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寝取られ裏切られた最弱テイマー〜逆境を跳ね除け相棒のスライムと最強へ成り上がれ。許して?やり直して?絶対にイヤだね〜  作者: 月鈴
故郷の村編

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38/90

運命の輪(ウィール・オブ・フォーチュン)

 俺は故郷の村で起こった、スタンピードを抑える為に戦った。スタンピードの原因は進化したボス、ヘルハウンドの支配による村への襲撃だった。

 それを撃退した俺は村人に事の顛末を、説明していた。

 スタンピードの原因を作ったのは、勇者ランドルフと取り巻きの女達の仕業だと。


 自分達の愛する人が亡くなったのも、財産が無くなったのも勇者のせいだと。村人達の怒りは、勇者ランドルフと女達に向かっていく。当然、村長一派やウチの両親なども対象になっていた。


「アンタも、一緒じゃない。何でもっと早く、助けに来ないのよ。アンタが左腕を食べられなきゃ、魔物は進化しなかったんでしょ? ならアンタも原因の一人じゃ……グフ」


 中年の女性だったが俺は殴った。ふっ飛ばされた女の髪の毛を鷲掴みにして、自分の顔付近まで持ち上げた。


「お前は何をしたんだ? このスタンピードで、お前自身は何をしていたんだ? 安全な場所に籠もって、守って貰いながら、終わるのを待ってただけ……俺に文句を言っても良いのは、死んでいった村人だけだ」


 周りの村人は「あの人は旦那と息子を……」とか言っていたから、


「関係ないね。それに、勘違いしてもらっては困るな。俺は村を助けに来たワケじゃない。復讐に来たんだ。スキルが有能じゃないと俺に手のひらを返した、村人に……迫害してきた村そのものに。たまたまボスが、俺の因縁相手だったから倒しただけだ。だから、俺に甘えてんじゃねーよ。お前の旦那や息子は、勇者とお前自身が殺したんだよ。何もしてなかった、お前自身が……俺に責任転嫁してんな、クソヤロウ」


 みっともねー。大の大人が、まだ未成年を捕まえての責任転嫁。カッコ悪いヤツだ。


「んで、お前達はどうするの? 俺はここを離れるけど……見たところ戦える者もいないし、また魔物が来るかもしれない。ここに居るのか?」


 農業のまとめ役に話を振る。まとめ役さんは腕を組んで考え込んだ後、数秒後に顔を上げて決心したようだ。


「イヤ、多分この村はもうダメだろうな。あの村長の下では、もうヤッてはいけない。コレだけの犠牲を出した上に、逃げ出したヤツは終わりだろうな。それでお願いなんだが、生き残った者達を移動させるのにモラーザまで護衛をしてくれないか?」


 まあ、そうだろうな。ここに居ても、死を待つだけたろうしや。食う物もなく、金も無い。ほぼ、詰んでるからな。だけど……


「そうか、なら護衛代は村のあっちこっちに転がる狼型魔物の死体全てを、貰ってもいいか? それで全員を、モラーザまで連れて行くよ」


 まとめ役は少し考えた後、よろしく頼むと右手を出してきたが「ああ」と返すだけにした。俺はやはり、故郷がキライだったんだな。


 狼型魔物の死体は、アオイの分裂体が集めてくれた。

 ついでに村中から食料とか、野菜の種なんかを……使える物を集めてもらった。その食料とかを道中に提供する代わりに、鉄などの売れそうな物を貰う事にした。何かの役に立つだろうから。


 こうしてモラーザまで村人を護衛しながら、約二日半かけて無事にモラーザまでやってきた。

 若者の足なら一日半だが、今回は老人とケガ人がいた為、少し時間がかかったけどね。

 そして故郷を出て一日経ったときに、冒険者ギルドの斥候が、スタンピードがあった故郷の様子を探る為にやって来た。

 起こった事実を話して、既にスタンピードの脅威が去ったことを説明した。


 それを聞いた冒険者が、すぐに村の方へ確認に行く者と、ギルドへの連絡をする者で分かれた。

 俺達はそのまま、モラーザへと進んだ。

 もう、先程の斥候から連絡があったのだろう、城門前には冒険者ギルドの職員と冒険者達が待っていた。


「おお、大丈夫か? スタンピードが終息したというのは本当か?」


「はい、本当です。この子が魔物のボスを倒して、他の魔物は各地に散りました」


 俺はそこで、ヘルハウンドの死体を置く。それを見た冒険者ギルドの職員と冒険者は「おお、本当だ。ヘルハウンドだな」と納得してくれた。

 これによりモラーザでの厳戒態勢は解除され、街は落ち着きを取り戻していく。


「ところで少年は、たまにウチに魔物素材を持ち込んでいたな。良いスキルに恵まれたのだろうな。ありがとう。ところでヘルハウンドは……」


 スタンピード終息のお礼と、魔物素材の取引きをお願いされた。だが、このヘルハウンドだけは、何度交渉されようと譲る気にならなかった。だって、コイツは俺の一部だから。


「……すまないな。ヘルハウンドだけはダメだ。他の狼型なら卸すから、それで手を打ってくれ。じゃあ、俺はソロソロ宿に行くよ。明日また来ればいいんだろ? ああ、それとスキルを褒めてくれてありがとう。でも俺のスキルは、ハズレスキルと呼ばれてるよ……なぁ、アオイ」


 青いスライムを肩に乗せながら、冒険者ギルドを後にした。明日また、冒険者ギルドに来なければならない。

 それよりも、ヘルハウンドを……俺の身体の一部を、早いところ吸収してしまおう。


 ヘルハウンドの死体は、どうするかの迷いはない。すぐに、アオイに吸収して貰った。やっぱりこのヘルハウンドは因縁だから、アオイに吸収して貰って、自分の一部にしたかった。


 〘ユニークスキル運命の輪ウィール・オブ・フォーチュンが規定値に達しました。ユニークスキル運命の輪ウィール・オブ・フォーチュンが使用出来るようになりました〙


 おお、何か分からんけど、凄そうなスキルだね。確か運命の輪って、タロットカードとかじゃなかったっけ?

 良く分からんけど……まあ、後で詳細鑑定で見てみようか。しかもユニークスキルなのか……


 〘ユニークスキル運命の輪ウィール・オブ・フォーチュンが発動します〙


天のささやきからの通達があった……

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