表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
影の盗賊(シャドウ・シーフ)  作者: A-LIGHT(I lie)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

397/455

第256話:証明なき存在

“揺らぎ”が、広がる。

 何もなかった場所に、

 “観測されない領域”が形を持ち始める。

 だが、それは――

 同時に、侵食でもあった。

◆消失の前兆

 アルトの輪郭が、薄れる。

 ファントムの存在が、かすれる。

 記録されない。

 認識されない。

 つまり――

 “いなかったことになる”。

◆アルト

「……来たな」

 自分の手を見る。

 透けている。

◆ファントム

「ええ」

 冷静だった。

 だが、その瞳には、

 ほんのわずかな迷いがあった。

◆本質

「このまま進めば」

 一拍。

「私たちは、“証明できない存在”になる」

◆アルト

「誰にも知られない、か」

◆ファントム

「ええ」

「記録も残らない」

「意味すら、持てない」

◆沈黙

 それは、

 “死”とは違う。

 もっと曖昧で、

 もっと完全な消失。

◆問い

「……それでも、やる?」

 ファントムが聞く。

◆アルト

 少しだけ、考える。

 そして――

「半分だけ、やる」

◆ファントム

「……どういうこと?」

◆発想の転換

「全部消える必要はない」

 一拍。

「“残す部分”を決めればいい」

◆理解

 ファントムの思考が、一気に繋がる。

「……なるほど」

「“観測される部分”と、“されない部分”を分ける」

◆アルト

「そう」

「完全に自由になるんじゃない」

「“見せる部分だけ残す”」

◆核心

「つまり――」

 ファントムが言う。

「“自分で自分を観測する”」

◆肯定

「それだ」

◆革命的構造

 観測されない世界。

 だが、その中に――

 “自己観測”という仕組みを組み込む。

 外からは見えない。

 だが、中では確かに存在する。

◆最初の修正

 ファントムが、静かに“書く”。

 《この世界には、内部観測が存在する》

 瞬間。

 アルトの輪郭が、戻る。

 完全ではない。

 だが――

 “確かにそこにいる”。

◆安定

「……いけるな」

◆アルト

「だろ?」

◆さらに踏み込む

 アルトが続ける。

「もう一つ足す」

 《内部観測は、外部から干渉されない》

◆確定

 その瞬間。

 “観測されない世界”が、

 完全に閉じる。

◆反応

 “それ”が、大きく揺れる。

「……そこまでやるか」

◆評価

「外からは見えない」

「だが、中では完全に成立している」

 一拍。

「……これは、“新しい層”だ」

◆アルト

「気に入ったか?」

◆“それ”

「非常に」

◆ファントム

「じゃあ、これで終わり?」

◆否定

「いいや」

 一拍。

「ここからが、“始まり”だ」

◆次の段階

「お前たちは、選んだ」

「観測されない世界を」

「ならば――」

 一拍。

「その世界の“最初の観測者”になれ」

◆意味

 アルトが眉をひそめる。

「……俺たちが?」

◆答え

「そうだ」

◆核心

「観測されない世界は、放置すれば消える」

「だから、“内側から支えろ”」

◆理解

 ファントムが静かに言う。

「……管理者になるってことね」

◆肯定

「違う」

 一拍。

「“最初の住人”だ」

◆沈黙

 その言葉の重さが、広がる。

◆決定

 アルトが、ゆっくりと息を吐く。

「……いいじゃねえか」

◆ファントム

「ええ」

 小さく笑う。

「今度は、“自分たちで始める”」

◆世界の誕生

 光が、広がる。

 空が生まれる。

 地面が生まれる。

 音が、生まれる。

◆新世界

 だがそれは、

 誰にも観測されない。

 記録もされない。

 だが――

 確かに、存在する。

◆ラスト一文

 そしてその世界で、

 最初に語られる物語は――

 “二人の怪盗の話”だった。


 だが、その外側。

 完全に閉じたはずの世界に、

 “ひとつだけ”小さな亀裂があった。

 誰にも観測されないはずの場所に――

 “何かが覗いている”。

「……見つけた」

 その声は、

 まだ、名前を持っていなかった。

――続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