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転生タイムスリップ  作者: Ari
第二章
22/44

21 魔法

 「ねえー、葵ー? どうして敵がいるってわかったのー?」


 刺客達を引きながら郷への道を急いでいると亮が聞いてきた。


「え」


(やばい。魔法のこと言ってないのに、目の前で使ってしまった。素の身体能力って言えば信じてくれるかな? ・・・亮はちょっと抜けてるからいけるかも)


「気配で分かったんですよ」


「うそだね。人間が四キロも先のことを感じれるわけがない」


 意外と抜け目のない亮。


(くっ、騙せないか。もういっそのこと正直に話すか・・・)


 私は覚悟を決める。


「実は・・・魔法で刺客達の存在を感じ取りました」


「「「魔法?」」」


「あ」


(しまったこの時代には魔法という言葉自体がないんだった・・・)


「えーと、術みたいなもの・・・ですかね」


「へー、術か。それなら納得がいくねー。ついでにその身体能力も魔法とやらでしょー」


「まあ、はい」


 意外と驚かない三人に逆に驚いてしまった。

 そしてさらに驚くことを言ってきた。


「僕にもー魔法つかえるかなー?」


「葵、教えろ」


「俺も」


「えっ、でもそれは―」


 魔力がないと。


(あれ、そういえばこの三人・・・魔力持ってるな。しかも結構多い・・・)


「できますね」


「やったー。じゃあ、明日から修行だ~」


「「おおー」」


「え、あの、ちょっと、ちょっと待ってください!」


 いつも通りの三人に私は困惑してしまった。


「なんだ葵?」


「何でそんな普通でいられるんですか。普通はもっと怖がったりするでしょ」


「ないな」


「え?」


「怖がることなどない」


「どうして・・・」


 どうしてか私には理由がわからなかった。


「だって、面白いじゃないか。この魔法という力はこの世界にはなかったものだ。少なくとも俺は知らなかった。そんな未知の力を使うことができるかもしれない。これほどワクワクすることはないだろう?」


「蒼焔様・・・」


「そうだよー。もうワックワクだよ~」


「亮・・・」


「俺も強くなれるなら、どんなことも挑戦すると決めている」


「いっつ――」


「いっつんはやめろ」


「・・・ふふっ」


 やはりこの三人と一緒にいるのは楽しい。

 常に予想外の答えが返ってくる。

 

(ずっと共にいると決めているが、また覚悟が強まった気がする)


 これからも覚悟は強まり続けるだろう。

 なぜか、そんな気がした。

 



 





今日は・・・面白い場面が少なかったかな・・・?

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