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球児転生~剣と魔法の世界を戦い抜きます~  作者: 白熊公爵
第一章 転生、そして初心冒険者
20/22

1-16.悪魔の進行

またまた久しぶりの投稿。

本職の合間を縫って作成しております、暇が欲しい公爵でございます。


6/10 誤字修正しました


なんだこの角笛の効果は。

父上に聞いていた内容と違うではないか。

角笛が口から離れない。

不快な音が鳴っている。

私兵たちが苦しんでいる。

息ができずのたうち回る物。

魔力が吸われ魔力切れを起こし脱力している物。

不快な音に聞き入りただ直立不動になる物。



なんだこれは。

スタマーレは角笛を口から離せず、周りを見ることしかできなかった。

スタマーレはすでに笛を吹くことはしてない。

意識では吹いてないだけ、スタマーレの体は笛を吹き続けているのだ。

そのせいで、周囲に被害がどんどん出ているのだ。


悪魔(ホルンズ)の角笛(ディアボロス)

この角笛の効果は、父のショッコ公爵に聞いていた魔物の強化という物ではなく、角笛を吹く者の半径30メートル以内にいる者を供物とし、悪魔を()()()()召喚するアイテム。

謎の男に公爵がもらった時点で騙されていたことになるのだ。


(くそ、どうなっているんだ。父上が私に贋造を?)


スタマーレもわからなくなっていた。

(動ける者は誰かおらぬか?)

そうは思うも、動けるものは誰一人といない。

むしろ、スタマーレ以外のものはすでに意識を手放した。


徐々にスタマーレも朦朧としてくる。

すると、私兵たちが倒れている付近に怪しげな陣が描かれ始めた。


陣が完成すると、中心から一人の人物が湧き出てきた。


「おやおや、あの笛をご利用いただけたようですね。」

陣から現れた人物がスタマーレに言った。


「喋れないですよねぇ。その笛は私があなたの父上に差し上げたのです。魔物を強化し操るものと称して。そんなアイテムお渡しするはずもないでしょうに。何を騙されているのでしょうねぇ。人の見る目のない公爵様だ。あぁ、私はフォカロル。悪魔族公爵フォカロル。魔王アスモデウス様に使えるフォカロルと申します。あなたは利用価値が高いと判断しました。笛を止めて差し上げましょう。」

そういうと、指を鳴らし笛の音を止める。


「おっと、まだおしゃべりはさせてあげられませんねぇ。」

再度指を鳴らし、スタマーレの口を強制的に紡がせる。


「安心してください。あなたは生かしてここから出してあげますよ。その代わり、あなたの体を少々お借りいたしますがね。いやぁ、助かりましたよ。あなたの父上にお会いしたときは実体ではなかったですからねぇ。今回その悪魔の角笛をお渡ししたのは、人間を供物に私を強制的に召喚させることでしたから。そうすれば現世で私が活動できるようになる。アスモデウス様への手土産を多く手に入れられる。そのためにあなたのご家族のように愚かで地位の高い人物を探しました。あなたの父上は愚物のくせに地位だけ高く面倒な男と有名でしたから、楽に計画を進めることができましたよ。あなたに憑依し王国を操り魔王の国を作り上げる。そのためにあのキャッスルフォルト君を排除しなければ。」

フォカロルはニヤリと笑いながら饒舌に話し続ける。


「貴方が私に選ばれたのはただ運がなかった。あなたの親が愚者であったが故の選定。恨むならあなたの父上が愚者であったことを恨むことです。クフフフフ……」


(父上を愚弄するなっ!)

スタマーレは声に出せずに怒りをフォカロルにぶつける。


「それではこれから貴方の体へ憑依いたします。もちろん意識を奪うことはなく、私の意識と貴方の意識はその体の中で共存しますからご安心を。」

続けて、

「もちろん、貴方にはメリットがあるのですよ?悪魔が意識ある人間に受肉する訳ですから、単純に死体への受肉よりも肉体で気に強化されるのです。どんな弱者でも強者へと生り替わる。こんなに素晴らしいことはないでしょう!」


スタマーレは驚愕する。

自分が悪魔に支配される。

そんな恐怖に駆られ、暗澹とした表情となる。

そして、


悪魔(カリス・)の恩寵(ディアボロス)

