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寝取られ裏切られた最弱テイマー〜逆境を跳ね除け相棒のスライムと最強へ成り上がれ。許して?やり直して?絶対にイヤだね〜  作者: 月鈴


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子供は親を越えるモノ

 クソ親父はキレたのか自分のテイムモンスターで、一番強いグレイトボアを呼び寄せた。


 勝とうが負けようが親子としては、コレで終わりになるのだろうな。親父はこのグレイトボアと動物を交配させて牧場を広げてきた。だからこのグレイトボアは相棒でもあるけど、財産と等しい面もある。そうグレイトボアと交配した家畜が、ウチの牧場の売りだからな。


 これから俺は親父が積み上げてきたモノを……破壊する。俺の邪魔をするんだから、仕方ないだろ。


『これが俺の生き方だ』


 グレイトボアは大きな身体をゆすりながら、俺達の前に立った。クソ親父は勝ちを確信しているのか、顔が得意げにニヤニヤしている。他の家族達はハラハラっという感じだろうか。まぁ、自分の子供に魔物をけしかけようとしてるのを、止めない時点で同罪だけどな。


「フハハ、ルディ。顔色が悪いぞ。さっきまでの勢いはどうした……グレイトボアは熟年の冒険者でも、気を抜くとヤラれてしまう。子供のお前では逆立ちしても、敵うはずはない。謝るなら今のウチだぞ……」


 ハァ、コレはケンカを売られてる……でいいんだよな。

 ああ、分かってるさ。アオイさんやっておしまい。

『ビヨ〜ン』って肩に乗っていたアオイは、伸びて地面に降り立つ。


「キュイ、キュイ」


 おっ、伸びたり縮んだりして準備運動かな……カワイイな。スライムな身体の効果で自由に大きさを変えられる。

 アオイは今は、普通サイズのブルースライムくらいになっている。それを見た親父は「ガッハハ」っと大笑いしている。


 アオイとグレイトボアが睨み合う。

 グレイトボアはアオイに向かって突進をする為に、足を前後に動かして威勢をつける。

 砂埃が立ち込める中でツノをアオイに向けて、ターゲットを決めたようだ。


 アオイはプルプルしながらグレイトボアを、待っているようだね。それにシビレを切らしたグレイトボアは、アオイに向かってツノを突きつけてダッシュした。

 すぐにトップスピードになり、鋭利なツノがアオイに接触する……寸前にスルンっとアオイは避ける。


 横に逃れたアオイから「アイツ、倒してもいい?」っという思いが伝わった。

 俺は一度目を閉じて……決別の決心を固めて。


「アオイ、トドメを刺してくれ」


 そう言うとアオイは、細い針のようにした触手で一突き。グレイトボアの脳天を、突き刺す。

 グレイトボアは激しくケイレンしてから、動かなくなった。


「ああ、そんなバカな! グレイトボアだぞ。それがたかがスライムごときに……」


 アオイに突き刺さったままのグレイトボアは、親父の目の前で触手から解放された。

 グレイトボアに慌てて駆け寄ろうとする親父の目の前で、アオイはグレイトボアにのしかかり……捕食し始めた。


 ウチの牧場は、このグレイトボアと家畜を掛け合わせ繁殖させている。その種を持つグレイトボアは、ウチの牧場にとってはなくてはならない魔物。

 アオイは財産ともいうべきグレイトボアを、親父の目の前で『ゆっくりゆっくり』と溶かしていく。


「アオイ……ありがとうな」


 一心同体でアオイの気持ちが分かる俺は、一粒の涙が流れた。アオイは優しいな。悔しい思いをさせられた、敵討ちだってさ。

 アオイは俺の代わりに、親父の大切なモノを……しかも、目の前でゆっくりと溶かすとか。アハハ、性格悪いな。俺に似たんだね。


 親父は地面に頭をこすりつけて「あ〜」とか言ってるし、妖怪ババアは「そんな、ウソ……」呆然と立ち尽くしている。コイツらとしては、金のなる木を失ったようなモノだしな。だから俺は言ってやるのさ……


「弱いんだから、突っかかってくんな。お前自身がバカにしていたスライムに、ご自慢のイノシシ君食べられちゃったね。でも悲しまなくて大丈夫だよ。グレイトボアは、捕食してもなんにもスキルにならないザコ魔物みたい。もっと良い魔物は多いよ」


 肩に手を置いてポンポンとした。「グアアァァ……」逆上して俺に殴りかかって来たが、俺の肩に乗っているアオイの触手で止められていた。


「よわ〜、俺はアンタ達に関わる気はない。だから俺に構わなければ何もしない。お互いに不干渉と行こうぜ。成人する一年後にはこんなシケた村から出ていくから」


 俺はアオイを撫でながら、決別宣言をする。


「良かったよ。最後に子供は親を越えるのが、最高の親孝行らしいぞ。最高の親孝行をした俺は、安心してこんなクソ村を捨てられるってもんだな。戻って来る事もないから、仲良く家族ゴッコを頑張ってくれ。ただし、俺の邪魔をするなら殺してやる。これが俺の生き方だから」


 黙って立ち尽くしていたビッチ姉妹。青い顔をした姉ウルリケと、落ち着きがない妹ルイーゼが何かを言いかけていた。


「お前達は俺の視界に入るな。喋るな。イカクセー息を吹きかけんな」


 一週間のサバイバルで成長出来た事を感じて、家に戻った。俺は家族との決着が着いた事に、安堵して眠りについた。


「そう、コレで良かったんだ。家族はこれから俺が自ら、作っていけばいいさ。本当の家族を」


 次の日からはまたサバイバルをする為に必要な物資の調達をする為に、村にあるたった一つの『よろず屋』へ向かった。人間ってヤツは一度落ちた人を……ガケから這い上がろうとするのを棒で叩くようにする、イヤなヤツが必ずいるよな……こんなシケた村でも。必ずな……









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