第一ステージ
目覚めると、ブレザータイプの制服を着て寝転がっていた。
白い正方形の部屋には私の他に、四人いる。
私は、自分の名前がわからなくなっていた。
「あ……何よ? ここ」
「え、と」
黒髪セミロング、ショートにハーフアップ、ポニーテール。
まるで姉妹みたいにそっくりな顔立ちの娘達だった。
「なんですか……あなたたち、すごいそっくり」
ショートの娘が、怯えた口調で言う。
私も、ということか。
『目が覚めたか』
天井から声がする。
『君たちにはゲームをしてもらう』
ゲーム?
『各ステージで脱落者一名が出る』
性別のわからない、だけど機械音声じゃない……声。
壁の一部が、音もなく開く。人一人が通れる幅の通路が出現する。
『スタート』
全員、一応状況を飲み込めたようだが、私達は立ち竦んでしまう。
「どういう……ことでしょう?」
ショートが、誰にともなく訊く。答えられる者など、いる筈もない。
「行くぞ」
先頭に立ったのは、ポニーテールだった。
「あの」
「どした? セミロング……あ、今喋った方の」
「え……わ、私も? 私もセミロング?」
ポニーテールが、乱暴な口調で告げる。
「顔、全員同じだからな。あたしもだけど、名前だって思い出せねえだろ? じゃ髪型で呼ぶしかなくね?」
「それもそうね、ポニテちゃん」
ハーフアップが同意する。
呼び方は決まった。
一人ずつ部屋を抜けていく。
ポニーテール、ハーフアップ、セミロング、私。
ショートが通路に踏み出した、その時だった。
壁が、凄まじい早さで閉まった。
私は、血と肉片をもろに浴びてしまう。
内臓ごと押し潰され、ぐちゃぐちゃになった肉塊が残った。ほんの一瞬前まで、人の形をしていたのに。
「ひっ……あ……はぁ…………っ!」
四人の絶叫。
合唱と呼ぶにも悪趣味な、悲鳴の四重奏が反響する。
──ここが……もう第一ステージ。
脱落、即ち死。
これは……デスゲームなのか。




