7話 魔獣としての格
ワオオオオオン!
咆哮が轟く
それと同時にオークが私の眼前から居なくなる
遅れて木々が倒れる音が聞こえる
『ご主人!大丈夫!?』
「…えぇ」
目の前にいるのは、2m程の巨大な狼
だが声は間違いなくイド
黒い毛並みに赤色の目が鋭くひかる
明らかに私が知っているイドではない
「えぇ……っと」
『ん?わふ?』
いやこの子イドだ、仕草がわかりやすい。しっぽブンブン振ってるし…
「……何があったの?」
『進化!ご主人と繋がったことで魔獣としての進化を果たしたわふ!』
「うん、とりあえずおめでとう。そして守ってくれてありがとう」
『わふわふ〜!』
「……おい」
振り向くと、冒険者の男性が話しかけてきた
金髪、青眼の剣士さんだ
「先程は助けてくれてありがとう。リーダーをしてるレオンだ。」
「私は…ミル。この子はイド。魔物だけど私の従属だから安心して」
そう言いながら私はイドの顎をわしゃわしゃ撫でる
「そうか、害がないなら大丈夫だ。何かお礼をしたいんだが」
「なら、ファーレルの街に行きたいんだけど」
「俺達の行き先だ」
「ほんと!?」
レオンは微笑みながら答える
「あぁ、乗ってけ乗ってけ」
「ありがとうございます!」
良かった、乗せてくれるなんて〜歩いていかなくてすむ
私は、レオンの指示に従い馬車の荷台へ乗り込む
イドは小さくなって私の腕の中
もっふもふな毛並みが心地よい
「わしゃわしゃ〜」
『わふぅ!』
「あ〜可愛い……それで、進化って?」
『わふ!ご主人のそばに居ることで結びつきが強くなって進化したの!!ご主人の力は強すぎて従属にも影響を与えるんだ!ご主人の傍にいればいるほど従属は進化し強くなるわふ!』
んーむ、私の力、凄すぎる件について…
『影響にも色々あるの!そばに居ることでの影響が小さな影響だとすると、なでなでとかのブラッシングとかの行為は、中くらいの影響、名を付けることは大きな影響、そして、ご主人が従属を殺すことで特大な影響が与えられるわふ!』
……殺す…私が……従属を…
「待って待って……殺すって……」
『わふ!従属は主が生きている限り死なないわふ!だから、殺しても生き返るわふ!大丈夫わふ!』
「…そうなの」
やめよう、絶対殺さないようにしよう
にしても、名付けるとか撫でるだけで強くなる。まぁどんどんわしゃわしゃなでなてしよう。メリットしかないし可愛いし
「そういえば…どんな進化したの?」
『魔獣種Fランクのウルフから魔獣種Sランクの天狼に進化したわふ!進化したことで能力豪炎〜世界〜になったわふ!』
すごいすごい!
「お〜さすがイドちゃーん。偉いし強いしもっふもふ〜」
イドの頭をわしゃわしゃわしゃわしゃ撫で回す。世界に天狼、だからあんなにでっかいし強かったのか。も〜本当にうちの子は強すぎるんだから〜。こりゃ人生安泰ってもんですなぁ。この先が楽しみすぎる!!
「すみません、失礼しますね」
イドと戯れていると、ある1人の老人が乗ってきた
「先程は、助けてくれてありがとうございます。承認のアランドです」
優しそうな声色で話しかけてくれるおじいさん。焦茶色の髪と目をしている。商人ってことは、この人が依頼人さんかな。
「ミルです。よろしくね、アランドさん。この子はイド」
わふ!っとドヤ顔を決めながらイドはアランドさんに向けてご挨拶する。偉いね、ご挨拶できて
「可愛いですな」
「分かる!?そうだよね〜!うちの子は世界一なの!」
わふぅー!っとイドは腕の中で遠吠えをあげブンブンとしっぽを振るう。ちょっと痛いのはご愛嬌
そうしているうちにガタンゴトンと振動が来て動き出す。あと2日でファーレルの街か。楽しみだな。早くお風呂入って布団で寝たいな




