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影の盗賊(シャドウ・シーフ)  作者: A-LIGHT(I lie)


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432/447

第291話 「盗まれた“主役”」

 ――世界は、自由になった。


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 誰がどう読むか。


 どんな意味を持つか。


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 すべてが、


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 “選べる”ようになった。


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 だが。


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◆異変


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 最近、


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 おかしなことが起きている。


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◆現象


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「……え?」


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 少女は、


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 自分の手を見つめていた。


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◆違和感


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 動いている。


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 喋っている。


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 考えている。


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 なのに――


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◆空白


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「……なんで……」


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◆一言


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「私……主役じゃないの……?」


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# ◆主人公


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 彼女の名前は、


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 **セラ**。


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 どこにでもいる、


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 普通の“語り手”。


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 ……のはずだった。


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# ◆異常


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 だが、


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 物語が進まない。


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 事件が起きない。


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 選択が発生しない。


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◆結果


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 “何も起きない物語”。


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# ◆恐怖


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「……ねえ……」


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◆震え

「誰か……見てる……?」


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# ◆視線


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 確かに、


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 感じる。


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 だが――


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 誰もいない。


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# ◆声


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『……違う』


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◆低く

『見ていない』


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# ◆出現


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 影の中から、


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 一人の少年が現れる。


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◆外見


 黒いコート。


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 無機質な目。


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# ◆新キャラ


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◆少年

「“奪われた”んだよ」


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◆セラ

「……え……?」


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# ◆核心


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◆少年

「お前の“主役”は」


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◆一言

「誰かに盗まれてる」


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# ◆衝撃


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 物語の中で、


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 主役がいない。


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 いや――


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 “奪われている”。


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# ◆セラ


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「……そんなの……ありえない……」


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# ◆少年


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「あるさ」


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◆静かに

「この世界には、“あいつ”がいるからな」


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# ◆名前


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 セラが、恐る恐る聞く。


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「……誰……?」


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# ◆答え


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 少年は、


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 少しだけ笑う。


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◆一言


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「――怪盗アルト」


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# ◆衝撃


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 その名前だけで、


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 空気が変わる。


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# ◆だが


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◆少年

「……って言いたいとこだけど」


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◆否定

「あいつじゃない」


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# ◆真実


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「“模倣犯”だ」


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# ◆ラスト


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 誰かが、


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 アルトのやり方で、


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 “主役”を盗んでいる。


---


---


 だがそれは――


---


 本物とは違う。


---


---


◆最後の一文


---


 新たな物語は、


---


 “盗まれた主役”を取り戻すところから始まる。


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---


――続く。


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