第六話 グルニアの将軍
今回は、グルニア軍視点です
時は、少し戻り
アカネイウス暦896年 3月 コリント王国領内 グルニア帝国軍大陸派遣軍司令部
グルニア帝国軍は、大陸内へ更なる侵攻を開始するために本土から約10個師団の増援を受け大陸派遣軍と呼称された第5軍団が新設された。
その軍団長には、皇族であるグルニア・ソエ・ヴァルター大将が着任していた。
そのグルニア・ソエ・ヴァルターは占領したコリント王宮の一室で、アカネイウス暦896年 2月時点大陸派遣軍詳細
そう書かれた書類に目をとしていた
“大陸派遣軍仔細”
大陸派遣軍団(第5軍)定員120,000 グルニア・ソエ・ヴァルター大将
以下は、第5軍の部隊である。
第1近衛師団10,000 アッカーマン上級中将
第6師団 15,000 バッハ 中将
第8師団 15,000 ブリンクマン中将
第10師団 10,000 ラインハルト中将
第13師団 10,000 ヒュルガー 中将 第25師団 10,000 ダ・コスタ 中将
第33師団 10,000 ハイデッカー中将
第4独立
混成旅団 6,000 ハイネンマン少将
第7砲兵旅団 5,000 ケンパアー 少将
第9砲兵旅団 6,000 イエーガー 少将
ケルル支隊 6,000 グルニア・カイザー・ケルル准将
帝室近衛騎兵連隊3,000 グルニア・ソシエ・カーン特務大佐
第109捜索連隊 4,000 ケッペル大佐
第97捜索連隊 4,000 イエッツエルン大佐
独立第999偵察大隊 1,200 ペネストロ少佐
独立第206歩兵大隊 1,000 アルホルン少佐
第500予備師団 10,000 クミニスカ准将
以上
なお同軍団は、大陸派遣軍団指揮下に入る
「こんな大それた部隊を拝領したはいいが事実上の左遷だなこりゃ」
ヴァルターは誰に言うとなく独り言をつぶやいていた。
ヴァルターは、グルニア帝国皇位継承権第3位の地位におり現在帝国では、ヴァルターの二人の兄である第一皇子と第二王子は、次期皇帝の座を巡り王宮で権力闘争を繰り広げていた。
その中で、第3位の皇子であるヴァルターがどちらかについたり、権力闘争に介入してくるのが厄介だと考えた二人の兄皇子は、中央からヴァルターを大陸へと派遣し厄介払いしたというわけであった。 もっとも本人は、根っからの軍人であり権力闘争などには興味は全くなかったのであるが。
身の振り方を考えていたとき訪問者を告げるドアをノックする音が聞こえてきた。
「入れ」
「クルト少佐出頭いたしました!」
「そう固くならんでもいいぞ 君を呼び出したのはここの軍隊がどんな戦い方をするのかを知りたいのだよ。教えてもらえるかな?」
彼の強面の顔のイメージとは、違った柔らかな声で尋ねた。
「もちろんであります閣下、しかし報告書に書いてある通りでありますが・・・」
「君は、ラインハルトの副官として戦闘を見ているのだろう?現場の生の声を聴くというのはまた違ったものなのだよ」
クルト少佐は、納得した顔でアカネイア大陸であった戦闘をヴァルターへと伝えた。
「なるほど敵は、時代遅れの槍と剣の蛮族で、我々と同じく決戦で戦争を決めるそういった軍隊なのだな」
「そのとおりであります閣下」
「うん、よくわかったクルト少佐 下がっていいぞ手間をとらせたね」
ヴァルターは、報告を聞いて安心していた。なぜならば敵は思ったよりも扱いやすい連中であることが分かったからである。グルニア帝国軍は、決定的な弱点が存在していたそれは統一戦争時の経験から一点に戦力を集中し決戦を強いて敵を殲滅するという決戦思想がグルニア軍には根強くなっていた。よって持久戦に対しては脆弱な面があった。
(統一戦争期にも持久戦を用いた国家も存在したが平野が多くまた、グルニア大陸の諸国は、中小国ばかりであって戦後を考え、焦土作戦や作戦域の縦深を確保することができなかったので効果はあまり見られなかった)
更には、統一戦争期には本国から補給線を伸ばすことができたが今回は渡海したうえでの侵攻作戦である。持久戦に持ち込まれてしまえば、帝国軍が苦戦することは必至であったからだ。
「独立第999偵察大隊より報告します。敵は、アカネイア帝国帝都パレジア付近に集結しつつある模様現在20万を超えなおも増大中、とのことです」
伝令の兵士がクルト少佐と入れ違いで入ってきた。
「わかった、ご苦労各指揮官を招集してくれ軍議をする」
翌週大陸派遣軍は守備に第500予備師団を残し、敵を求めて北上、九星軍とハノーハ公国領内オーデル湖畔で接触する。
後にオーデル湖畔の決戦と呼ばれるアカネイウス大陸の歴史の分水嶺になる戦いが始まる
次回はいよいよ決戦です。二部構成くらいにしようかと考えていまして現在構成中です。次回投稿は来週です
感想等々待ってます お返事もできる範囲でいたします
改訂 とんでもなく見にくかったので手直ししました 。すみません あと階級を少しいじった人がいます