこちらに動く力は残されていない。
“検索結果:対象のステータス”
不意に脳内に告げられるのはインデックスの声。そういえばさっき、何かを言っていた気がするが何だったのか。俺のスキルが増えて、カナデのスキルが進化したとかなんとか。
“名前:カナデ
種族:幽霊族
レベル:61
適職:滅魔焼却師
適正魔法:焼却魔法(レベル32)
スキル:浮遊(レベル28) 物理耐性(レベル25)
魔導の目覚め(レベル5) 煉獄炎(レベル27)
ステータス 攻撃:44
防御:44
素早さ:2122
魔法攻撃:4687×10=46870
魔法防御:4391×10=43910
魔力:5995×10=59950”
久しぶりに見るカナデのステータス。ここまで帰らずの平原など様々な場所で戦ってきたからか、レベルやステータスが上がっているのは当然わかっていたが、どうやらさらなる進化を遂げていたようだ。
“検索結果:『魔導の目覚め』魔の根源に至る者が最初の扉を開けた時に獲得するスキル。果てしなく長い根源への道のスタートライン。全ての魔法ステータスを10倍にする”
進化したカナデのスキルはまたしてもとんでもスキルだったようだ。
どうやらこのスキルは長い進化の工程があるらしく、最後までいけば魔の根源とやらに到達できるようだ。それが何かはわからないが、少なくとも限りなく強者に近づくというのはわかる。
今でさえ魔法ステータスが10倍という、カナデにとっては鬼に金棒なスキルなのだ。一段、いや、それよりもはるかにカナデのステータスは飛躍的に上昇した。
それでもまだ足りない。瀕死の状態に陥っているとはいえ、サイモンを倒しきるにはこれでは足りないのだ。
“検索結果:『血の代償』を取得しました”
だが希望はもう一つある。それは俺が新たに手に入れたらしいスキルだ。
“自身の何かを代償にして新たな力を一つ得る。代償にしたものにより得られる力の大きさが変化する”
どうしてこうも俺のスキルはリスクが大きい物ばかりなのか。不倶戴天といい、この血の代償といい、何かの犠牲を払わなければ俺は強くはなれないらしい。
“スキル:『血の代償』を使用しますか?”
「当たり前だ」
だが俺は迷わない。もう引くことはしないと決めたんだ。こんなところでは死んでやらないと、これから先も生きて理不尽に抗うとそう決めたんだ。
だから俺は迷いなくスキルを使用した。その途端、眼前に現れたのは大きな鎌を持ったまるで死神のような影。
『力を望むものよ。お前は何を差し出す?』
死神は俺に問う。一体力を得るためにお前は何を差し出すのかと。
代償に応じて得られる力は変化する。それなりに大事なものでないと意味はないのだろう。
べたなところで命?それでは意味がないのだから却下。なら体の一部?戦えなくては元も子もないのだからこれも却下。
ならなんだ。俺にとって大事なものは一体なんだ。少しだけ考えて、そして思い至った。
「代償は俺の記憶だ。この世界に来るまでの全ての記憶をくれてやる」
記憶を代償とする。それは普通であれば大きな痛手となるものだ。だが俺の場合にはそうはならない。元の世界での記憶など、いいことなど何一つないのだから。
『承った。記憶を代償に力を授けよう』
だけど一つだけ心残りもある。ほんの一人だけいた俺の友人。何一ついいことなどなかった俺の人生で、少しだけ安らぎを与えてくれた一人の少女。
その人のことを忘れてしまうのは、少しだけ悲しかった。
『目を閉じるといい』
まだサイモンが生きている中目を閉じるのはリスクだが、スキルの進化により魔力を取り戻したのか、カナデが対峙してくれている。俺はそれを見て目を閉じる。
力が流れ込んでくる。それと同時に俺の忌まわしき記憶が消えていく。
両親に捨てられ途方に暮れたこと。施設になかなかなじめずに泣いていたこと。木山に目を付けられ理不尽な日々が始まったこと。そして、少女と短い時間だったが暖かな友好を深めたこと。
『力は渡した。後はお前次第だ』
この世界に来るまでの全ての記憶が消えたとき、死神の声が響いた。
「恭介さん、そろそろ敵も動きそうですがいけますか?」
サイモンは再生こそ追いついていないが、それでも動けるほどには回復したらしい。崩れかけの体だが、目には力が戻っていて、剣を握りなおしたことが見て取れた。
「あぁ、今度こそ殺しきるぞ」
だから俺はそう答えた。手に入れた新たな力を感じ、収納から新たな槍を取り出した。
“検索結果:対象のステータス
名前:斎藤 恭介
種族:龍戦士
レベル:50
適職:滅殺師
適正魔法:身体強化魔法(レベル50)
スキル:龍槍術(レベル21) 錬金術(レベル18)
索引(レベル25) 収納(レベル20)
見切り(レベル12) 龍化(レベル9)
血の代償(レベル3)
ステータス 攻撃:5273×11=58003
防御:5198×11=57178
素早さ:5749×11=63239
魔法攻撃:4966×11=54626
魔法防御:4881×11=53691
魔力:5060×11=55660“
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