1、下町でのあれこれ
昔、昔というほど昔ではない。どちらかというとつい最近の出来事。ここグランデ王国には1人の陛下がおりました。大変優秀な方らしく仕事はできる、剣の腕も一流。民想いのいい陛下ともっぱらの評判でした。自然豊か、隣国との関係も良好。そうなると国民の関心はもう1つの陛下の噂の方に自然と目がむけられてました。
そう、もう1つの陛下の噂というのは『陛下はロリコンだ』というものでした。
「陛下はロリコンなんですか?」
グランテ王国城下町。安い、おいしいと評判の食堂『リーズナブル』そこには最近働くようになったひどく小柄な少女がおりました。平均身長女子168㎝、男子185㎝の中、小学生並の小柄な少女。身長145㎝、この物語のヒロイン『リサ』でございます。
リサ=本名皆口莉沙。純日本人であります。家に帰る途中穴に落ちて気がついたら、この食堂の裏にいたという不運な境遇の娘であります。途方に暮れていたところ、裏口から出てきた女将さん=ダンテ・ロクリと出会い、身寄り、行く当てのないリサを心配し住み込みで雇ってくれた、ここからが彼女の物語のはじまりです。
余談ではありますが、ダンテが雇ってくれた理由は「8歳くらいの女の子が泣きながら行く場所がないって言われちゃったらほっとけないでしょう~」でありました。