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絶対言わないけどね。

多分大丈夫だと思うけど設定の齟齬がないかやや心配

「そう、騎士学校だ」

「以前からフレイちゃんが魔術の問題を解決したから、今度は剣術の学校にしようかしらねって」


 それは、確かに行きたかったところだ。


「本当は最初は騎士学校の編入をアレスはさせたかったのだけれどね、私がワガママいっちゃったから」

「いや、なんだかんだ魔術は俺の希望でもあったし気にしてはいないよ」


 どうして、急に?


「フレイちゃんが魔力制御を覚えないとと思っていたけど」

「話を聞くに、並大抵の中等部どころか特別進学の高等部並の魔力量だったらしいじゃないか」

「もうびっくりしちゃって。私が同じ火魔法使いでも勝てそうにないわあ」


 そんなつもりで披露したんじゃないのに。


「だからこれで解決よね?」


 確かに、解決した。解決したけど……。


「うん……」

「ん? どうしたフレイ、騎士学校は行きたくないか?」

「そ、そうじゃないの! ただ、その、まあえっと友人にはお別れ言わなくちゃって思ってね」

「なるほど学友か。フレイは友人沢山作ったんだな」

「う、ん」


 そう。友人。あくまで友人。


「お世話になったり、したからね。せんせ、いとか」

「フレイちゃん……あらあら、まあまあ」



「お別れしたくないならその———」



 お母様は、察している。アタシの、全く欠片も自分で認めていない気持ちに。

———それに気付いた瞬間、自分で全く制御できないレベルで頭に血が上った。


「おと———」

「そんなんじゃないわよ! フン!」

「———この、こ……えっ、フレイちゃ」



「うるっさいわね! ほっといてよ!」



「え……」

「…………あっ」


 アタシは、今まで使ったことない金切り声でお母様につらくあたってしまった。

 後悔しても遅い。


 あまりにも唐突で、だけど本当に自分の気持ちに整理がつかなかったから……。

 だから……。


「どうしたフレイ、お前……」

「……ごめんなさい。騎士学校、行くわ。行くから」

「無理に行かなくても」

「行くって決めたの! 今! もう言い直さないから!」


 大声で怒鳴って、自分の部屋に帰った。




 なんだろ、アタシの中で、反発心が生まれて。……大好きなはずのお母様が、とんでもなく憎たらしく見えて。

 このいかにも人生の先輩風吹かせている、余裕綽々な態度の女の言いなりになりたくないぞって。


 ああ、これ反抗期ってやつなのかな、かっこ悪い。


 でも、一度言った発言を取り消すのは、やっぱり意地でもしたくなかった。お母様と会いづらい……。




 そう思っていると、部屋のノックが聞こえた。


「……」

「……いるわよ」

「……。……フレイちゃん……」


 お母様だった。


「……何?」


 自分とは思えないぐらい、イラっとした声が出た。違うの。そういう声出したいんじゃないの……。


「わ、私、ごめんなさい……さっき、余計なことを……」

「……」

「子供、扱い、してた……何も分かってなかった……」

「……」

「同じ女性として、あなたの気持ち、何も考えてなかった……」

「……」


「ごめんなさい……ごめんなさい……」

「…………もう、いいわよ……」


「……私……フレイちゃんに嫌われたら……生きてい、けな……」

「……」

「ううっ……ひっく……ぐすっ……」

「……」


「………………ヒック……ヒック……」

「…………ああもう……!」


 ドアを開けた。そこには緑の髪の女の子がぺたんと座ってうずくまっていた。


 同じ身の丈になって。そうやって座り込んで。剣術やってないから腕もあたしより細い緑の髪の女の子は、なんだか本当に小さくて。


「まったく、ママは昔っから泣き虫なんだから……」


 ちょっと妹みたいだな、なんて思ってしまった。

 なんだかそう思うと、さっきまでのイラっとした気持ちがだいぶやわらいだ。


 その小さな女の子の顔を、アタシのようやく多少は大きくなった胸に乗せ、服で涙を拭いながら髪を手で梳くように抱きしめる。お母様の耳たぶの小さい耳と、アタシの指先が触れる。ぴくり、と反応する。


