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【第一部完結】転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!  作者: DAI


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第31話


ここは、ウエス国の森の中。


ライジンの電撃をまともに受けたフィーネは、ウエス湖の真ん中にある島まで飛ばされていた。バリアと咄嗟にとった受け身のお陰で、何とか無事だったが、ようやく意識を取り戻した。


「う....ん....」

フィーネは身体を起こして首を振る。

「酷い目にあったわ」

周りを見回すと、木々が鬱蒼と茂っている。フィーネが立ち上がると、そこには、バラバラになった小さな祠のような物があった。

「これは、祠? 」

フィーネが、そう言うと祠が青白く光り、その光がフィーネの頭の高さまで上がってきた。

その光は、だんだんと人の形になって行く。

「また、厄介ごとが増えそうね」

フィーネは、ため息をついた。

青白い光は、やがて子供の姿になった。

「おいらは、ハク。水竜だ」

10歳くらいの男の子の姿で水のような透き通った青色の髪。綺麗な顔立ちだ。

「あなたが、水竜?信じられないんだけど」

フィーネが言う。

「お前が祠を壊すから、眠りから起こされたんだ。何か用があるのか? 」

ハクと名乗る男の子が怪訝な顔で聞く。

「もう、面倒くさいなぁ。私は忙しいから、後にしてくれる? 」

フィーネが言うと、

「面倒くさいとは何だ!僕の祠を壊したのはお前だぞ! 」

ハクが怒ったが、迫力が無い。

「祠を壊したのは謝るわ。忙しいからこれで。じゃあね」

フィーネは立ち去ろうとする。

「待て!お前を助けてやろう。おいらは、魔神より強いからな」

「とても、そうは見えないけど。まあ、勝手に付いてきたら? 」

フィーネはハクの言葉を信じていないようだ。

「よし、決まりだな。おいらはお前を助ける」

「はいはい。よろしくお願いします」

フィーネは、ハクを無視して歩き出した。

「おい!待て! 」

ハクが慌ててフィーネの後をついて行く。




一方その頃。

遺跡では、イブとビャッコの力比べが続いていた。


「ググググッ! 」

「ヌヌヌヌッ! 」

両者とも譲らない。力は互角のようだ。

「ビャッコ、おまえのボスは魔神なのか? 」

イブが揺さぶりをかける。

「女神に答える必要はない」

「だが、人を魔物に出来るのは魔神だけだ。ビャッコ、お前の存在こそが魔神復活の証拠! 」

イブのライトニングが押し返して行く。

「流石は女神だな。お前の命が魔神様への手土産だ」

ビャッコのダークネスが押し返す。

「やはりな。ならば、ここで負けるわけにはいかないな」

イブは更に力を込める。


ヌヌヌヌッ!

「女神イブ。なかなかやるな。では、これならどうだ。ダークネスアロー! 」

ビャッコから無数の黒い波動の矢が放たれる。

イブのバリアが弾き飛ばすが、数発命中してしまった。

「クッ!ぼくはこの程度じゃやられないぞ」

イブのライトニングが更に力を増す。

「おのれ!まだまだ! 」

ビャッコがさらに攻撃を続ける。

イブはジワジワとダメージを受けている。このままでは力尽きてしまう。

「ライトニングクロー! 」

イブの攻撃がさらに強化された。ビャッコが押し負けている。

「ぼくは負けない!ウォー! 」

ビャッコの両手を弾き飛ばした。イブの攻撃がビャッコの体に直撃する!

グァーーーー!

ビャッコの体が砕け散った。

「はぁっ....はぁっ....」

イブは、その場に座り込んでしまった。

「流石のぼくも、少し疲れたな」

イブは気を失った。





その頃、

ウエス湖のほとり。


オルガがフウジンと、ゴブローがライジンと戦っていた。


「風よ吹け、ウインド! 」

フウジンの魔法がオルガに襲いかかる。

「クッ。こんな風! 」

オルガは風に耐えるが、その間にフウジンの剣が容赦無くオルガを切り付ける。防ぐだけで精一杯だ。


ゴブローは、ライジンと互角に近い戦いをしているが、やはり押されている。

「ゴブリンにしては、やるじゃないか。だが惜しいな。俺には勝てない」

ライジンは余裕の表情だ。

「まだまだだ! 」

ゴブローも攻撃をかわすのがやっとだ。


「そろそろトドメを刺させてもらうぞ。フウジン! 」

「わかった!ライジン! 」

フウジンとライジンが両手を伸ばす。

オルガとゴブローは身構える。

「サンダーウインド!! 」

電撃を伴った竜巻がオルガとゴブローを襲う。


その瞬間、

巨大な水流が竜巻を打ち消した。

「何だ!何が起きた! 」

ライジンが叫ぶ!

オルガとゴブローも、何が起きたのか分からず唖然としている。


「オルガ!ゴブロー!待たせたわね」

そこに現れたのは、フィーネとハクだった。


「エルフ。生きていたか。その子供が助っ人か?舐められたものだな」

「この子は、水竜のハク。こう見えて強いのよ」

フィーネはライジンを睨みつける。

「フィーネ。何れにしても、あんたはここで死ぬ。残念ね」

フウジンがニヤニヤしながら言う。


「面倒くさいけど、私はあなた達を倒す」

「おいらも、なんかムカつくからお前らをやっつける」

フィーネとハクが構えた。


「面白い、やれるものならやってみろ」

「あんた達。本当に死んじゃうよ」

ライジンとフウジンも構える。



いよいよ、戦いが始まろうとしていた。



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