フォカロルが呪文を唱え、スタマーレに憑依する。


憑依されたスタマーレの姿は、肌は浅黒く、2本の角が生え、三つ目になり、体毛に覆われた巨躯となった。

背にはグリフォンの羽も生え、もはや人間としての原型はほぼ留めていない。

唯一、髪型と目の色はスタマーレと同一であった。


「クフフフ、これで自由に動けます。他の魔王たちを抜き出しましたかね。魔王の蔓延る魔界では何処かしらで差をつけなければ。」




*   *   *


「あれ?なんの音ですかね?」

ロイドが後ろを振り返る。


「なんか聞こえた?」「いや?」「ロイドのぉ幻聴なんじゃないのぉ?」

など言われているが、俺の耳にも聞こえているから、安心しろロイド。

お前の耳はおかしくないからな。


「ダンジョンって音がなったりとかあるの?強敵モンスター出現したとか?」

そんなことを聞いてみると、


「そんなわけないじゃないですか。意図的に誰かが鳴らすか、魔物が何か合図したとかそんなところですよ。もしかしたら仲間を呼ぶのに使用したのかもしれませんし」

マリアが答えた。


「ふーん、まぁ初心者ダンジョンとはいえ下層だしな、そんな合図をしててもおかしくはないか?」

そんなもんか、と納得しておく。


「アードくーーーん帰ろーーー?」「帰りも魔物出るんだからみんなでまとまっていかないとーー」

と呼びかけられる。


「あぁ、すぐ………っ!」

すぐ行く。

そう言いかけた時に9層方面から、異常な威圧感が感じられた。

なんだこれは。

魔力の異常な波動が伝わってくるようだ。

冷や汗が垂れる。


「アード?どうしたのです?」

マリアが心配そうに聞いてくる。


「みんな!急いで逃げろ!9層で異常があったかもしれない!パーティでまとまって!急げ!」

慌てて指示を出す。

クランのように大人数で動いていては格好の的だ。

ダンジョンのフロアでの戦闘も彼らなら大丈夫と思い、行動する人数を少人数にして動いた方が都合がいい。


「……っ!何かきます!」

シェリーが弓を構えながら警戒する。


ヒタ……


ヒタ………


ヒタ…………


ゆっくり歩いてくる。

四御の明星以外のみんなは上に逃げれているようだ。


「みんな、ここで戦闘になっても戦わないでね。全部俺が相手するから。」

みんなの顔も見ずに言う。


「そんなに強敵……なのですか?」

マリアが聞いてくる。


「異常だ。生まれて初めてやばいって感じてる。」

そういうと、


「アードがそんなこと言うなんて本当にヤバいんじゃん!俺らも逃げようよ!」

ユージンが無理だーと叫びながら慌ててる。


「うん、逃げていいよ。俺が足止めしとくから。」

囮作戦を提案すると急に、


「はぁ?何言ってんの?アードが残るってんならパーティメンバーとして残るし。」

と真顔でユージンが言ってきた。

慌ててた時からの豹変ぶりは情緒不安定なのか?と感じるほどの変わりっぷり。


「そうですね。なんでもアード君に任せっきりも成長できませんから」

シェリーもそう言って残る選択をした。

そんなこと言ってないでさ、逃げて

欲しいんだよね、俺的には。

今回は初依頼の小鬼の軍隊よりも圧倒的にやばそうなんだよ。


「でも、何かあったら本当に俺を置いて逃げてね。」

そいったところで、


「クフフ、初めまして。あなたはアーノルド・グレース・キャッスルフォルト君ですね?私は悪魔族のフォカロルと申します。先ほど人間に憑依をしまして現世での肉体を得たところです。あなたにはここで死んで頂きたく立てた計画のなのです。どうかできるだけ苦しんでくださいませ!」

と、セリフを言い終わるのと同時に業火を放ってきた。


「うおっ!」

と、驚くもまぁ防ぐよね。

魔法障壁を展開する。

展開した魔法障壁にヒビが入るほどの威力があった。


「悪魔……そんなことが……」

マリアが青ざめている。


「私は魔王アスモデウス様に使える魔界の公爵でございます。キャッスルフォルト君は脅威になりそうなので、出る杭は打とうかと思いまして魔界より参じた次第でございます。」

不意打ちに近い攻撃をしてきたくせに丁寧なお辞儀するんだな。


「そんなこと言われて死んでやるやつがどこにいるんだ…よっ!」

雷魔法で矢を放つ。


「この程度ですか?」

と拳で雷矢を殴りつけて地面に叩き落とした。


まじかよ。

俺的には全力ではないけど手を抜いてはなかったんだけどな。


叩きつけられた雷矢は地面にヒビを入れるほどの威力ではあった。


「では。」

それだけ言うと、暴風を巻き起こす大魔法を使ってきた。


「「ウワァァ!」」

と後ろでシェリーとユージンが叫んでいるが構ってられない。


壁や天井が暴風により削り取られ、礫の混じった攻撃になっている。

さらにフォカロルは水魔法も混ぜ合わせてきた。


(これは掻い潜るのは至難の業だぞ……)

水も合わさったことにより、地面も削られる。

時折、高水流の水刃も攻撃してくる。

防戦一方になっている。


すると、地鳴りが起こり、天井が崩れる。

その拍子に壁も崩れ、終いには地面も崩れる。

地面の崩落に4人は巻き込まれ落ちていく。


(おいおいマジか……!?)


辿り着いた先は、地図で確認していた9層でも10層でもなく、完全なる未到の地であった。



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