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ハリガネベイスボウラーズ!  作者: 椎家 友妻
第三話 エースを降りた訳
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16 男しか居ない三角関係

 え~と、物語の途中ではありますが、

もう終了してもよろしいでしょうか?

もうカンベンして………ホンマにカンベンして…………。

 そんな中、碇の視線を追って、葉瀬君も俺の方を見た。

そして全てを悟った様に、

 「そう、なのか………………」と呟いた。

それに対して碇。

 「うん、だから、葉瀬君の気持ちには、

答えられない………………ゴメン」

 「いや、いいさ」

 葉瀬君は一転して爽やかにそう言い、

立ち上がって俺の方に歩み寄ってきた。

そして俺の目の前に立ち、真っ直ぐに俺の目を見詰めてきた。

ここで彼が、

『僕も、あなたの事を好きになりました』

なんて言おうものなら、俺はそこの川に直ちに飛び込み、

入水自殺を図るところやったが、

葉瀬君はそうは言わず、代わりにこう言った。

 「碇の事、大事にしてやってください」

 それに対して、俺は真剣な口調で答えた。

 「断る。君に(ゆず)る。出来る事なら東京に持って帰ってくれ」

 しかしそれに対する葉瀬君の言葉はこうやった。

 「いえ、余計な気は遣わないでください」

 まっっっっっっったく遣ってないんやけど。

 「あなたでしたら、碇と良い恋人同士になれると思います」

 「わぁい、嬉しくないなぁ………」

 「それじゃあ僕、東京に帰ります。色々、ありがとうございました」

 葉瀬君はそう言い、碇の方をチラッと見やると、

涙を噛み締めるようにして、もと来た道を走り去っていった。

その後姿は何とも切なく淋しいものやった。

ただ、同情する気には全くなれなかった。

 まあ、青春の形は人それぞれ違うっちゅう事かな。

 俺はとりあえずそう納得し、碇の方へ向き直った。



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