3.ダンジョンでの戦闘!
次回、主人公無双。
「アタシたちは前衛だったからね。魔法が使えるなら、バランスが良いね!」
「…………うむ」
ダンジョンに潜ってしばらく、ミレイとデジルさんはそう言っていた。
なんでも彼女たちは世界中を旅する冒険者で、それなりに名の通った剣士と戦士、とのこと。王都にやってきたのは数年振りで、新しい仲間を探していたらしい。
そんな相手が私でいいのかと、少し首を傾げてしまったけど。
でも、そんな経験豊富な二人から教われるなら願ったり叶ったりだった。
「よろしくお願いしますっ!」
「あはは! そんなに畏まらなくていいって!」
「えへへ」
そんなわけで、こちらが頭を下げると。
ミレイは少し乱暴にこちらの頭を撫でてきた。
一夜を過ごして知ったのだけど、やはりこの子はお姉さん気質。何かにつけて私の面倒を見ようとしてくれて、金貨の価値について教えてくれたりした。
「……くるぞ」
私たちが戯れていると、デジルさんが声を殺してそう言う。
するとミレイも目の色を変えた。緊張感が周囲に走っていく。
「えっと、アレって……」
見えたのは、首が八つあるドラゴンだった。
たしかヒュドラ――だっけ。エルフの集落の周辺には結構な数が群生していて、自主練の時によく相手をしてもらっていた魔物だ。
あの頃は一度に五体は相手にしていたけど、今回は一体だけ。
「ヤバいね。よりにもよって、ヒュドラなんて……」
「……セレナは、下がっていろ」
「え、でも……」
そう考えていたら、なぜか二人に隠れるよう指示された。
首を傾げてしまうがひとまず、言われた通りに。私は岩場の陰に身を隠して、二人の戦いを見学することになった。
「――さぁ、て。アタシたちの力、見ててよね!」
ミレイはそう言うと、身をかがめて一直線にヒュドラへ向かった。
そして――。
「はぁ……っ!」
素早い動きで、相手の注意を引く。
いわゆる陽動というやつ、なのだろうか。
ヒュドラの意識は完全にミレイに。その隙に、愚鈍ながらもデジルさんが魔物へと肉薄した。そして手にした大きな斧を振りかぶり――。
「喰らえ……!!」
――ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!
大きな衝撃音を響かせながら。
ヒュドラの身体を真っ二つに切り裂いた。
魔素に還っていく魔物を背に、二人は私を見て笑う。
「凄い!」
私は素直に感想を口にした。
見事な連携。それは今まで一人で戦ってきた私にはない、熟練の力。
心の底から凄いと思った。
「ふふん! どう? アタシたちはこれでも、SSランクの冒険者だからね!!」
「SS、ランク……?」
するとミレイは、またよく分からない言葉を口にする。
私は思わず首を傾げてしまうのだった。
「あぁ、ランクっていうのは――」
そんな私を見て、ミレイが説明をしようとした時。
「……! 二人とも、危ない!!」
不意に、デジルさんがそう声を張り上げた。
何事かと周囲に注意を払う。すると、すぐに分かった。
「これは、不味いね……」
ミレイが、深刻そうな表情でそう口にする。
私も状況が理解できた。どうやら、魔物の群れに囲まれたらしい。
「ヒュドラにレッドドラゴン、さらにはアークデイモン……」
順番に名前を挙げながら、ミレイは舌を打った。
そして、私に言うのだ。
「私たちが突破口を作るから。セレナは、逃げなさい」――と。
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