「娘の反抗期ぐらい堂々としてなさいよ……」

「うん……ごめんね……母親失格ね……」

「母親失格もいいところよ、なんで娘にこんなこと諭されてんのよ」

「……うぅ……だってぇ〜……」

「はぁ……母親というより、なんだか妹みたいね……」


 結構前から、母親にしては子供っぽい人だな、とは思っていた。今日は特にそんな感じだ。

 アタシは小さくなったママが泣き止むまで、胸を貸して頭を撫で続けた。

 アタシもアタシで、お母様に怒鳴ってしまった自分の原因、その頑なな感情と、ゆっくりと向き合うことにした。


 アタシも大体気持ちに決着ついたあたりで、お母様もやがて落ち着いたようだった。


「私、がんばって母親になるから」


 お母様は、耳を撫でながらそう言った。これは見たことある。耳を撫でるのは、お父様が頬を掻く時と似てるから、照れ隠しなんだろう。




 安心した、と思ったら、突然こんなことを言った。


「ねえ」

「何?」

「フィリス、って呼んでくれない?」


 は?


「それは調子に乗りすぎ」

「ね、ね、一回だけ?」

「イヤよ」

「あ〜あ、さっき怒鳴られてママ悲しいなー、もう死んじゃいたいなー」

「今それ蒸し返すの!? し、仕方ないわね……」


 ……こうなったお母様は、かなりめんどくさい。仕方ないので覚悟を決めて、呼吸を落ち着ける。


「……」


 よし。




「フィリス」

「ふふっ、なあに?」


—————。




 やばい、なにこれめっちゃ照れる。なまじ普通に同級生っぽい雰囲気なだけに。


「ねえねえ、私フレイの妹って紹介して学園入れないかな?」

「……」

「ふふっ」

「……お前みたいなデカチチの初等部がいてたまるかー!」


 いたずら大成功! みたいな顔している正面の悪戯妹もとい実母に、スッパーン!とおでこにチョップをする。


「いった〜い!」

「元冒険者なんでしょ! このぐらいで痛がってるんじゃないわよ!」

「でもでも〜! 痛いのやだもん! それにフレイってばめちゃくちゃ力強いんだもん!」

「あーもーほんと子供かお前は!」


 完全に子供となった巨乳初等部妹。

 ……つーか待って? 同じ身長になって、アタシはまだまだ身長伸びそうな感じで、お母様がこの片手でちょっと掴めきれない位のサイズ? 待ってこれアタシ本当に大丈夫なの? 明らかに女としての勝負もう絶望的じゃない? ほんとにお母様の血引いてるの? どうしよう今度はアタシが泣きたい……。


 なんだかどっと疲れた。でも、そういうやりとりをしていて、お母様に対する苦手意識はなくなったようだった。


「ねえねえ」

「……何よ、まだ何かあんの?」

「アレスにもいたずらしない?」

「は?」


———その提案、聞いてみると面白そうなので乗った。




「それじゃ、クラスのみんなとお別れを言うわ」

「そうか、お前が決めたのならそれでいいんだろう」

「元々剣の方が向いてたからね。お父様以外とも手合わせしたかったし、魔力切れさえなければ弱点はないから」

「そうだな、楽しみにしている」


 翌朝、アタシは朝食を食べ終わったので席を立った。お父様は、何事もないかのように返事をしつつチラチラとお母様を見ている。

 昨日の今日だからね、気になってるけど言い出せない感じ。こうやって見るとあのかっこいい剣士のお父様がちょっと情けないホームパパに見えるんだから面白い。




 アタシはお父様を向いて。まだ会話してないお母様を見て。


「それじゃ、行ってくるわ。お父様、()()()()!」

「いってらっしゃい、()()()()()()()()!」




 その瞬間のお父様といったら。


 家から出た後、学園に入るまで「アッハハッハハハっ! な、なにあれあの顔! ヒーッくるしい!」と思い出しながら一人で大爆笑していた。絶対お母様も家の中で笑っている。


 いたずら大成功!


