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第一章 1  『今日こそ、俺の学生生活が変わる日だ!』

突然聞こえたあくびの音が遠くから響き、静まり返った教室の壁に反響した。


そこにいた全員の中で、市川実だけが他のクラスメートとは一線を画していた。


それに気づくのに、わざわざ徹底的に比較する必要などなかった。ひと目見ただけで、誰にでもわかることだったからだ。


彼らの中には、「生身の人間」らしい振る舞いをしている者は一人もいなかった。


皆、何の表情も見せない青白い顔をしていた。


半透明のガラスでできたような目は、まばたきすることなく開かれたままだった。


机に座った彼らの体は、一センチも動かないまま、静止していた。


そして、教室には完全な静寂が漂っていたにもかかわらず、彼らの息遣いさえ聞こえなかった。


左の拳を強く握りしめながら、ミノルは長い溜め息をついた。そして、決意に満ちた表情で、唇の間からこう呟いた。


—今日こそ、俺の学生生活が変わる日だ!


ミノルにとって、この言葉を毎朝欠かさず繰り返すことは、数ヶ月前からすでに日課となっていた。それは、自分自身を納得させるための必死の行為と受け取られるかもしれない。というのも、満面の笑みを浮かべてそう口にしていたとはいえ、ミノルの心の底では、自分の送っている学生生活を心底嫌っていたからだ。


その理由は、クラスメートの一団にいじめられていたからではない。


ましてや教師たちを嫌っていたわけでもない。互いの接点がほとんどないため、ミノルが彼らに対して何らかの感情を抱くことなど不可能だったと言ってもいいだろう。


単に学校に通っているという事実自体が、ここでの本当の問題でもなかった。


では、一体何が問題だったのだろうか?


授業が始まってからすでに5分ほどが経過していたにもかかわらず、教室全体から何の音も聞こえてこなかった。2-E組の生徒たちは皆、それぞれの机に座っていたにもかかわらず、である。


その瞬間、教室に漂っていた雰囲気を完璧に表現する言葉はただ一つだった。


「死の静寂」


「ピッ――」


「ピッ――」


「ピッ――」


突然、鋭い音が教室中に一斉に響き渡った。


それは、昔のパソコンの電源を入れたときに鳴る音とよく似ていた。


同時に、その音は、その日の最初の授業の課題に関する指示が、すでにクラスメート一人ひとりにメールで送信されたことを、ミノルに知らせていた。


(神様、お願い……これが実習課題でありますように……お願い)


そう思いながら、ミノルは机の上で古びたノートパソコンを開いた。


そして、不安と期待が入り混じった気持ちで画面を見つめた。彼のもとにも、その同じ指示がメールで送られてきていた。


ミノルは時間を無駄にせず、指示を読み始めた。彼にとって最も重要なのは、メールの最後の行だけだった。


そして、最後の一文を読んだとき、彼の顔には大きな笑みが浮かんだ。


「Sync Partner」


かつて学校では「ペアワーク」として知られていた「Sync Partner」という概念は、今ではほとんど使われていなかった。実際、これを今も続けているのは、おそらく全国でもこの学校だけだろう。


なぜまだ続けているのか、ミノルには理解できなかったが、彼にとってはクラスメートと言葉を交わす絶好の機会だった。


[市川さん。]


突然、背後から機械的な声が彼の名前を呼んだ。


振り返ると、ミノルはいつものように視線を上に向けた。そこには、透明な長方形のホログラムの中に、「森島佳苗」という名前を形作る文字が浮かんでいた。


しかし、その瞬間、彼に話しかけていたのは「本物の」森島佳苗ではなかった。


その冷たい肌は本物とよく似ていたが、ゴムでできた人工的な複製に過ぎなかった。


半透明のガラスでできたその瞳の奥には、刻一刻とミノルを捉え続けているかのような微小なレンズがはっきりと見て取れた。


そして、その短い銀色の髪は、まるでかつらのように見えた。


[この最初の授業のシンクパートナーとして、私たちはペアに指定されました。私の机をそちらへ持っていきましょうか?]


カナエのAPAが再生した言葉を耳にすると、ミノルは満面の笑みを浮かべて答えた。


—い、いいよ! 僕の机を君のそばまで持っていくから!


机をカナエの机の方へ近づけながら、ミノルは彼女の代わりにそこにいるあの人工の体に、思わず再び目を奪われてしまった。


まさに、それは本物の森島カナエが所有しているAPAだった。


日本のように技術的に進んだ国では、APA(高度個人用アンドロイド)の使用はすっかり当たり前のものになっていた。


それらの人工体は、本人が数キロメートル離れた場所にいても、まるで自身の延長であるかのように動くことができた。


それを実現するには、「リンカー」と呼ばれる特殊なバイザーを使用するだけでよかった。この装置は、セキュリティパスワードを通じて、ユーザーの脳波とAPAの周波数を同期させることができる。


接続が確立されると、ユーザーはその人工の体を通じて、まるでその場に実際にいるかのように、見たり、聞いたり、話したり、行動したりすることができた。


数年前に日本の社会に導入されて以来、APAは単なる便利グッズではなくなった。


今では、APAを通して仕事をしたり、授業に出席したり、学校行事に参加したり、ほぼあらゆる日常の用事をこなしたりできるようになった。


学校でさえ、生徒一人ひとりに無料でAPAを配布していた。


しかし、残念なことに、ツールとして生まれたものが、やがて必需品となってしまった。


年月が経つにつれ、日本人はAPAに過度に依存するようになり、次第に家から出なくなっていった。


生身の存在は、人工の体に取って代わられた。


対面での会話は、機械を通じて再生される声に取って代わられた。


そして日常生活は、遠隔接続に取って代わられた。


実例として、ミノルの同級生であり、学級委員でもあるカナエを見てみればよい。


おそらく今この瞬間も、彼女は自分の部屋で、APAを通して彼を見つめているに違いない。


だからこそ、2年近く同じクラスで過ごしてきたにもかかわらず、ミノルは一度もカナエの「本当の自分」を見たことがない。


この国の状況を考えれば、ミノルがカナエやクラスメートの「本当の自分」を見る機会は、おそらく二度と訪れないだろう。


ミノルとカナエは机を並べ、課題を分担して作業を始めた。


カナエと組むのはこれが初めてではなかったが、ミノルは今回だけは何かが違うかもしれないという感覚を拭えなかった。

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