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#25

 それからも場所を変えてレベリングを行ったのだが、これが思った以上にうまく行った。


(リタがいるおかげで索敵が物凄くスムーズになったな!)


 俺とオーレリアだと行き当たりばったりに魔物を探すだけだったのだが、リタがいれば魔物がいそうな場所が分かる。これだけでもめちゃくちゃ有り難い。


(しかも、器用に魔物を一匹だけ誘い出したりとかも上手いしな……)


 最初は危険だと思って止めたのだが、リタは鋭い五感と素早い動きを生かして危なげなくやってのけた。


(そういやレベル1でも伏魔の森に入れたんだもんな……)


 俺がリタを見つけた時に彼女は重傷を負っていたが、そもそもレベル1で伏魔の森に入れば間違いなく即死だ。多分今みたいに魔物を感知して、やり過ごしながら進んでいたんだろう。


(世の中レベルやスキルだけじゃないってことだよな……)


 貴族の世界では成人するまではとにかくスキルが全て。俺はそんな考え方に違和感があったはずなんだが、知らず知らずのうちに影響を受けていたみたいだな。


「ゴメンね。ロイドのレベルを上げに来たのに私のレベルまで上がっちゃって……」


 魔物の誘導やサポートをして貰ったせいか、EXPがリタにも分配されたらしいのだ。でも、それは誤算でも何でもない。むしろ……


「いや、リタにもレベルを上げて欲しかったし丁度良いよ」


 そもそもいくらレベルを上げても鬼人相手に俺一人で勝てるはずがない。だから、リタを始めとした俺と一緒に戦ってくれる人達のレベルは上げたいと思っていたんだ。


(しかも村の皆のレベリングの見通しもついたしな)  


 しかし、そろそろ夜になる時間だな。


「そろそろ村に戻ろうか」


「そうだね」 “そうじゃな”


 戻る前にステータスを確認しておくか。


◆◆◆


ロイド

LV42

力   88

防御  85

魔力  86

精神  85

素早さ 87


スキル

〈等価交換(LV2)〉 (3580000アル)

〈調合(LV2)〉

〈調合名人〉

〈アイテムボックス〉


装備

 服+5

 ナイトブレード


◆◆◆


 レベルは20上がり、ステータスも軒並みアップした。ここの魔物を一人で相手にするにはまだ心許ないが、それでも十分過ぎるくらいパワーアップだ。


(あ、〈調合名人〉をつけっぱなしだった……)


 この〈調合名人〉というスキルは原作知識によれば〈調合〉による薬の効果を上げる効果があるらしい。ただ〈調合〉を使わない時には無意味なスキルなので外しておくつもりだったのだが……


(まあ、アルには余裕があるしそのままにしておくか)


 今は夜になる前に村に戻るのが先だ。


 ガサガサガサッ……


 村へと戻ろうとしたその時、茂みから何かが転がるように出てきた。


(何だ?)


 って、コイツは!


「「「「「「ヴォォォッ!」」」」」


 茂みから出てきたヤツに驚く前に辺りにグローリータイガーの咆哮が響き渡る。ヤバい、囲まれた!


”ロイド、リタ!“


 リタと俺はオーレリアと手を繋いで、その場を離れる。どうやら手を繋ぐだけで効果があるみたいだ。


“ちょっと、手を繋ぐだけで良いならロイドとあんなにくっつく必要はなかったんじゃない!”


“今はそんなこと言ってる場合じゃないのじゃ!”


 まあ、リタの言うことも間違ってはいないが、オーレリアの言い分も正しいな。


(鬼人……もうこんなところまで!)


 茂みから出てきたのは鬼人だ。状況を見ると、ウォータイガーを撒くために茂みを抜けてきたのだろうか。


「「「「「「ヴォォォォォォッ!」」」」」

「ッ!」


 目の前には六体のグローリータイガーと鬼人。とんでもない状況だが、今の俺は何故か少し冷静だった。というのも……


(……何かおかしいぞ)


 俺がチラリと見た鬼人はおそらく奴が倒したであろう魔物の死骸の山に囲まれていた。それはヤツの戦闘力を否が応にも見せつける光景だった。しかし……


(なら何で、たった六体のグローリータイガーから逃げる必要があったんだ?)


 グローリータイガーは個々の強さは勿論だが、それ以上に群れによる連携攻撃が厄介な魔物。ウォータイガーの群れを避けるのは当たり前と言えば当たり前。だが……


(あれだけの死体の山を作る力があるならグローリータイガーの群れから逃げる必要なんてあるのか?)


 何か事情があるのかも知れない。が、それにしても今俺の目の前で展開されているこの戦いは……



 いつも読んで頂きありがとうございます!

次話も頑張って書くのでよろしくお願いします!

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