 -


 授業は上の空だった。まあもう試験とかないものねー。頭の中は、とにかく別れの挨拶……のこと、なんだけど。

 結局。誰にもその話を始めることができず。先生にも言うことはできず。

 ああこれ、誰にも言わずに転学しちゃうパターンだなーって思った。


 昼休みにセンセの方をぼーっと見て。今日も白い子が学食に誘っていて。目を合わせると、相も変わらず気まずそうに目線を逸らせて……いや、そろそろ慣れなさいよあんた……。


 ……でも、あの白い子、ほんとずっと一緒にいるわよね。アタシが放課後取っちゃってるけど、それ以前はずっと放課後一緒にいたのかな。

 だめだ、あの地味なセンセを最初ノーチェックだったから、2年前のこととか全っ然覚えてないわ……。


 ……アタシなんで今日あんなにあいつのこと気になるんだろ……。


-


 そのまま、なんとなく放課後になってしまった。


「……」


 夕日を背に浴びて、どう言い出したものか考えていると、リオの方から声がかかった。

 そういえば、二年間で、リオから声かけてくれるの初めてじゃないかな?


「どうしたんだ? フレイ。いつもなら練習って言って腕を引っ張るのに」

「……アタシ、別の学校いくから」

「———ああ。そう、なんだ……?」


 急よね。そんなこと言われても。ここ2年ずっとアタシが無理矢理引っ張り回しちゃったからね。


「せいせいするでしょ、アタシにもう構う必要もないんだし、もうちょっと喜んでも良いわよ」


 嘘。ここで喜んで欲しくはない。アタシがこんな下手な仮面つけることになるなんて———


「フレイが才能なくて変化のない2年ならそりゃ面白くなかっただろうけど、フレイめっちゃ強くなったじゃん。教えてて楽しかったし、まあ……そんなに悪い気はしなかったよ。大変だったけど、別れるのはちょっと寂しいかなって思うぐらい」


——————。


「———そう……」


 な、な、なななんてことをいうのよ……! 今絶対顔赤い。見せられない。センセには、リオにだけは、見せたくない。見るな、見るなっつってんの!

 でも、そう……別れるの、寂しい、のね。あんたも。今すごい安心してる。


 あのね、毎日2年間も連れ回して、それでちゃんと付き合ってくれるんだから、普通は変な勘違い起こすわよ。そうでなくても、こう、アタシに対して、何か……

 ……いや、毎日本当に練習するだけだったわね。なんかこう、目的に突っ走ってたっていうか。振り返るどころか横も見てないような、練習の日々。


 アタシに対して、何か思うこととかないのかしら。そう考えたら、頭の中にあの白い髪が揺れて————考えることをやめた。今考えることはそっちじゃない。




リオはずっと1位だった。

アタシはずっと2位だった。

貴族の学園からの転学としては異例の、超優等生魔術師だった。


センセに教えてもらって、圧倒的に強くなった。

決闘ナシという条件で教える、破格のセンセ。

教員なんてメじゃない、あたしだけのセンセ。


「……あ、あのさ! これでその、終わるわけじゃん?」


 感謝してる。本当に感謝している。


「じゃあ……約束も、これでナシってことで!」


 でもね、やっぱりアタシ———


「アタシと、勝負しなさい!」


———1番になりたいの!


 -


「……」

「……」


 余計な言葉は不要。今日こそ、センセに教えてもらった力で、その力の底を見る!


