第423話 「黒い怪盗」
黄金の王冠。
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その目前で、
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黒いフードの男が笑う。
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# ◆黒い怪盗
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◆嘲笑
「ご苦労だったな。」
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◆続き
「二人とも。」
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男は王冠を片手で持ち上げる。
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# ◆警部
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「確保しろ!」
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警察部隊が一斉に突入する。
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# ◆黒い怪盗
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コートの中から、
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数十枚の黒いカードをばらまく。
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館内を白煙が包み込む。
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# ◆クロ
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『煙幕!!』
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# ◆セラ
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『王冠が見えない!』
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# ◆アルト
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煙の中で目を閉じる。
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◆小さく
「……音。」
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足音は一つ。
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呼吸も一人分。
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◆笑う
「見つけた。」
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# ◆瞬間
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アルトが煙の中へ飛び込む。
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金属音。
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男の短剣を、
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アルトのナイフが受け止める。
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# ◆黒い怪盗
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「なっ……!」
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# ◆アルト
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◆不敵に笑う
「怪盗は。」
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◆続き
「煙に隠れるもんじゃねぇ。」
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# ◆一方
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カイザーは動かない。
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静かに展示室全体を見渡している。
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# ◆レイン
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「助けに行かないのか?」
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# ◆カイザー
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首を横へ振る。
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◆静かに
「彼なら負けません。」
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◆続き
「私には別の役目があります。」
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# ◆レイン
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「役目?」
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# ◆カイザー
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床へ視線を落とす。
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そこには、
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黒いカードが数十枚。
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# ◆カイザー
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◆小さく
「……やはり。」
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# ◆レイン
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「何か分かったのか?」
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# ◆カイザー
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一枚のカードを拾う。
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裏面には、
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小さな紋章。
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割れた王冠の印。
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# ◆カイザー
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◆表情が変わる
「『クラウンブレイク』……。」
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# ◆ノワール
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『知っているのですか?』
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# ◆カイザー
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静かに頷く。
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◆説明
「怪盗ではありません。」
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◆続き
「盗みを利用して戦争資金を集める犯罪組織です。」
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◆一言
「世界中の怪盗が嫌う集団。」
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# ◆アルト
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黒い怪盗を壁へ叩きつける。
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◆冷たく
「怪盗を名乗るな。」
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# ◆黒い怪盗
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笑う。
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◆続き
「綺麗事だ。」
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◆一言
「盗みは盗みだろ?」
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# ◆アルト
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静かに帽子を押さえる。
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◆小さく
「違う。」
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◆続き
「盗んだ後で何を残すか。」
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◆一言
「それが怪盗だ。」
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# ◆その時
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黒い怪盗が笑った。
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◆不敵に
「もう遅い。」
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# ◆爆発
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美術館全体が大きく揺れる。
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地下から轟音。
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展示室の床がひび割れる。
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# ◆クロ
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『地下に爆弾!?』
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# ◆セラ
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『王冠だけじゃない!』
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# ◆カイザー
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天井を見上げる。
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◆静かに
「これが本命か……。」
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# ◆ラスト
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盗難事件は、
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爆破事件へと変わる。
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そしてアルトとカイザーは、
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初めて完全に肩を並べて戦うことになる。
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――続く。




