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影の盗賊(シャドウ・シーフ)  作者: A-LIGHT(I lie)


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560/584

第418話 「怪盗が盗んだもの」

黒い予告状。


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 最後の標的。


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 "終幕"。


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# ◆静寂


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 誰も息をのむ。


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# ◆アルト


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 ゆっくりと右手を伸ばす。


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◆小さく


「いただく」


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# ◆終幕


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 目には見えない鎖。


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 世界中の物語を、


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 終わらせ続けてきた概念。


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 その鎖へ、


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 アルトの指先が触れる。


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# ◆クロ


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◆叫ぶ


『接触!!』


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◆続き


『概念への干渉を確認!!』


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# ◆セラ


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『お願い……!』


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# ◆盗み


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 パキン。


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 小さな音。


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 それだけだった。


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 だが。


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 世界中から、


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 無数の黒い鎖が外れていく。


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# ◆インフィニティ


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 身体を縛っていた最後の枷が、


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 静かに砕け散る。


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◆小さく


「……自由だ」


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# ◆アルト


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 黒いカードを取り出す。


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◆笑う


「予告どおり」


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◆一言


「いただいた」


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# ◆終幕


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 アルトの手の中に、


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 黒い炎のような概念が現れる。


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 世界の終わりを司る、


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 最後の役目。


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# ◆ゼロ


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「それを燃やすのか?」


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# ◆アルト


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 少し考え、


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 首を横に振る。


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◆一言


「やめた」


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# ◆全員


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「え?」


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# ◆アルト


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◆続き


「終わりは必要だ」


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◆小さく


「終わりがあるから」


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◆続き


「始まりがある」


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◆一言


「教わったからな」


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# ◆おばあちゃん


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 穏やかに微笑む。


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◆小さく


「覚えていてくれたかい」


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# ◆アルト


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◆笑う


「だから」


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◆続き


「盗むのは役目じゃねぇ」


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◆一言


「孤独だけで十分だ」


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# ◆光


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 アルトは、


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 黒い炎を両手で包む。


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◆宣言


「返す」


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# ◆終幕


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 概念は砕けることなく、


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 世界へと静かに溶けていく。


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 もう誰か一人が、


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 終わりを背負うことはない。


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 終わりは、


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 世界そのものの循環となった。


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# ◆インフィニティ


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 ひび割れた身体が、


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 ゆっくりと修復されていく。


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◆驚き


「俺は……」


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# ◆ノワール


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◆微笑み


『役目ではなく』


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◆続き


『一人の怪盗になりました』


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# ◆インフィニティ


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 静かにアルトへ歩み寄る。


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◆小さく


「ありがとう」


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◆続き


「未来の俺」


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# ◆アルト


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 帽子を軽く上げる。


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◆笑う


「違う」


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◆一言


「可能性の一つだ」


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# ◆インフィニティ


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 嬉しそうに笑う。


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◆一言


「そうだったな」


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# ◆空


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『終わった……』


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# ◆昼


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『終わったぁ!』


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# ◆最初の夜


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 静かに微笑む。


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◆小さく


『でも』


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◆続き


『本当は始まりだね』


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# ◆暁


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 アルトの手を握る。


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◆笑顔


『次はどこへ行こう?』


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# ◆アルト


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 空を見上げる。


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 青い空。


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 果てのない世界。


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◆笑う


「予告する」


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◆続き


「まだ誰も見たことのない宝を」


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◆一言


「いただくぜ」


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# ◆エピローグ


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 怪盗とは、


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 宝を盗む者ではない。


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 誰かが諦めた希望を、


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 もう一度取り戻す者。


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 孤独を盗み、


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 絶望を盗み、


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 涙を盗み、


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 笑顔を残す者。


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---


 その名は――


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## 怪盗アルト。


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 彼の予告状に、


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 終わりはない。


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