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死ね!! 第13話!!

 この痛みはなに?

 ドラゴンに紫の煙を吹きかけられてそれで……。

 気分も悪いし、なにがどういうこと?


 どうして、こんなの、気持ち悪いよ。

 汚い。汚い。汚い。


 汚い汚い汚い汚い汚い汚い!



 ああああああああああああ!


汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い!!!!


 汚された汚された汚された!

 妙におでこも痛むしさあ!


 あ゛ーっ! あ゛ーっ!


「殺すっ!!」


 なんか呪厳竜(こいつ)を殺せるものっ!


 私が右手を突き上げると私の全身から赤いもやが漏れ出て集まり鋭い剣の形を作った。

 ブンブンと振り回すと私の手になじむ。


「来いっ! もう一振り!」


 同じように左手にも赤い剣が出現する。

 私は2つの剣をクロスして構える。


「名付けて……祇双蹂躙剣(ぎそうじゅうりんけん)!」


 さっきまで私のことを気にも留めてなかった呪厳竜は剣の気配を嗅いだ途端に私を警戒し始めた。


 私は地面の土を蹴って呪厳竜めがけてジャンプする。


『カアアアアアアア!!』


 呪厳竜は右手の黒いツメで私を襲う。

 その大きさに見合わないスピーディーな動きで。


 私は祇双蹂躙剣(ぎそうじゅうりんけん)を十字に交差し呪厳竜のツメを受け止める。

 衝撃で私は少し後ろに下がる。

 いつのまにか私は空に浮いていた。


「やっぱり強いっ。でもねっ」


 私は右手の剣を呪厳竜のツメと指の隙間に突き刺す。


「私の方が上だからっ!」


『~~~~~~~!!』


 ジャスト命中!

 誰だって痛いよねこんなの。

 たとえそれがドラゴンでもっ!


 思ったより奥まで入っちゃったな。

 この剣ってもともと煙みたいなもんだし、こういう細かい隙間に入り込むのは得意分野だったり?


 私は左手の剣をツメに突き刺さった剣に引っ掛けて体重をかける。

 理科の授業で習ったやつ、テコの原理の要領でツメと指の隙間がジリジリと少しずつ開いていく。


『ガアッ!!』


 呪厳竜は蹂躙剣(じゅうりんけん)を引き抜きたいのか、左手を私に近づける。

 こういうときはアレだ!


「結界!」


 私は結界を張って呪厳竜の指の傷を護った。

 あれ? さっきは緑色だったのに今出たのは赤い。

 まあいいや結界の色とかどうだって。


 呪厳竜は私にも刺さってる剣にも触れられない。

 護るための技で自分を護れなくなるなんてかわいそー。

 左手でガツガツ結界を叩くけどビクともしてない。


 一応壊されないとも限らないか。

 もう関係ないけどねっ。


  バリンッ!


 ツメの破片が飛び散った。

 私がちょっと力を入れたらあっさりはがれてくれました!


『グガガガガガ!!』


 痛いよね痛いよね。

 ま、私ツメはがれたことないから知らないけど!


