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食べられるかもしれない。

この小説は、小学生の女の子の一人称小説です。地の文が喋り口調ぽくなっているのはそのためです。

まただ。また、私は食べられない。

人の気持ちを、捨てることになる。





今日はホワイトデーだった。

バレンタインデーに友人にチョコを贈った私は、学校帰りにクッキーをもらった。

学校では不要物として没収されるその贈り物を友人は、こっそりと、楽しそうに渡してくれた。


私は家に着くまで、二つの小さな包みを大切に運んだ。

歩くたびに、私の腕の中でカサカサと鳴るその包みは、数枚のクッキーが入っているようだった。

クッキーが鳴らす音を聞いて、私は少し速足になった。今日こそは食べられるかもしれない。そう思って。





帰宅して手を洗い、すぐに包みに手をのばした。

可愛らしいラッピングの紙袋、友人は手作りだと言っていた、それをそっと開けてみる。


そこには、数枚の小さなクッキーがある、はずだった。


しかし、現れたのは、人。


手のひらサイズの、小さな女の子だった。

色素の薄い髪はショートヘアで、髪とよく似た薄い茶色のシンプルなワンピースを着ている。


その少女は、今起きました、という顔で眠たそうに目を擦っている。

紙袋を覗く私と目が合うと、目を輝かせ、にっこりと微笑んだ。

少女はいそいそと紙袋から出てきて、私に向かってお辞儀をした。

「はじめまして。この度、あなたの為に作られたクッキーです。」

少女はそう言うと、またにこりと微笑んだ。

そして、部屋をきょろきょろと見回し、

「きったねー…」と呟いたのが聞こえた。

こいつ猫かぶってやがる。たしかに散らかってるけどさ。

私と目が合うと、またにこりと微笑む。


私はひとまずその子を無視して、二つ目の包みを開けることにした。

こちらは小さな箱で、なんだか高級そうなデザインだ。

リボンをほどき、ふたをそっと開けると、やはり少女が眠っている。

箱をベッドに、ペーパーパッキンに埋もれて眠るその姿は、まるでお姫さまの様だった。


二人目の少女は目を覚ますと、小さく欠伸をした。

そして私に向き直り、「ごきげんよう。」と言った。

箱から出てきた二人目の少女は、黒いレースをあしらった真っ赤なドレスを着ており、長い髪を頭の上でまとめている。

大きめのハート形の髪飾りが印象的だ。


ドレスのすそを撫でて、身なりを整えた彼女は、一人目の少女に気が付いた。

「あら、どなた?」

訊ねられた一人目の少女は相手を睨みつけ、口元だけで笑いながら答えた。

「こちらの女の子に贈られた、手作りの、クッキーです。」

手作りの、という部分をやけに強調した言い方だった。

どうやら、買ったものであるらしい二人目の少女を馬鹿にしているようである。

この子、性格ゆがんでるなぁ。

「まあ、そうでしたの。こちらのお嬢さんは、私の他にも贈り物をもらったのですわね。」

ドレスの少女はそう言うと、つと目を細めた。

「あぁ、あなたが手作りということは、すぐに分かりましてよ。その貧相な格好を見れば嫌でも分かりますもの。」

ホホホと口元を隠して笑うドレスの少女。

うーん、この子もなかなか…。


二人の小さな少女は互いを罵り始め、部屋は途端にうるさくなった。

ひとまず包装紙を片付けようと、ごそごそしていると、

「ゆう、帰ってるの?」

突然、お母さんが部屋に入ってきた。

少女たちは構わず口喧嘩を続けている。

お母さんは少女たちがいる方を向き、「あら、まぁ」と微笑んだ。

「おいしそうなクッキーね。もらったの?」

私が頷くと、「大事に食べなさいね。」と言って出ていった。


初めて書く小説なので、読みにくい点などたくさんあると思います。よろしければ、ご指摘下さると嬉しいです。

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