「……バーニングウォール! フレイムブレス!」

「ウィンドバリア! エアロラッシュ! ……もうとてもこれで削れそうにないな!」


 センセの魔法は、相も変わらず属性デタラメに硬かった。だけど、かなり効いている感触があるし、なんといってもアタシが今度は無尽蔵なんだ。


「ぐぅ……! 消耗が激しい」

「どうしたの!? センセがそんなんじゃアタシは面白くないわよ! 女の子に手も足も出ずマウント取られちゃって悔しくないの?」

「……そいつは……確かに悔しいな……!」


 ふふっ、手も足も出ないぐらい丸め込んじゃうなんて、ちょっと男の子のプライド的にはかわいそうかしら?

 でも、これじゃすぐおわっちゃいそうね———




「誰も見てないし、本気でいこう。———ウォーターバリア!」


—————は?


「あと槍が来たら怖いか。ストーンウォール! マジックシールド!」




 ……完全に。完全に予測できていなかった。


 実技は、1科目。反対属性は、打ち消し合う。

 一つの属性を極めるために、一つの属性をずっと行うのが魔術学園。


 それを、目の前の光景が否定する。


 冷静になって思い起こす。そもそもリオは、二年間アタシに火魔術完璧に教えてたじゃないか。なんといってもリオなのだ、アタシに教えた火魔術を使いこなせないとは思えない。


「ねえ……センセの属性ってなんなの?」

「授業では風だけど」

「いや……そうじゃなくて、本当の属性」

「本当ってなんなのさ、そもそもみんなどの属性でも選べるよね?」

「選べる……って、向き不向きとかあるじゃない」


 アタシは火しか使えなかった。たまたまだというの?


「向き不向きはあるけど、それはフレイみたいに火だけぶっちぎり優れているとか、そんなんじゃなければ」

「あるでしょ」

「ないよ、だからどの属性を自分で選んでもそこそこみんな使えるんだ。約束で学校では言えないけど———」


「———そもそもどの属性を使うのも大差ないよね?」


 ……アタシは授業で真面目な優等生魔術師の、あまりの授業全否定な発言に戦慄した。


「でも、僕も全属性使ってもフレイの魔力を枯らせられるかはわからない。君の体の魔力は本当に特別すぎるからね」


 そして、そんなデタラメに強い彼からの、再びの手放しの絶賛で嬉しくなる。

 お母様からもらった、魔力の泉。

 アタシとお母様の、繋がりの証。


 この勝負—————


「じゃあ、どっちが先に尽きるか、やってみようじゃない!」


——————まだまだ、続けられそうね!


 -


 アタシにとって、魔術ってのは、お母様との唯一の繋がりだった。




お父様と同じ少し跳ねる赤い髪。

お父様と同じ少しきついツリ目。

お父様と同じ剣術はまるで生まれつきの才能(ギフト)


