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#51

(スグルドで依頼を受けたからやたらと金があるんだよな……) 


 かなり多額の報酬を貰ったから皆に分けてもなお余る。せっかく働いて得たものなんだから有効に使いたいところなんだが、色々と問題がある。まず、この伏魔の森ではこの金はほとんど使い道がない。


(俺なら〈等価交換〉でアイテムに変えられるんだけど、それもな……)


 俺の〈等価交換〉でアルに変えたものは何処かに消えてしまう。ゴールデントラウトや鉱石みたいにまた採れるものならいいんたが、金貨や銀貨の場合はちょっと違う。


(金貨や銀貨をアルに変えると国の貨幣が減っちゃうんだよな……)


 お店で金貨や銀貨を使えばお店の人がそのお金を別のお店で使う。が、〈等価交換〉でアルに変えるとそう言うことは出来なくなる。原作知識を得るまでは別に気にしたことはなかったんだけど、実はこれが良くないらしいのだ。


(国から金貨や銀貨が無くなれば大変なことになる……)


 俺が理解できたのは”金貨や銀貨の量が減れば商売がしにくくなる“といった程度だが、実際にはもっと大きな影響が出るらしい。どのくらい無くなるとそうなるのかはよく分からないが、ヤバいと分かった以上あえてしたいとは思わない。


(けど、そうなるといよいよ使い道がなくなるんだよな……)


 アルにできない以上やはり近場の街で物資に変えるのがベストだが、スグルドには買えるような物資がない。だからこそ依頼を受けてこの金を得た訳で……って話がループして来たな。


(いずれ村で店とか出せるようになれば使い道があるかもだけど、今は置いておくしかないか)


 本当は早くスグルドで使った方が良いのかも知れないけど、今は使いようがないしな。


“なるほどのぅ……複雑じゃ”


 あれ、聞いてたのか。こう言う話は興味なさそうだと思ったんだけど……


”興味ないのじゃ。じゃが、あんまりそなたが考えこんでおるからの“


 なるほど。あれこれ考え過ぎたかな。


“いや、大事なことじゃ。妾も昔そんなことで頭を痛めたような気もする”


(もしかして、記憶が戻ったのか?)


”いや、おぼろげながらそんな気がしただけじゃ。他に思い出せたことはないのじゃ“


 そうか……それは残念だな。


“気にすることはないのじゃ。むしろ何か思い出せそうになっただけでも収穫なのじゃ。それより魔族の襲撃に備えんとの”  


 確かに今は襲ってくる魔族を何とかしないとな。


(とりあえずこの金貨や銀貨は置いておいて皆に必要なものがないか聞いてくるよ)


”それが良いのじゃ“


 よし、そうと決まれば今から行ってみるか!



「主様、いかがでしょうか」

「す、凄い」


 ソウザ族と鬼人達が協力して作り上げた出城は凄かった。その出来に圧倒的され、村長から感想を求められた俺の口からは“凄い”以外の言葉が出せなかったくらいだ。


「不思議なことにこの出城と村を道で繋げてからは魔物が出なくなりましての。それからは作業がはかどりました」


 村と繋げたら出城にも魔物が出なくなっただって?


(確か村はこの森に住むボスの住処の近くで魔物が出ない“せーふぞーん”とか言う場所だったな)


 つまり、ここも”せーふぞーん“になったということだろうか。だとすると、これから村を広げることも出来るかも知れないな。


(鬼人達の住むところや畑をさらに広げるとなるとスペースが足りないところだったし、これはいい知らせだ)


 だが、それもまずはやって来る魔族を退けないとな。鬼人達とも協力して……


「ロイドやここの人のおかげで皆も大分回復したよ。これなら戦える!」


「おうよ! 森には一匹たりとも魔族を入れんぞ!」


「無理は駄目だぞ!」


 テンションを上げるユーリ達に俺は思わず釘を刺した。確かに大分回復したようだが、皆万全とは程遠いはず。それに義理堅い彼らのことだ。”ソウザ族への贖罪と感謝の証に命を賭して戦わねば“とか考えかねない。


(魔族を退けるだけじゃ駄目だ。皆で生き残らないと)


 原作知識によれば鬼人族は伏魔の森を守って死に、この辺りは魔族の住処となるらしい。けど、今の状況はその時の状況とかなり違う。結果が変わる可能性もあるはずだ。


(いや、変えてみせる。この先、この村はもっと良くなるはずなんだ!)


 俺は皆の考えた作戦を聞きながら必要なものを〈等価交換〉で出したり、意見を出したりしながら一緒に戦いの準備を始めた。


ここから決戦……というところですが、少しお休みを頂きます。盛り上げたいという欲のせいで中々続きが書けず……


気長に待って頂ければ幸いですm(_ _)m

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