保証人の壁―担保という武器#6
翌朝、窓口に一人の痩せた男が現れた。
彼は、窓口の前に立って、俺を見た。
目つきが鋭く、軽口めいた笑みを浮かべている。
「お前が、レオン・ミナトか?」
「はい、そうですが」
「俺はセラド。セブン・ヴォルトの算盤師だ」
——セラド。
この名前は初めて聞く。
だが、セブン・ヴォルトの人間なら——警戒しなければ。
「噂を聞いたぞ。担保で貸し出しを始めたんだってな」
「ええ、そうです」
「面白いことをする」
セラドは、皮肉めいた笑みを浮かべた。
「だが、わかってるのか?この街の金融は、俺たちが握ってる」
「それは、おかしいと思っています」
「おかしい?」
「ええ。金融は、一部の者が独占すべきものじゃない。誰もが公平に利用できるべきです」
「公平、ねえ……」
セラドは、鼻で笑った。
「お前、理想論を語るのは結構だが——現実を見ろ。この街で生き残りたければ、俺たちと協力することだ」
「協力?」
「ああ。お前の担保制度、悪くない。だが、それを俺たちの管理下に置け。そうすれば、お前も利益を得られる」
「断ります」
「……何?」
「俺たちは、独立してやります。セブン・ヴォルトの管理下には入りません」
セラドの顔が、一瞬険しくなった。
だが——すぐに、笑みを取り戻した。
「……そうか。まあ、いい。お前の考えは、わかった」
彼は、窓口を離れた。
だが——去り際に、こう言った。
「ただし、後悔するなよ」
俺は、その背中を見送った。
そして——心の中で、呟いた。
——ついに来たか。
セブン・ヴォルトが、本格的に動き出した。
だが、俺も負けない。
仕組みで、戦う。
俺は、ミラに声をかけた。
「ミラさん、これから忙しくなりますよ」
「え? 」
「セブン・ヴォルトが、本気で潰しに来る。だから、俺たちも本気で準備しないと」
「……わかりました……頑張ります」
ミラは、少し不安そうだったが——決意を込めて頷いた。
俺も、拳を握りしめた。
——よし、やってやる。
この街の金融を、俺たちの手で変える。
そして——セブン・ヴォルトを倒す。
それが、俺の目標だ。