お父様と同じ戦士の体つき。

お母様と違う胸の膨らまない筋肉質な体。

アタシはお母様の身長を追い越すだろう。




 フレイ・エルヴァーンは、どこまでも、アレス・エルヴァーンの娘だった。

 フレイ・エルヴァーンは、まるで全くフィリス・エルヴァーンとは違った。

 本当に娘なのかどうかさえわからないほど、何も受け継いでいない。




 ただ一点を除いて。




 魔術。


 魔術が使えないお父様と結婚したのが、魔術が使えるお母様だった。


 アタシは魔術が使えた。

 お父様みたいな燃える炎だったから、お母様みたいな優しい風に憧れたけど。

 それでも。

 それでも嬉しかった。


 お母様が使える魔術。

 お父様が使えない魔術。


 アタシとお母様の唯一の繋がり。

 それが魔術。




「フレイムブレス!」

「ウォーターバリア! ……もうそれを連発してもバテないな!」

「当然!」




 それを、お母様に否定された。


 唯一繋がりのあった魔術が、下手な魔力調整でアタシの危険になると知ると、お母様はアタシに魔術を教えたことを後悔し始めた。


 つらかった。悔しかった。

 お母様自身に、お母様との唯一の繋がりを否定された。

 まるで親子の縁を切られたようだった。

 その日は、部屋で、生まれて一番泣いた。


 魔術学園に入学するまで、アタシを心配するお父様と憐れむお母様の姿は、見るだけで心が折れそうになった。

 それが入学して少しずつマシになると、目に見えて安心していった。


 だから必死になった。

 周りが見えなくなるほどに。




「フレイムランス! ヤッ、ハッ、ッ!」

「相も変わらず温存とかおかまいなしのとんでもないスタミナだな……マジックシールド!」

「まだまだ終わらせないわよ……フレイムランス!」




 リオは、アタシの人生の中に突然やってきた。

———いや、アタシが無理矢理引っ張ってきたんだったわね。


 最初は、お母様の使う魔術(風属性)で、お母様が使えない魔術(ウィンドトルネード)を使いこなすリオを認めたくなかった。

 だけど、そんな一方的に喧嘩をふっかけた失礼で偉そうなアタシに対して。

 それまで、何年も悩んできたものがあまりにあっけなく解消してしまうような、とんでもない指導をしてくれて。

———そんなことをしても、今日みたいな日が大変になるだけなのにね。


 その日、初めて、ようやくお母様と同じ場所に立てたと思った。

 ようやく、世界にお母様との繋がりを肯定されたと思えた。


 救われた。

 一瞬で。

 救われてしまった。


 そして、お母様からいただいた魔力が、他の子の比ではないほど恵まれていることを教えてくれた。片方からなら母親がよほど特別なのか、どういう人なのかとかなり質問攻めにあった。

 それはまるで、普段は目立たない()()()()()()()()されているようで、アタシは、もう嬉しくてたまらなかったのだ。




「バーニングウォール!」

「パワースプラッシュ! ……ああもう有利属性でも全く底が見えないな!」

「最初と逆の構図ね! ま、お母様の才能を受け継いだアタシなら当然よ!」

「引き出したの僕だけど、今ちょっと後悔してるよ!」

「感謝してるわ!」




 アタシの人生って、誰かを助けることはあっても、誰かに助けられるなんてことなかった。

 なんていうか、ちゃちな恋愛児童書の白馬の王子様みたいなの?

 ああ、調子に乗るんじゃないわよ。

 でもま、そんな感じだったのよ。





 アタシ———




———正直言うとね、かなりあんたのこと好きよ。

 絶対言わないけどね。





「……ファイアウェイブ!」

「ッハァ……っマジックシールド! ……まだ……来れる、か……?」

「当然……まだ終わらない……!」


 ああ、終わる……。

 終わってしまう……。



「……ハァ……まだ、続けられる、よな……」

「もちろん……! フレイムブレス……!」

「……ああ、もう……! ウィンドトルネード!……っは……はぁ……」




 まだ……まだ……

 ……もうちょっと持ってよ……アタシの魔力……





 リオに……すっごい褒めてもらえて……


 お母様が……すっごい喜んでくれて……


 ……それで……




 まだ……








「はぁ……はぁ……もーダメ……。……勝負はお預けってところかしら……!」


 引き分けた。引き分けた……! あの、リオと!


「……っは……ふぅ……僕とっ……しては……っはぁ…………もう挑んで……ほしくない……かなぁ……はぁ……」


 ああ……そういえばこいつは……こんなヘナヘナだったわね……でも、それもリオらしくていいわ……。


「……そうね……じゃあ勝負は……また会えたらというところ……かしら……」


 また、会いたい……絶対……。……約束……。


「ハァ……ハァ……ッハァ…………『ああ』………………ハァ…………」


 言った……曖昧だけど……言質は取ったわ……!


 約束よ……!

 絶対、絶対また会う……!




 絶対……負けないように……ついていけているように……。


 アタシ……全力で鍛えて……アンタを追い抜くから……。


 毎日……アンタに教えてもらったこと……がんばるから……。


 置いていかれないよう……がんばるから……。




 忘れ……ないでよ、ね……。

ちょっと締切があるので更新はまた2~3日後

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