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入学式 -それでは誓約書にサインお願いしますー

「あれ・・・ここか?」

入学案内に書かれてある地図を辿って着いた先は小さな研究所の様な建物だった。

「まちがえたか。」

時計を見ると入学式まであと10分ほど。とりあえず、来た道を引き返そうかと思った矢先、

学生と思しき、容姿が瓜二つの二人組の女の子が入学案内書を片手に研究所のほうへ歩いて行った。

とりあえず、と様子を伺った。


「あっれー?道間違えたかな??」

「ううん、多分ここ。」

「んじゃとりあえず行ってみよー!」

女の子の一人が颯爽と中に入って行った。続いてもう一人の女の子が入って行くと思いきやちらっとこちらを見た。


「ん?」


俺は首を傾げた。なんだろう?と思っていたが、女の子は何も言わず建物の中に入って行った。

時計を見ると入学式まであと5分。地図を見ると確かにこの場所であるし、きっとここに違いないと思い建物に入る決心をした。そして中に入った瞬間、真っ白な閃光のようなものが視界に入った。

思わず目を瞑ってしまい、その後恐る恐る目を開くとそこには広大な庭園の先に西洋風の大学の様なものが聳え立っていた。


*


入学式は段々と上にいく程広くなっている半円形の広い講堂で行われた。着いた時には、前のほうの席はもう埋っていたので最後尾の段の席に座った。目算で千人以上だろうか、人の頭がうようよとひしめき合っている。あたりをぼーっと見渡していると、いつ現れたのか一人の女性が立っていた。


「それでは始業式をはじめます。」

幽かにざわざわと人の声がしていた講堂が一斉にシーンとなった。


「最初に校長のお話・・・の予定でしたが今日は先生がいらっしゃらないので私が代わりに。」

「えー、そうですね。特にお話することはないので、粛々と終わらせましょう。どうせ一年後には、みなさんのほとんどがいなくなっているでしょうし。」

ブラックジョークなのだろうか?しかし女性は真顔でニコリともしていなかった。

講堂がどよめいた。それを遮るかのように

「それでは、今お配りした誓約書に目を通して、サインを済ませた方から出口でクラス分けを受けてください。誓約書を読んで入学を止めたい方はそのままお帰りいただいて結構です。以上で始業式は閉幕です。お疲れ様でした。」

というと、また女の人はふっと消えて行った。


いつの間にか目の前には一枚の誓約書が表れていた。ざっと目を通すと、

以下の事項を厳守し、誓えということだった。

1.入学以降いかなる理由があろうと、自主的に退学する事は許されない

2.校内で起きたすべての事象について、例え死亡しようとも自己責任とする

3.明日以降、FDA敷地内にある寮で生活する事とし、定められた長期休暇以外の帰宅及び外出を禁ずる。

4.その他校則の詳細については、別途参照

5.上記に記載された条項について違反した場合は、FDAの裁量により罰則処分を下す。


元々危険な学校と覚悟してきていたので別段驚くことはなく、サッとサインを済ませクラス分けを受けることにした。他の生徒も皆同じようで、クラス分けを行っている出口の前には長蛇の列が出来ていた。ただ、極々一部の生徒は、誓約書の内容に怖気ついたのか、帰宅用の出口からぽつぽつと帰っていった。数十分程待っただろうか、やっと自分の番が来て誓約書を受け付けの男性に渡した。


「たしかに、誓約書を受領しました。入学おめでとうございます。それでは頑張ってくださいね。」



その言葉と共に、目の前が真っ暗になった。


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