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生徒会役員達は変わり者!?  作者: 沙由梨
Past1 ~東真~
6/8

第5話 渦巻く色々な感情

前回よりは長い……はず……です。


「やっぱり、か……」

 あの後俺は生徒会室のパソコンを使って、翠川竜奈のことについて調べた。

 生徒会室にあるパソコンは例え死亡していたとしても、一度この学園に入ってしまえばその人の全てのデータが載っている。

 俺はそれを使い、竜奈についてのデータを探した。

 すると俺の予想していた通り、彼女の家系についてわかったことがあった。

「やっぱり、竜奈は――」


「うっ、うわぁぁああああああっ!!??」


「――………は? 今の声、まさか…!」

 俺はその叫び声が聞こえた瞬間席から立ち上がり、窓の近くへと駆け寄った。

 すると上から黒い何かが落下してきており、それが竜也だとわかることに時間がかかった。

「りゅ、竜也!? 何で……!?」

 いや、考えている時間などない。このままじゃ竜也も、竜奈のように……

「……っ、くそったれがっ!」

 俺は窓を開けて縁に足を乗せ、竜也と近くになった瞬間足を離して外へ飛び出した。

 そして勢いに任せて竜也を引き寄せて、死なない程度に受け身をとろうと体制を変えようとした。

 しかし下を見た瞬間、俺はニヤリと笑って流れに身を任せることにした。

 そして俺は小さな声で呟いた。

「ちゃんと受け止めろよ?」


「「「当然」」」


 誰かの手が俺の体に触れた。


 ――――――


 誰もいない教室に、男が一人立っていた。

 その男はパソコンに映されているデータを見ると、吐き捨てるように嘲笑った。

「わりぃな……これ以上、調べさせるわけにはいかねーんだよ」

 そう言って男はパソコンを操作して、映っていたデータを全て消した。

 それを確認した後、呟きながら踵を返して生徒会室から出ていった。


「死んだ人間のことを調べられたら、カモフラージュしなきゃなんねーだろ?」


 一緒に嘲笑うかのように、快晴だった空が曇った。


 ――――――


 目を開けると、そこには思わず現実逃避したくなる光景が広がっていた。

 どうやら俺は落下中に気絶してしまったらしく、途中からの記憶が全くなかった。

 でも、だからってどうして東真先輩は正座した状態で薫先輩に説教されているのかがわからない。他の三人も怒ってるっぽいし……。

 すると俺に気づいた高橋は、駆け寄って目の前に座った。

 あ、てか俺、ソファーの上に寝てたのか。どうりで下が柔らかいと思った。

「大丈夫?」

「あ、ああ、大丈夫。ありがとな」

「このくらい気にしないで」

「あら? 竜也君、目が覚めたの?」

「はい、おかげさまで」

 薫先輩がそう言うと、残りの三人も俺の方に駆け寄ってきた。

 次々と心配の声が出てきたので申し訳ないと思った半分、心配してくれることが嬉しいと思ってる自分がいた。

 すると急に皆が真剣な顔になったので、俺は思わず声を漏らしてしまった。

 そんな俺の声に気づいていない皆は、何一つ逃さないという目で俺を見てきた。

 しばらくすると、遂に薫先輩が口を開いた。

「竜也君、ちょっと聞きたいことがあるのだけれど」

「は、はい……?」

「どうして竜也君は屋上から落下してきたのかしら? 叫んでいるのを見たところ、自殺しようとしていたわけではなさそうだけれど」

「あ、実は……」

 そう聞かれた俺は、屋上での出来事を細やかに話した。

 それを聞いた皆は、顔をしかめたり驚愕に目を見開いたりと、人それぞれだった。

 それに耐えられなくて何か言おうと口を開いた時、突然生徒会室の扉が開いた。

 一斉にそっちを見ると、そこには見知らぬ女子生徒がいた。

 その人は周りをキョロキョロ見渡すと、東真先輩を見て満面の笑みを浮かべた。

「あっ、東真君いたぁ! もぉ〜っ、東真君がいきなり落下してくるのを見たからびっくりしたよぉ!」

「………花崎……」

 何か話し合っているのをただ呆然と見ていると、それに気づいた風真先輩が近くにきてあの人の名前を教えてくれた。

「彼女は花崎(はなざき)百合菜(ゆりな)です。どうやら東真に気があるようでして……」

「ああ、なるほど……」

 風真先輩は彼女が嫌いなのか、鬱陶しいったらありません、と吐き捨てた。

 俺はそれに苦笑しながら花崎さんを見ていると、突然その花崎さんがこっちに駆け寄ってきた。

「あなたが新しく生徒会の一員になった翠川竜也君?」

「え、あ、はい」

「あたしは東真君達の同級生の、花崎百合菜って言うのぉ♪ よろしくねぇ♪」

「は、はい、よろしくお願いします……」

 初対面ならしてもおかしくない会話。だけど俺はこのやり取りに、恐怖しか感じていなかった。

 花崎さ……じゃなくて花崎先輩は笑っているはずなのに、目が笑っていない。むしろ、俺を仇のように見てくる。

 しばらく雑談をしていると、花崎先輩が「あっ!」と声をあげた。

「いっけなぁ~い! あたし、用事があるんだったぁ! それじゃあ東真君に皆、ばいば~い♪」

 そう言って花崎先輩は手を振ると、俺を見てから踵を返した。

「――――」

「……………え?」

 その時花崎先輩がポツリと呟き、思わず声をあげてしまった。

 それを無視して花崎先輩は東真先輩に近づいて何言か話し、生徒会室から出ていった。

 しばらくすると薫先輩が近づいてきた。

「竜也君どうしたの? 何かあったの?」

「え? あ、いや、なんでもないです……」

「そう? ならいいのだけれど」

 俺がそう言うと、薫先輩はそのまま皆のところに戻っていった。

 俺はそれを見送った後、さっきの花崎先輩の言葉について考えた。

(花崎先輩、さっきどうしてあんなことを……? 俺と花崎先輩は初対面だから、あんなことを言われるようなことなんてしてないはずなんだけど……)

 わけがわからなくて、俺は思わずため息をついてしまった。


 ――――――


 百合菜は左手の親指の爪を噛みながら、一人で細い道を歩いていた。

 そして誰もいない路地裏に入り、勢いよく壁を蹴った。

「ああもうムカつくムカつく!! どうしてあたしは生徒会役員になれなくて、あんなやつがなれるのよ!? おかしい、おかしいわっ!! 教師達の目は節穴なの!?」

 そう言いながら何度も壁を蹴りつけ、息が苦しくなるくらい叫び続けた。

 百合菜は落ち着くと、怒った顔をしながら呟いた。


「翠川竜也……あんなやつ、殺してやる…!」


 そして百合菜は去っていった。


 近くで息を殺して、その言葉を聞いている者がいるとも知らずに――――。



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