14 世の中お金が全て?
◇◇◇
「こっちはおもちゃ工場。子どもたちに人気のおもちゃを作ってますわ。最近では、音の出るおもちゃと、ボードゲームが人気ですわね」
「わぁ〜、おもちゃが一杯!」
「これは面白いな。どういう構造になってるんだろ?」
楽しいおもちゃに興味津々の子どもたち。やはり、子ども向けのおもちゃは、子どもたちにモニタリングするのが一番ですわね。
被服工場のほかにも、孤児院と併設する工場や農園を見て回ってますけど、広大な敷地内をあちこち回るだけで結構疲れますわね。
「みんな、疲れてないかしら?そろそろ休憩してお昼ご飯にしましょう。せっかくだから、食堂で子どもたちと一緒に食べましょうか」
「私もうお腹ペコペコ」
「私も〜」
リナとミアがお腹をさすると、
「よっしゃー!待ってました!」
とレオンが歓声を上げましたわ。
「いらっしゃいませ!今日のおすすめはカツ定食です」
工場に隣接した食堂も、調理担当者や、配膳担当者がいて、実際のお店のように営業してますわ。メニューの札を取って注文すると、出来たての料理をテーブルまで運んでくれるシステムですの。
「わぁ〜、デザートもあるの?」
「ええ。チョコレートケーキが人気みたいよ」
それぞれが気に入った料理の札を取り、注文を済ませると、席に着くわたくし達。
子どもたちは、ソワソワと落ち着かない様子で辺りを見回してますわ。
「さて。何か気になるものはあったかしら?」
「あ、あの!僕、農園に行ってみたい!」
「僕は牧場のほうに行きたいなぁ」
わたくしの質問に、早速トムとサムが声を上げます。
「そうね。それなら、一緒に野菜を収穫したり、牛に餌をやったりする、体験農園に参加してみる?」
「やった〜!」
「なぁなぁ、騎士の訓練場とかはないの?」
「残念ながら騎士の訓練場は無いわね。そのかわり、運動場ならあるわよ」
「あ、じゃあ俺そこに行きたい」
「あの、図書館とかはありますか?」
「ええ。音楽堂と併設してるけど、ルカとエリオで行ってみる?」
「いいんですか?」
「もちろん。それぞれ運営係の子どもたちがいるから、好きに見て回っていいわ。じゃあ午後からは別行動にしましょうか?」
「さんせ〜い!」
「エマはどこか見たい所はある?」
「わたしは……小さな子どもたちが生活している、孤児院の本館を見てみたいです」
「いいわ。では、グループに分かれて見学しましょうね」
こうして、わたくしとエマ、リナ、ミアの女性チームは孤児院の本館に、ルカとエリオは図書館と音楽堂、ノアとレオは運動場、トムとサムは、ミハエルが付き添って農園と牧場に行くことになりましたわ。
ノアとレオンは年が近いせいか一番仲がいいみたいですわね。機械いじりが好きなノアと、体を動かすのが好きなレオン。一見合わなさそうで、騎士も機械いじりも、両方とも、男の子が好きなものって感じがしますわね。
エマは、普段からリナとミアの面倒を良く見ているから、二人ともエマと一緒にいたいみたいですわ。
「正直、よく分からなくなりました」
本館へと移動している途中で、ポツリと呟くエマ。
「何が?」
「しょせん世の中お金なんだなって。お金があれば、何でもできるんですね。でも、お金が無いと、何もできない」
「そうね……お金がないと出来ないこともあるし、お金があっても出来ないこともあるわ。お金は確かに便利な道具だし、人生を豊かにする有効な手段の一つではあるけど、万能なわけではないわね」
「お金持ちのあなたでも、出来ないことがあるのかしら?」
エマの言葉に微笑むわたくし。
「できないことだらけよ」
世の中、本当にお金が全てなら、簡単で良いのにね。




