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無価値な王子と婚約拒否した暴君令嬢は、清楚系王子を目指し同性愛を嗜みたい  作者: 八ッ坂千鶴
第三章

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24/24

第二十四話 意見の食い違いは日常茶飯事ですね

 私はいつものタキシード姿になると、すぐさまお父様の方へ向かいました。


 この時間は食堂にいます。駆け足で移動です。


 それにしても、タキシードはいいですね。


 足元がはっきりしているので動きやすいです。


 だから、私はドレスとかが苦手なのですよ。


 何度も転んでトラウマものですから。


 あの時はですって? あれはただのまぐれですよ。


 という間に食堂へ到着しました。


 そこでは、やはり騒ぎが起こっておりまして……。


「側近が数名いないだと?」


「レオナント様……!」


 どうやら側近も被害にあったようなのです。


 何が原因なのかわかりません。ですが、これは一大事です。


 私は食卓に並べられた料理を急いで食べます。


 まずは街を探しましょう。そこからです。


 もしも、あの帝国王子が原因だとしたら、これは大変な事態。


 黙っていたら、相手の波に乗せられたのと一緒。


「アリアナ。なぜ急いで食べる」


「これは大問題なのよ。急がないと意味がないわ」


「その様子では、何かあったようだな」


「ええ。レイランとルーラがいなくなった。私の愛しき二人が……」


 思い人との別れがこんなにも早く。


 いいえ、奪還するのです。張り切っていきますよ私!


「アリアナ。ひとつ勘違いしている。たしかに、レイランとルーラの引き取りはした。しかし、同じ性の人と恋仲になることは、一切許可してない。まずは世間の常識を学べ」


「それでも、私はレイランを愛すわ。それが私にとっての生きがいだもの」


「このバカ娘が!」


 やはりこうなってしまいましたか。私は自分の信念を貫く。そうでありたいのです。


 この世界で同性愛を広めるのは、やはり難しいですね。


 複数の事件が起こりすぎです。どこから片づければいいのでしょうか。


 もう少し、じっくり考えたいところですが、そうは言っていられなさそうです。


「私は私よ。お父様とは思考が違うの。子供の意見も少しは尊重したらどうかしら?」


「言い訳はいらん! 伯爵家の令嬢なのだぞ? 恥を知れ!」


 どちらが正解なのかわからないですね。


 それでも、私は私の意見を尊重します。それが私にとっての正解ですから。


 食事を終えると、私は外へ出ました。今日の天気はうっとうしいくらいの雨です。


 秋の長雨って、なんか億劫ですよね。洗濯物が溜まりますし。


 生乾きが気になってしまいます。カラッとした空気ならカラッと乾くべきです。


 とはいえ、それはお天道様の気まぐれですので、こちらから進言することはできませんね。


 天気を操れるならとっくに操ってますよ。少し残念です。


「傘は……。全てないですね……」


 どうやら外へは行かせてくれないようですね。


 私は自室に戻ります。実はこんなこともあろうかと、サブの傘があるのです。


 案の定すんなり見つかりました。黒の男性用傘です。


 再び外へ出ます。傘をさして、バタバタと鳴る雨音を聞きながら進む道。


 それにしても妙ですね。傘は使用人の分も全部あったはずです。


 数は全部で四十ほど。それが全てなくなったとなれば、探すのも面倒です。


 街に出ると、さらに騒がしくなりました。


「私の妻がいなくなったんだ!」


「うちの娘もよ」


 どうやら被害にあっているのは女性だけのようです。


 ですがおかしいですね。私も女性なのに被害が出ていません。


 きっと男性エキスが多いのでしょう。救う側に立つのは好きです。


 街の騒がしさは全域にわたってました。


 どこを見ても、被害者の面々。皆さん必死に情報交換をしています。


「これは甚大ですね……」


 先にレイランたちを見付けたい気はありますが……。


 私は使用人を探すことにします。


 できるだけ早く見つければ、詳細も見えてくると思いますので。


 すると、ここでお兄様と遭遇しました。


 彼も使用人探しをしているのでしょうか。


 どうしましょう。話しかけた方がよろしくて?


「ルイス兄様」


「アリアナ。なにか変化はなかったか?」


「ええ。レイランとルーラがいなくなったわ」


「そうか。実は俺の婚約者も消えた。さっき連絡があったんだ」


 それはお疲れさまです。男性も子孫を残すために尽力しているのですね。


 私はそんなのどうでもいいです。好きな人と最後まで一緒にいられれば十分ですから。


 と言ったら、お父様にまた怒られてしまいますね。控えておきましょう。


 大切なフィアンセを失ったルイス兄様も、大汗をかいています。


 もうこうなったら、一緒に探すしかありません。


 共同作業が一番効率いいので、協力すべき相手には協力しましょう。


「それにしても、男性率が高いのですね」


「ああ。そうだな。出生率も男性が多い。だから、女を求める男も多い」


「それは、ただ単に男を増やしたいだけでなくて?」


「は?」


「は?」


 兄様とは時々こうなります。彼も純粋な男ですので。


 しかし、男性率が高い今なら、一人の女性を探すのは簡単です。


 それでも、女性はちらほらいますけど。目的の人を探すのは逆に難しいですね。


 こんな状況になるとは思いもしませんでした。


 本当に、私が悪いです。昨日勝手にライアズへ向かいさえしなければ。


 おっと、兄様センサーが発揮されたようですよ。


 目の前にピンク髪の女性がいます。さて誰でしょうか。

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