13話 少年期の模擬戦生活
「シルド君レード君はライセル卿から直接習っていたので技術としては仕上がっていると思う。実力確認のためオーサ君アルデ君との模擬戦をしてみようと思う。いいかな?」
「「はい!よろしくお願いします。」」
俺らの返事に対してオーサ兄アルデ兄は
「シルド。小難しい話ばっかりじゃ勝てねーぜ」
「レードには俺たちの鍛錬結果を見せてやる」
なんて息巻いていた。
トイナさんから『筋がイイ』と褒められたことを自慢していたのだが…
「レード!それ早い!早いって」
レードは高速剣技でアルデ兄を翻弄していた。
が、さすがにスタミナがもたなかった様で、スキが見えたところで
「一本、そこまで!」
と負けてしまった。
で、俺はというと、
「シルドのそれっ! や、やりずれー!」
剣盾で防御に徹しつつすきを見て攻撃。
その攻撃も左手のショートソードの時もあれば、剣を弾いた剣盾でそのまま切りかかる等、二刀流に近い動きで翻弄していた。
自分の場合、スタミナは問題なかったのだが体重差はどうしようもなく、力技で吹っ飛ばされて終了。
「さすがはライセル卿。二人をここまで育てるとは。オーサ君とアルデ君も勝ったとはいえ辛勝だ。体格が同じなら負けていたところだよ。レード君はスタミナも必要だが、そのペース配分を忘れないように。シルド君は…いうことはないんだが…いっぱい食べて大きくなるように。」
ここは田舎の孤児院だ。そんな腹いっぱい食べられるものでは…
そういえば、腹いっぱいはともかく飢えたことはないな。
冬は結構、肉を食べれたし、肉はなくとも大豆を使った料理もある。祭りの日にはシスターがケーキを焼いてくれるし…
孤児院としては結構裕福なんじゃないかな?
それに、伝手があったとはいえ現役騎士が教えに来てくれるなんて本来ならあり得ない事じゃないだろうか?
騎士との伝手。リル姉さんの神父様への態度。シスターバーバラの家事万能性
…
もしかして神父様は元貴族?シスターは侍女?
…
…
今は知らないほうがいい事だろう。
時が来ればわかるかもしれないし。
今は…俺たちを引き取り育ててくれる大切な親だ…
…
「父さん」「母さん」――今度、そう呼んでみようかな。
レードと相談して二人でそう呼んでみよう。
神父様、シスターはどんな顔をするかな。
今度リル姉さんが来た時にカマをかけてみてもいいかもしれない。
<ポロっ>とぼろが出るかも
「へくちっ! 誰か噂をしてますね。もしや町のイケメンが私を見初めて…」
「リゥエル、何にやけておる!まだまだ余裕かぁ!なら走り込み10周追加!」
[わあぁぁぁぁぁぁん!]




