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寝取られ裏切られた最弱テイマー〜逆境を跳ね除け相棒のスライムと最強へ成り上がれ。許して?やり直して?絶対にイヤだね〜  作者: 月鈴


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命の恩人

 アオイを潰すと絡んで来た、カツアゲオッサン冒険者を煽ってみた。ただ、ムカついただけでなく、現役の冒険者の力を直に感じたいと思っていたから……丁度、ボコっても良い感じのオッサン冒険者。これこそが渡りに船だね。


 俺は挑発しながらアオイと一心同体になり、スキル『身体強化』を発動していた。


「いいのか? 俺様は力が強い。そこら辺の冒険者なんか目じゃねえよ。今さら泣いても俺様はボコるのを、止めてやらねーからな。片腕だからって手加減してやる事は……」


 右腕をグルグルと回しながら、吠えるオッサン冒険者。さらに一段階、加齢臭が増した気がした。


「おいおい、オッサン。口喧嘩でもしてーのか? まだ冒険者登録もできねーような子供相手に、既に尻込みしてるのかよ。情けなさすぎんぞ。ほら、見てみな……美人受付嬢さん達が、情けないって言ってるぞ」


 あっ、挑発の為に受付嬢さんの話をしたら、本当に情けないってヒソヒソ話していた……美人さんにバカにされるのは、男としてキツいよね。

 分かる、分かるよ〜。今、とっても恥ずかしいよね。


「てめ〜。コノヤロー」っと殴りかかって来た。

 ん〜? 遅いな。ウチのクソ親父よりかはマシだけど……コレで冒険者なのか?

 コイツじゃ、アイアンクラブの水鉄砲なんか避けられないだろうな。


 右、左と避けながら少しガッカリしている。まあ、コイツは本当の冒険者ではない、ドロップアウト組だろうな。冒険者なのに冒険しない者を、ドロップアウト組という。安全に気をつけて冒険しているじゃなくて、上を目指すのを諦めている者の事だ。


 どうやら力自慢のようだからな、俺は右ストレートを弾いて、次に来た左ストレートを手のひらで受け止めた。オッサン冒険者は驚いた顔をしながら、自分の腕を見た。


「なぜだ。動かない。チキショー」


 オッサン冒険者は徐々に握り締められている手が、握り潰そうとするのを周りの冒険者達は、誰も特に止めようとしない。嫌われてんなオッサン。

 まぁ、アオイを潰そうとした事を自分がヤられるんだからしょうがねーよな……『ゴギ』っとイヤな音が、静まり返った冒険者ギルドに響き渡る。


「グアアァァ……クソ。マジで拳を潰しやがった、殺してやる〜」


 床を転げ回るオッサン冒険者を、俺は見下ろしながら、


「おいおい、穏やかじゃねーな。殺す? んじゃあ、殺される前に……でも、アオイのエサには出来ないな。バッチイからな」


 フトコロから解体用ナイフを取り出して、オッサン冒険者を刺そうとしたが……サヤから刃を出す前に、止められた。ナイフを止めている手を見てから、顔を確認する為にそちらを見ると……


「アナタはまさか……」


 燃えるような赤い髪を後ろで一つに束ね、左頬に十字のキズがついた多分二十代前半くらいの青年冒険者だった。そう、俺の命の恩人だろうな。

 しかし、オッサン冒険者に絡まれる前は、いなかったはずなのに。しかも、アオイも気が付かなかったみたいだ。『ビックリした』という気持ちが伝わる。


「そこまでだ、少年。これ以上はダメだな」


 赤い髪の青年冒険者は、引く気はないみたいだ。しょうがねーな。オッサン冒険者は『ヒッ』と怯えた顔をして、慌てて冒険者ギルドから逃げて行った。周りの冒険者達は、その様子を見て笑っていた。


 一連の騒動から通常の雰囲気に戻ったギルド併設の酒場で、俺は赤い髪の青年冒険者と同じテーブルで話をする事になった。


「覚えているか分かりませんが、以前アナタに助けて貰いました。ありがとうございました。俺はルディっといいます。コッチは相棒のアオイです」


「ああ、覚えてるよ。あの不幸な少年だな。左腕は……そうか、残念だったな。俺がもう少し早く助けられてたら、良かったんだけどな。あの魔物にも逃げられたし。すまないな。俺はベルナール宜しくな、少年」


 多分、良い人なんだろうな。本当に残念そうにしていた。


「いえ、命を助けて貰ったのですから……感謝してます。ベルナールさんとお呼びしてもよろしいですか?」


「ああ、構わないよ。俺もルディ君とでも呼ぶよ。でもキミはあの時とは、随分と雰囲気が違うようだね……」


 ベルナールさんは不思議そうな顔をしながら、テーブルに頬杖をついて、ワインを口に含んだ。


「ええ、まあ。色々有りまして……考えを変えたんです。ベルナールさんに助けて貰った時にいたヤツラを、覚えてますか?」


「ああ、確か男が一人と女達が数人いたね」


「はい、俺はアイツらとは家族や、友達や、婚約者だったんです。全て『元』ですけどね。だけど……スキル授与で俺は『ハズレスキル』と呼ばれ、仲間から軽く扱われだしました」


「スライムを連れているというと『テイマー』かな? ハズレではないと思うけど……」


「はい。それがテイマーではなくて『スライム』なんです。冒険者なら分かると思いますが、最弱のスライムだけをテイムできるスキルなんです。だから……」


「……そうか、大変だったな。ルディ君、スキルは使い方が大事なんだ。けして、スキルの種類だけで決まるモノではないよ」


 おお、なんか転生者として覚醒してから初めてかも……普通に良い人って。

 そうだ、ベルナールさんに頼んでみようかな……






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