6話 戦闘
イドが作ってくれたボアーの丸焼きを食べ、イドの毛皮に丸まって寝た。凄く良かった
で、いつの間にか朝
まさかこうして道の端で夜明けを迎えるとは思わなかったし思いたくなかった
とりあえず…街まで歩かなければ
確か真っ直ぐ行くとファーレルの町
ファーレルの貴族とはあったことないんだよなぁ、まぁ、あっちも会ったことないから私を貴族と思わないでしょうね〜
でもこの服装はどうにかしないと、
汚れているとはいえ、普通の身分の者がこんなの来てたら怪しまれるし
でもかと言ってなぁ……
『ご主人』
イドが止まり、目の前を見据える
「どうしたの?」
『前方にゴブリンとオークの群れだよ。襲われてる』
「嘘!?」
……ゴブリンはいいにしてもオーク、しかも群れ、Cランク冒険者パーティーが受ける任務!
「イド、戦況は」
『負けてるよ』
だよね……
「行くよ、イド」
『いいの、死んじゃう。僕はご主人が第1だよ。死なれたら困るし、行く利点が無い』
分かるよ、イド、死にたくないよ、私も
「私だって死にたくない、でも見過ごすことも出来ない。それに死ぬつもりもない」
私は、本能の導くままかけ出す
「共鳴世界、瞬足」
できた……イドの言っていた特性も私なら扱える
これくらいなら……ね
ヒールを脱ぎ捨て、向かう
私の夢は、冒険者、貴族なんかに縛られないで、政略結婚なんかしないでこの広い広い世界を仲間と共に翔けてみたかった
だから鍛錬は怠らなかった。親も周りもそれを咎めもしなかった。だから……!
走ると見えてくる
オーク5体くらいに、ゴブリンが20匹前後
緑色で耳がとんがり身長が1m前後あるゴブリン、変異種は居なさそうだね。
オークも、緑色で耳が尖って身長が2m、うん、変異種はいない
馬車を守るように2名の冒険者達、弓使いと魔法使い。離れたところにオーク2体と戦っている戦士、ゴブリン8人に襲われてる人
「イド、馬車の方へ」
『了解』
私は急いで襲われている人の方に向かい、ゴブリンの頭を蹴り飛ばす
ゴン!
ゴブリンは突然の私に反応出来ずにもろに食らう。武器を投げ出し地面に倒れる。足がジンジンするが気にしないことにする。
「大丈夫!?」
「……あ、……はい」
女の人か、女の人の手には槍が握られている
手がかすかに震えている、これでは戦えないよね。
私はゴブリンに向き直る
倒れているゴブリンから剣を奪い取る
刃こぼれしているが文句言ってもしょうがない
ゴブリン達が向かってくる
統率すらも取れていない。さすがEといったところか。ゴブリン共がもっているものは様々、木の棒とか斧とか、槍とか石とか。でもどれも粗末ですぐ壊れそうである。私の奪った剣も例外では無い。
ゴブリンの攻撃を剣で止め、押し返す。そしてそのまま足を切る。足を切られたゴブリンは立っていられなくなり地面へと倒れる。私は倒れたゴブリンの首を掴み、向かってくるゴブリンに向かって投げつける。投げたゴブリンが持っていたのは石、でも先は尖っている。なら……それをゴブリンに向け投擲する。
「ゴベェ」
情けない声と共にゴブリンが頭から血を吹き出し絶命する。これで二体目か。でも足切ってるやついるし3体。残り五体か気が滅入る。
仲間がやられ焦ったのかゴブリンが一際大きな声で鳴く。
ドスン
と、地面が揺れた
「………あー、聞いてないかな」
オークがこちらへ近づいてきた
いくらなんでもオークは辛いよ。私か弱い乙女ですのに
ワォォォォォォン!
戦場にオオカミの遠吠えが響いた