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ナックルトーキング

「兄上、ケンシンさん、やめて下さい!」


両手を前に組み祈る様に叫ぶメグリ王子


「大丈夫ですよ王子、これは殺し合いではありません…殴り合い《拳で対話》ですから」


「でも…」とメグリ王子


すると、ファグリ王子が笑顔で両腕の拳を耳に近づけるポーズをとる、いい上腕二頭筋だ!


ボディビルでよく見るポーズだが、大丈夫だ安心しろと言ってるのが何故か分かる。


「わ、わかりました…」


渋々と言った感じで納得するメグリ王子


さて始めようか等とは言わない


「ふん!」俺はファグリ王子の露になっている腹筋に対してストレートを繰り出す、ちょうど鳩尾にあたる部分で本来なら急所であり弱点とも言える場所。


しかし、「むん!」むしろ、どうぞ殴って下さいと言わんばかりにファグリ王子は腹に力を入れて踏ん張る。


ドム!と大きな音がして、ほんの少し露になったファグリ王子の筋肉全体が震える。


その直後、肘を曲げて腰の当たりに拳がくるようなポーズをとり腹筋を強調するファグリ王子。えっへんみたいなポーズですね、腹筋切れてるよ!


なかなかやるな次は俺から行くぞ!と言っている様だ。


「こいっ!」


俺は脇をしめて拳を顔の前あたりに構える、ボクシングで言う、いわゆるファイティングポーズと言うやつだ。


ファグリ王子はニヤリと笑うと、俺の顔を目掛けてストレートを放つ、サウスポーなのか俺の右頬に強烈な痛みが走り首が仰け反る。


「なかなか良いもん持ってんじゃえねか!」


俺はニヤリと笑いファグリ王子の顔を殴り返す、その後も俺達はガードをせずにお互いの腹直筋を外腹斜筋を大胸筋を、そして、また頬を殴り合った。


そう防御(オートガード)なんて無粋な真似はしない、なぜなら殴り合いと言う名の心のキャッチボールなのだから!


どのくらい殴りあっていたのだろう…5分にも5時間にも感じるが、そんなには長くなかったと思う。


最初の方はメグリ王子が止めていたが、俺達が互いに殺意がないのが分かったのか途中からは、ただ見守るだけに変わっていた様だ…様だと言うのは、ちゃんと見てないからだな、俺とファグリ王子、いやファグリは殴り合い(トーク)していたのだから…


しかし、その殴り合いも永遠には続かない…


お互いに次が最後だ!と思う瞬間がきた、俺達は互いに動きを止めて、同時にパンチを繰り出すクロスする二人の拳、クロスカウンターだ!


確かな手応えを感じると同時に耐え難い衝撃が俺の右の頬を襲う、そして最後に立っていたのは…


俺だった、ファグリは膝を着いていたのだ。


と言っても俺もガクガクプルプルと膝が震えていた、そしてガクッと座り込むと、おかしくなって笑ってしまった…ファグリもつられて笑った。


俺達はリーブスが迎えに来るまで、二人でずっと笑っていた。

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