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長峰涼子④

――今度のレクのペア決めしてる?



 ホームルームの最中、恵美からメールが届いた。



――うん、してるよ。男子が騒いで中断しているけど。



 南君が佐井君に絡んでいる。



――涼子が佐井君とペアになって!


――なんでよ!



 恵美がよくわからないお願いをしてくる。


 どうして私が佐井君とペアにならなくてはいけないのか。



「とにかく俺に彼女はいない」



 ケータイに集中していたせいで、男子が何の話をしていたかはよくわからないけれど、佐井君の言葉は耳にしっかり入った。



――佐井君彼女いないって!



 恵美から返信がまだだったけれど、これは伝えないといけない、と思ってすぐに知らせた。



――え!? どういうこと!?


――佐井君が男子たちの話の流れで言ってた。


――じゃあそれは後で詳しく教えて。とにかく佐井君とペアになって。小川さんが狙ってるでしょ?



 そういうことか。小川さんのアプローチを阻止するためか。


 だとしても恥ずかしい。私が佐井君に気があるのかって思われちゃうんじゃないか。



「ちょ、ちょっと、男子だけで盛り上がってないで話進めてよ」



 小川さんが動き出したようだ。



――頼む。


――お願い。


――求める。


――乞う。



 恵美が同じ意味の言葉を連投してくる。



「それじゃあペアの続きをします」

 大沼さんがペア決めを再開する。

「ペアの希望はありますか?」



 しょうがない。やってやるか。



――今度美味しいものおごってよ。



 そうメールを入れて、手を挙げた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 第14部からここまで拝読しました。 光ちゃんは、中学のときからの知り合いなのですね。 自分だけが知っていることがある、それを隠しておきたいという気持ち、すごくよく分かりました。 あんちゃん…
[良い点] 長峰さんも挙げたー…が、これはちょっと変化球。 恋の駆け引きに巻き込まれていますねえ。 [気になる点] 私も恵美ちゃんの将来がちょっと心配です。 [一言] この話に出てくる女の子が、故人ま…
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