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琥翠緑子の珈琲事件簿  作者: Lazzrose
お菓子な不協和音は紙一重?
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12/29

5. 安らぎのひと時(エピローグ)

 あの後10個入りを3箱購入して帰宅した。

 その際、適当にコーディネイトした服がサエさんの目に留まり、靴だけスニーカーに履き替えて撮影された。


「プチプラ特集。盲点だったわ。たまにはこういうのもアリね」


 そうサエさんが呟いたのを私は聞き逃さなかった。

 適当に買っただけなんだけどなー。


 数日後、果房こすもすの通販サイトが復活していた。

 ・梱包材にコーヒーと相性が悪い素材が使われていたこと。

 ・素材は広く普及している物であり、コーヒーとの相性の問題だけで、体には何の害もないこと。

 ・また、迷惑をかけたということで、期間限定で割引セールを行うこと。

 が記載されてあった。


 私は自ら淹れたコーヒーと葛団子を楽しみながら、サエさんから言われた書類仕事を片付ける。

 BGM代わりにつけていたTV番組が終わり、ニュース番組が始まった。


『……SNSで、都内和菓子店への誹謗中傷を書き込んでいた男性に警察の事情聴取が行われました。

 男性は同市内で同じく和菓子店を経営する一方、売れ行きに悩んでいたとのことです。

 ネット中傷問題での聴取は今年に入り……』


 SNSマスターのサエさんのように有効活用する人もいれば、感情に任せて墓穴を掘る人もいる。

 SNSだけじゃない、物は使いようというわけだ。


 葛団子を口の中にいれ、コーヒーを一口。

 香りは軽く、甘みは優しく、コーヒーと合わさり整えられた味わいが口の中へ広がる。

 鼻に抜ける黒蜜の香りもマリアージュされている。


「……この組み合わせ、これでいい」


 甘い物と苦い物の組み合わせは、昔から私の味方だ。

 最高の気分のまま、書類仕事を再開する。

 コーヒーの深い香りにまた誘われるまでは。


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