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影の盗賊(シャドウ・シーフ)  作者: A-LIGHT(I lie)


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第270話「終わらない理由」

 無終が、笑う。


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 壊れたように、


 静かに。


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◆アルト


「……笑ってる場合かよ」


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◆無終


「お前らには分からない」


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◆一歩


 踏み出す。


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 空間が、


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 歪むのではなく――


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 “崩れる”。


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◆現象


 地面の一部が、


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 途中で消える。


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 存在の“中間”だけが削られる。


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◆ファントム


「……本当に厄介ね」


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◆分析


「始まりも終わりもない状態」


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◆核心


「だから、“どこでも削れる”」


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◆アルト


「チートすぎだろ……」


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# ◆再戦


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 無終が、消える。


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◆アルト


「来る!」


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◆回避


 空間の違和感を読む。


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 だが――


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◆ズレ


 予測した位置とは、


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 “違う場所”が削れる。


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◆直撃


「っ……!」


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 肩が、途中まで消える。


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◆復元


 戻る。


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◆痛み


「ぐあっ……!」


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◆無終


「意味ないだろ?」


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◆冷笑


「終わりを作っても」


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◆否定


「俺には届かない」


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# ◆違和感


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 ファントムが、


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 じっと無終を見る。


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◆観察


「……違う」


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◆アルト


「何がだ?」


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◆ファントム


「完全に拒否してるわけじゃない」


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◆核心


「“避けてる”」


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◆アルト


「は?」


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◆説明


「終わりを否定してるんじゃない」


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◆断言


「“終わるのが怖い”のよ」


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# ◆停止


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 その言葉で、


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 無終の動きが止まる。


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◆沈黙


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◆ゆっくり


 振り返る。


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◆無終


「……は?」


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# ◆核心突入


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◆ファントム


 一歩、前に出る。


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「終わりを拒む理由」


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◆視線


「それ、“恐怖”でしょ」


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# ◆崩れ


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 無終の表情が、


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 わずかに歪む。


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◆否定


「違う」


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◆ファントム


「じゃあ何?」


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◆沈黙


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◆無終


 小さく呟く。


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「……終わったら」


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◆一拍


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「……何も残らないだろ」


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# ◆真実


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 空気が、変わる。


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◆理解


 それは、


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 ただの敵ではない。


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 “終わりを恐れる存在”。


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# ◆過去


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◆無終


「終わったんだよ」


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◆続き


「全部」


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◆震え


「誰もいなくなって」


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「何もなくなって」


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◆目


 空虚だった瞳に、


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 わずかな感情が戻る。


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「……あれが終わりなら」


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◆拒絶


「もう二度といらない」


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# ◆沈黙


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 アルトが、


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 ゆっくりと息を吐く。


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◆アルト


「……なるほどな」


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◆理解


「終わり=消える、だと思ってんのか」


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◆無終


「違うのかよ」


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# ◆答え


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◆アルト


 一歩、前に出る。


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「さっき言っただろ」


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◆再定義


「終わりは、“進めないこと”だ」


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◆続き


「でもよ――」


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◆核心


「進めるなら、終わりじゃねえ」


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# ◆ファントム


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「終わりは、“消えること”じゃない」


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◆補足


「“次に繋がる形に変わること”」


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# ◆無終


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「……そんなの……」


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◆揺れ


「綺麗事だろ」


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# ◆アルト


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「じゃあ試してみるか?」


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◆一歩


 さらに近づく。


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「お前の“終わり”」


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◆宣言


「俺が盗んで、変えてやる」


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 無終の力は、


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 “終わりを拒む力”。


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 だがそれは同時に、


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 “終わりに縛られている証拠”。


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◆ラスト


 アルトが手を伸ばす。


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 無終へ。


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 その瞬間――


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 空間が、


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 大きく歪んだ。


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 “拒絶”と“再定義”が、


---


 真正面から衝突する。


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