これが俺の生き方だ
「私、分かったの。どれだけアナタを愛していたのか……気の迷いだったの。全ては運命のイタズラよ。私達二人の愛に対する試練なのよ」
最初から全開で飛ばしてるなぁ、しかもまったく意味が分からん……今、俺の目の前には『聖女の再来』と世間では言われている女性。憧れてる男も多いらしいぞ。だが、俺から言わせればただのヤリマンだな。
名前はクリスティ、十六歳だ。
キレイな金髪ロングの髪にまだ幼さの残る顔立ち。
それに相反する豊満な身体。
まぁ、清楚ってツラで澄まし顔に騙されるな……
その可愛らしい娘がいわゆるジャパニーズ・土下座をキレイに決めている……『私、可哀想でしょ』って顔をしながら。
ああ、その姿が腹立つわ〜……ものすごい計画性を感じるしね。
しかも、この聖女様は元々は俺の婚約者だったんだよ。親同士が決めたモノだが。
そう、だったなんだ。俺から離れて行ったんだよ……自分からね。
伝説の『勇者』様が良かったらしいよ。
それが今はコレだよ。まぁ、男を乗り換える女だから、恥ずかしげも無くこのくらいはやるんだろうよ。
可憐な感じの女性が涙ながらに懇願する姿に、周りのギャラリーも同情していく。
「許してやれよ」「こんなに謝ってるのに」「泣いてる女の子を」「あんなに必死に」「可愛い娘なのに可哀想でしょ」
あ〜、ハイハイ。俺はキライなんだよね〜。何も知らないアカの他人が見ただけなのに、色々と言ってくるヤツが……そのギャラリーの反応が自分を後押ししてくれていると、勘違いしている聖女様。
少し口元が上がってるのを見逃さないぞ……俺は。
『スゥー』っと感情が引いていくのが分かるよ。
そんなに言うならギャラリーの誰かが、責任持って聖女様に尽くせば良いのに……すぐにアナタを裏切るけど喜んでくれるよ。どうぞ、どうぞ。
その気も無いのに安全な外野から、言いたい放題。
それを計算して人の多い所をわざわざ選んで、土下座する聖女様。
全てが演出だろう? 計算通り? って言いたいよな。
俺の反応が悪いのを、気が付き始めた聖女様はあわてて、
「お願い、話しを聞いてよルディ」
はい、聖女様よりご紹介がありました。
俺の名前はルディ、今年で十六歳になる。
とはいうものの……本当は違うのだ。
日本で生まれて死んだ『転生者』だからな。
そして、この聖女様とは元婚約者であるし幼馴染でもある。同じ村の出身。
それを同じ村の『勇者』になびいて、俺を捨てたんだけどな。まあ、それはコイツだけではないけどな。
「アナタもいけないのよ。私をしっかりと捕まえておかないのだから。私も不安で寂しくて……そんな時に優しくされたら女の子なら……」
本当に謝ってる? 結局は俺が悪いと言いたいんだろう?
コイツはそこに俺との関係維持の為に、何をしたのだろうか……浮気してただけだろう。
俺は『勇者』と聖女含めた、周りの女達にされた事を思い出しながら左腕……今はもう、無くなってしまった腕の肩を擦る。
そう、『勇者』含めて周りの女達も俺とは幼馴染、いやそれだけでなく義理とはいえ家族だったヤツもいる。
そう、『勇者』君は俺の周りにいた……女の全てを奪い取りハーレムを築いていた。
婚約者も……家族も……女友達も……
それだけでなく俺は一族からも、追放されている。
まぁ、未練はないからどーでもいいけどな。
結局は俺自身の手で潰したしな。
ただコイツらのせいで無くなった、左腕と男としてのプライドはどうやっても戻らないけどな。
それなのに演技めいた『お涙ちょうだい劇』をいつまで見せられているのだろうか? タイクツだな〜。
これで状況をひっくり返せると思ってる程、俺は舐められているのだろうな……しかも横から聖女様の援軍が、
「兄さん、私からも謝らせて」
コイツは勇者パーティー『剣豪』であり俺の義理の妹でもあったルイーゼ。 十五歳
親父が再婚した連れ子、ピンク髪をポニーテールにした元気っ娘。ここ最近育ってきている……アレが。
「ルディちゃん、分かって欲しいの。私達は今でもルディちゃんを家族だと思っているのよ」
俺をちゃん付けで呼ぶのはルイーゼの実の姉、ピンク髪をストレートに伸ばしている。ダイナマイトな核弾頭ミサイルのバディだね。
俺とは義理の姉だったウルリケ 十八歳
勇者パーティーでは『魔導士』
「ルディ君、僕も悪かったと思ってるんだよ」
ボクっ娘な女友達だったラウラ 十六歳
茶髪を肩くらいまで伸ばした髪。そしてまな板。本当に上から下まで『にゃ〜ん』って感じ。勇者パーティーでは『弓術士』
「ケッ」謝る女達の直ぐ側で、つまらなそうに地面を蹴って悪態をついている、この感じの悪いヤツが『勇者』……名前はランドルフ。十六歳。
元々は俺とは親友だった。そう思っていたのは俺だけだったようだがな……
俺の周りに集まり頭を下げている女達の一歩後ろで、頭の後ろに手を組んでチラチラと目でコチラを伺っているのがわかる。
俺は彼等……勇者パーティーに向けて言う事は決まってる。頭を下げた? それがなんだっていうんだ?
「俺はお前達を赦す事はないし、元に戻る事もない。お前等からの謝罪も受け付けない。コイツのお下がり……中古女なんか遠慮する。ただ、俺の邪魔をするなら、お前達だろうと殺してやる。これが『俺の生き方だ』……」
俺は一年前に無くなった左腕を擦り、少し『ズキン』とうずいた胸の痛みを隠して立ち去る。その肩には唯一、相棒と呼べる青いスライムが乗っていた。
スライムはルディの心に寄り添う様にルディの頬にスリスリと身を寄せた。俺はスライムを撫でながら、
『絶対に俺は成り上がって……俺をバカにしていたヤツらが、届かない高みに行ってやるさ。なぁ、相棒』
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同時に現在連載中ですので合わせて宜しくお願いします。
『お前の全てを奪ってやったぜ。と言われたがほとんど無傷な俺はどうすればいいの?悲しむマネをすれば満足してくれるのか?』




