第四話会談
ぎりぎり今日に間に合いました。汗
アカネイウス暦896年 2月
“コリント王国、グルニア帝国へ降伏す。”
このニュースは、アカネイウス大陸全土を駆け巡った。
特にコリント王国の隣国ハノーハ公国とペレジア王国にとっては、重大なものであった。
コリント王国は、バトルビースト剣虎や飛竜の産地が領内に存在せず騎士団にそれを扱う部隊はなかったものの大陸においては、標準的な国家であった。
それがものの一週間で、コリント王国軍は壊滅し、896年には降伏してしまうというのはにわかには信じがたいものであったが、入ってくる情報はどれもコリント王国の敗北を示すものばかりであった。そのため両国は、それまであった領土問題を棚上げし早急に軍事同盟を締結グルニア帝国への警戒を強めていたところであった。
同年 2月 ハノーハ公国王宮 外務担当ベルンハルト卿 会談室
「これはこれはアクスマン卿遠路はるばるお越しいただきありがとうございます。」
「いやなんの我が盟友との会談で、これしきの距離は大したことではありませんよベルンハルト卿」
ハノーハ公国王宮の会談室では、ペレジア王国とハノーハ公国両国外務卿による会談が行われていた。
「では、今回卿にお越しいただいたのはほかでもない南のコリント王国が降伏し蛮族共によって不法に占拠されていることについてです。」
ベルンハルト卿は、先ほどのにこやかな顔からうってかわって真剣な面持ちになり事の話題を切り出した。
「まあ会談の要請が入った時点で大方予想はついていました。今も目下の課題は第一にコリント王国のことでしょうな。」
アクスマン卿は、どことなく不安な様子で答えた。
「例のものをこれへ」ベルンハルト卿が後ろに控えていた王宮の近衛兵に指示をすると1m50㎝程の長い木と鉄の部品でできた奇妙なものが二人の前に持ち出されてきた。
「これは、いったいなんなんですかそれは。」アクスマン卿は、奇妙な顔をして尋ねる。
「これは、銃というものだそうです。これがコリント王国軍をやぶった兵器なのです。」ベルンハルト卿は、更に付け加える「これは、見かけではわかりませんが火を噴き重装騎兵をも一撃で倒してしまうのだそうです。」
「重装騎兵をですか!?そんなものが・・・しかし、今までも弩などあったではありませんかいくらなんでもそのような兵器だけでコリントの王宮騎士団が敗れるとはとても・・・」
アクスマン卿の疑問をすぐさまベルンハルト卿は答えた。
「これよりも大きな銃を敵は持っておりそれはとんでもない音とともに騎士を馬ごとなぎ倒したそうです。それにこの銃というのは先に小さな剣を付けることで、槍としても使うのです。ですから弓兵のように接近を許してしまったとしても蹂躙されることを防いでいるようなのです。」
「まったく我々と異なる戦い方をするのですか敵は・・・しかし、貴国と我が国が手を結び倍する兵で戦えば、コリントのように一方的な戦いにならないのでは?」
アクスマン卿は、困惑しつつも何とか解決できないものかとベルンハルト卿へ話しかける。
「私もそう考えてはいたのですが・・・コリントへ忍ばせていたものからの情報によるとグルニア帝国は、更に部隊を増強して今やコリントに存在する敵軍は10万はいるようです。」
「じゅ、10万ですと!?そ、そんな大軍・・・」
アクスマン卿は驚きを隠せなかった。何しろ両国合わせても動員できる兵は、せいぜい3万がいいところ同レベルの相手でも3倍いれば厳しいものになるのに一体どうすれば勝てるのかアクスマン卿は、頭を抱えた(比喩ではなく実際に動作でも頭を抱えていた)
「そこでです。神聖アカネイア帝国へと救援を頼んでみましょう。異大陸の侵略者どもを追い出すために大陸の盟主たるアカネイア十三世猊下へと両国共同で、使者を出しましょう。九星軍の派遣を乞うのです。」
___九星軍____それは、かつてアカネイア一世が大陸を制服しアカネイウス大陸南部を制覇したとき北方から蛮族が大軍で、南下諸都市を陥落させ首帝都に迫った時九人の皇子が兵を率いて蛮族を打ち破った故事になぞらえ以来蛮族を征伐する諸国連合軍が結成するときはこう呼称されていたのである。
アクスマン卿は、その手があったかと顔をほころばせたもし、神聖アカネイア帝国が動くことになれば諸王国軍が動くそうなれば少なくとも30万はくだらない軍が集結するだろう、グルニア大陸から蛮族が攻め寄せ一つの王国が滅びた名分もできている。と考えた。
「そうですな!!そうしましょうグルニアの蛮族どもを猊下の名のもとに成敗してくれましょうぞ!さっそく使節団を派遣いたしましょう。」
そして、神聖アカネイア帝国へと使節団は翌々日出発した。
主人公どこで出そうかなあなやみどころだ