 もちろん呪厳竜のツメは完全にはがれたわけじゃなくって、コマゴマしたものが残ってる。

 気持ち悪いなあ。



「はっ!!」


 はがれたツメの1番大きな破片をグーで殴った。

 ツメの破片はさらにこまかくバラバラになる。


「浮かべ!」


 なんとなく黒い破片に浮かべと命じたら浮かんだ。

 この肉体(からだ)の使い方が解ってきたかも。


 私は赤い結界を解除した。

 そして黒い破片を階段状に浮かべる。


「ホップ! ステップ! なまたまご!」


 私は軽々と階段をのぼっていく。


『ガアアアアアアアア!』


 呪厳竜は私を止めようと口から黒い炎を吐いた。


「ムダだよ~♪」


 私は蹂躙魔剣を一本、向かってくる炎に投げつけた。

 剣先が炎に触れた途端、炎は左右にゆらぎだして霧になって消えた。


「とうちゃーく!」


 私は呪厳竜の顔の近くで宙に浮かぶ。

 指をクイッと動かして上ってきたツメの破片を召集した。


『ビュッ――』


 呪厳竜は眼を鋭く光らせて赤いビームを放った。

 クルリと一回転して私はビームをかわす。

 あっぶなーい。


「そんな危ないものこうだ!」


 私は5本の指をいっせいに前に開く。


 ザク。

 ザクザクザク。


 ツメの破片が呪厳竜の巨大な眼に次々突き刺さった。


『ギュムゥ!』


 私は浮かんだまま呪厳竜の眼に近寄る。

 刺さりきってないのがあるなあ?


 破片を手で押し込んであげると、面白いくらいヌルっと入っていく。

 いいこと思いついた!


 刺さったツメたちをいっせいに時計周りに動かす。

 呪厳竜の眼の奥からブチブチブチと音がする。


『ギギャアアアアア!!』


 はい、その眼はもう使い物になりません。

 Have a nice day!


 もうかたっぽもやっちゃおー!




~~~~~~~~~~




 眼の中探検するの楽しすぎた。

 結界を壊せなくて自分の眼の周りに自分で穴を開ける呪厳竜おもしろすぎてやばいでしょ。

 もういい飽きた。


 呪厳竜の動きもにぶってるしそろそろ浄化しちゃおう。

 えーっと、おでこに力を入れて……。


「浄化ビーム!」


 ……出ない。もっかい。


「浄化ビーーーム!!」


 ……はあ? 出ないんだけど。

 なにこれ不具合?


 ええっと、こんなときは、そうだ通話だ。

 マストさんに連絡。


「もしもーし。マストさん?」


『な、何者だ!! 要件はなんだ!』


 いやそんな驚かないでよムカつくなあ。


「アサですけど??」


『……アサ? そっちの様子は今どうなっている?』


「今ちょっと呪厳竜と戦ってるんですけど、なんか浄化するやつが出なくって……」


『なにっ!? そうか……戦ってくれているのか。私は君を信じていた……」


 んんっ。そういえば私なんで戦ってるんだっけ。

 ていうかこれ……。


 あれ?

 ちょっとだけやり過ぎちゃったかも……。


 なんていうか、呪厳竜のいろんなところが奥までぐちゃぐちゃっていうか。

 うっ……。気持ち悪い……。


『浄化ができないと言ったな。一度心を落ち着けるといい。戦いのさなかで簡単ではないだろうが、浄化というものは』


「まって、今出そう! 出そうです!」


『そ、そうか』


 いろいろ言ってたけどたぶんクシャミみたいなもん。

 それかお通じ。

 出ないときは出ないし出るときは出る。


「浄化ビーム!!」


 私の額の宝石から緑の光がキラキラ出てドラゴンの身体をつつんだ。


 シューーーっと赤い光が抜けて、中から見覚えのある男の人が出てきた。

 これってまさか……。


「あ、紅葉くん!??」


 出てきたのは隣の席の紅葉くんだった。


「紅葉くん起きてっ。起きてっ」


 私は彼の身体をゆする。

 でも彼は目を覚まさない。


「もしもしマストさん! 紅葉くんが、紅葉くんが起きないんだけど!」


『落ち着けアサ。紅葉くんとは呪厳竜の源となった人間か? あれを本当に浄化してしまうとは君は大した人間だ。残念だが彼は長時間強い闇の力にさらされていたんだ。今原型を保っていることが奇跡というほかない』


「でもこのまま目を覚まさないなんて……私」


『呼吸はどうだ? 心臓は?』


 私は紅葉くんの口元と胸に耳を当てて確認する。

 心臓の音は……する。息は……してない!!


「息してないです!」


『では……人工呼吸をしてみてはどうだ?』


「ふぇっ?」


 じじじじ人工呼吸!?

 ままままマウストゥマウス!?

 きききききききキス~~~~!?

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