表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バニーガール神に選ばれたので、学校がダンジョンになった  作者: 浦賀やまみち
第一章 崩壊の開始

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/4

第04話 攻城戦開始




「せ、先生! こ、ここ、三階!」



 脇に抱えたひなたの、焦った声が背中に張り付く。



「黙ってろ! 舌噛むぞ!」



 事情を説明している余裕はない。


 窓辺を蹴る。

 思い切り、外へ飛ぶ。


 一瞬の浮遊感ののち、落下する感覚が全身を支配する。



「んキャっ!?」



 着地。


 膝を使い、衝撃を殺す。

 土煙がわずかに舞う。



「しっかり掴まってろ!」



 そのまま走る。

 学校の外へ、一気に駆け抜ける。



「なっ!?」

「わわっ!?」



 校門を抜けようとした瞬間、見えない壁に阻まれた。

 ぶつかった反動で、勢いよく尻もちをつく。


 だが、腕の中からすっぽ抜けたひなたは、そのまま壁を越える。

 校門の向こう側へと飛び出した。



「おい、柊! 大丈夫か!」



 しかし、妙だ。

 そこにいるはずのひなたがいない。


 校門前は、いつも通りの通学路だ。


 普段、車は滅多に通らない。

 向こう側には、隣家の垣根が見える。



「えっ!? これ、何?

 ドラマとかで見る……。地下鉄?」



 声は、聞こえた。



「……先生も来てみなよ。なんかすごいよ」



 すぐさま立ち上がる。


 だが、校門には見えない壁があった。

 何度叩いて、蹴ってみても、突破できない。



「先生? ……何、やってるの?」



 ひなたの戸惑った声だけが届く。

 どうやら、こちらは見えなくても、あちらからは見えるらしい。



「戻ってこい!」

「う、うん!」



 つい怒鳴ると、見えない壁にノイズのような輪郭が浮かび上がる。

 そして、いつものひなたの姿が、そこに戻ってきた。



「あっ、急に学校になった」



 その言葉で、確信が一つ増える。

 しかし、それよりも先に確認することがあった。



「大丈夫か!」



 俺は、ひなたの肩に両手を置く。



「えっ!?」

「どこか怪我は! 変だと思うところはないか!」



 二度、三度と軽く叩き、そのまま腕、腰、腿、膝、足首へと順に下ろしていく。



「あぅっ……。さ、さすがに恥ずかしいんだけど?」

「馬鹿、大事なことだ!」



 ひなたが抗議してくるが、無視した。

 念のため、今度は逆に足首、膝、腰、腕へと確認を進めていく。



「で、でもさ……。」



 だが、肩に両手を置いたところで、我に返った。

 ひなたは少し俯き、顔を真っ赤にしていた。


 ここは、校庭だ。


 校舎はコの字型で、その内側に校庭が広がっている。

 各階の廊下も、すべて校庭側を向いていた。


 つまり、教室にいる以外の全生徒が、俺たちを目撃している可能性がある。



「ひ、ひなたっ……。

 いや、柊! 俺、変なところ、触ってないよな!」



 俺は男で、ひなたは女だ。

 それも、教師と生徒。


 焦りが先走ったとはいえ、さっきのボディーチェックは批判されかねない。


 しかし、慌てて上げた視線を左右へ走らせても、誰ひとり俺たちを見ていなかった。

 全員が、茫然とした表情で空を見上げている。



「先生、あれ……。」



 俺も、ひなたが指さした先を見て、息を呑んだ。

 青くて高い秋空に、巨大な金髪バニーガールが浮かんでいた。



『さーて、いきなりのことで戸惑っていると思うけど……。』



 にこり、と笑う。



『そんなあなたたちに素敵な言葉を教えちゃいます!』



 クラッカーが二連発。

 大空に色とりどりの紙吹雪が舞い、すぐに消える。



『習うより、慣れろ!』



 俺は、顔を引きつらせた。

 俺が知っている神もクソだが、こいつはその比じゃない。


 あのクソは、最初に一応の説明だけはしてくれた。

 だが、こいつはそれすら怠っている。



『さあ、みんな! チュートリアル開始だよー!』



 空の巨大なバニーガールが、楽しそうに両手を広げる。



『いでよ! みんな、大好き、ゴブリンさん!』



 次の瞬間、空は夕焼けよりも赤く染まった。

 赤い空に『攻城戦開始!』の黒文字が点滅し、警報が鳴り響いた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