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荒野での戦い 決着

【「……この戦いの勝利……あなたに差し上げましょう……ですが、次はありませんよ……!!」】

 力を出し切り、己が紅玉顔を砕裂され、戦いの敗者となったニャルラトホテプは、黒竜の姿に変え勝者となった魔王サタンへ負け惜しみじみた宣言を述べた。

【我が貴様を逃がすとでも思うたか? このまま、ヴィルラルスの力を取り戻してくれる!!】

 サタンは吼えると、竜爪に闇と風の力を纏わせ、ニャルラトホテプへと放った。

ニャルラトホテプが殺し奪った『闇と死滅の神ヴィルラルス』の力を取り戻すためだ。

【「……グッ……あなたは気づかないようだ……私が宣言した理由も……何もかも……」】

【……どういうことだ? 逃がさぬよう、縫い止めながら聞いてやろう】

 サタンは虚空から闇の巨刃を数本生み出しながら、ニャルラトホテプの言葉に耳を傾けた。

【「……私たちの邂逅は……想造主によって仕組まれたもの……物語の終焉のためにね……」】

【つまり、我らのこの戦いも、物語のためか?】

 サタンは虚空から生み出した闇の巨刃を、ニャルラトホテプへと撃ち出した。

【「グゥ……その通りです。ゆえに私には……次があるのですよ……あなたの主によって……!!」】

 負傷しているニャルラトホテプは、サタンが生み出した闇の巨刃に身体を串刺しにされながら、己が言った次への根拠を述べる。

【想造主の紡ぐ物語のためか……ならば、この状況から抜け出してみろ。それが貴様の言う次だ】

 ヴィルラルスの力を取り戻すはずだったサタンは、ニャルラトホテプを睨みつけながら、淡々と言う。

【「……回復までの……時間稼ぎは……終えたので……よろしいでしょう……ハッァァァ!!」】

 ニャルラトホテプは、時間稼ぎによって回復した力を、瞬間的に解放する。

 ゴォォォ……!

 ピシ……ピシピシ……パリィン……!

 ニャルラトホテプの身体を貫いていた闇の巨刃が、解放された力に耐えきれず音を立てて砕け散った。

【あれを破るか……物語のために、ここは逃がしてやろう。だが、次こそは物語の中で滅ぼすだけだ】

 もしもニャルラトホテプが、闇の巨刃に貫き続けていた場合、即座にヴィルラルスの力を奪還させるつもりだったサタンは、想造主の紡ぐ物語のためにニャルラトホテプの逃亡を許すことにした。

【「……フフ……あなたとの戦いの決着を……物語の中で……楽しみにしてますよ……」】

 闇の巨刃から解放されたニャルラトホテプは、サタンに宣言しながら、戦いのなかで無惨に破壊し尽くされた荒野から去っていった。

 残ったのはサタンただ一人のみ。

【想造主の頼みはすでに果たしたからな。我もこの地を去るとするか】

 ギュルオォォオォォン……!

 サタンは呟くように言うと、呪を唱えるように鳴いた。

それは、自身が住まう場所へ向かうための手段だ。

 空間に力ずくで大穴を開けて、そこへ突っ切るように身体を回転させながら無理やり入る。

 亀裂が生じるも無視する。

ほっとけば、時間を巻き戻すかのように自動的に修復されるからだ。

 サタンが大穴に入り終えると、空間の修復が始まり、サタンが開けた大穴が元通りの状態になっていった。

 そして、時空の狭間には誰もいなくなった――。


《終》

ようやく……ようやく書き終わりました……長かったです……

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