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17話:出会いは偶然に

17話:出会いは偶然に


 ――世の中、偶然というのは良くあると思う、それは、幼いころに遡ると、たまたま友人と同じ鞄を持っていたり、仲のいい友人が実は遠い親戚だったり、友人の結婚式に参加したら会社の後輩の姉が実は出席していたり……etc 意外と世の中に偶然がありふれている…… そして、今、まさに偶然が起きている。


「あっ」


「あっ」


――その瞬間、時が止まった…… ような気がした……


「どーしたの亜希? 知り合い?」


 亜希のすぐ隣にいる、見た目が少々派手な、スカートの短い、いかにもな女子高生が亜希に話掛けた。


「えーとっ あー 知り合いっ!」


 当初困惑していた亜希は、曖昧な返事をしたと思ったら亜希だが、急に閃いたような仕草をみせ、光樹の隣に来た。


「ごめんっ! これからカラオケ行けないや、そういえば、親戚のお兄ちゃんと会う予定だったのすっかり忘れてたっ! 埋め合わせは今度するからっ!」


 亜希は友達? らしき女子高生に、ごめんのポーズをしながら返答した。


おいおい、偶然会ったのに、約束もクソも無いぞ? この小娘は一体何考えとるんだ? 


「はっ? いきなり何言いだすnnkじゅhgtf」


 この小娘、腹をつねってきやがったぞ、しかも結構な強さでっ!


「空気察してあわせてよっ!」


 亜希は、光樹にしか聞こえない小声でつぶやいた。


 なんか困ってるっぽいが、正直関わるとめんどくさくなりそうだから、ここは、適当にかわしてバイバイだ…… 大きな声では言えないが、現在仕事中だしな……


「なんで俺がおまえのために、痛っ」


 さらに強くつねってきた。


「説明は後でするからっ! とりあえず合わせてっ! お願いっ!」


 この小娘、俺を便利屋か何かと勘違いしてないか? そしてつねられてる部分が痛い……


「わかったから、つねるのやめてくれ、痛い」


「あっ! ごめんっ! つい力入っちゃって」


 はぁ…… 強引なお願いとはいえ、話を合わせることに了承した。


「どうもこんにちわ、亜希がいつもお世話になってます。約束を忘れてた亜希が悪いが、今日は、先約してたんだ。また今度誘ってくれるとありがたい」


 光樹はいつもの営業スタイルで話した。


「え~ 亜希ちゃんカラオケ来ないの~ 親戚のおじさんと会うのはいつでもできるし、俺らとカラオケ行こうぜ~」


 派手目な女子高生の横に、少しやんちゃそうな男子高校生が言い放った。


おまえらもいつでも会えるだろ? とは言わないが…… それはそうと、おじさんだとっ! ぐぬぬ…… 高校生からみると28歳はおじさんなのかなぁ……


「えっ? でも」


 光樹は、返答に困ってそうな亜希に助け船を出す。


「すまないな、今日は割と大事な話なんだ。亜希には、約束を忘れた事に関しては叱っておくから、今日のところは勘弁してほしい」


 光樹は、少々口調を強くして言った。


「そっか~、そういう事ならしょうがないね~ また、今度誘うからっ!」


 少し派手目な女子高生が言うと、亜希の同級生は、ぞろぞろと店を出ていった。




 光樹と亜希は、行く宛も無く、街の中を歩いている。


「おい、なんか言うことあるか?」


 光樹は、少々呆れた口調で話しかける。


「ありがと、助かった。」


 亜希は、ばつの悪そうに返答した。


「まぁ、俺に被害があったことはこの際、どうでもいいが…… それより、学校の友達との約束を断っても良かったのか? 正直おせっかいだと思うが、今後の学校生活のために仲良くしてたほうがいいと思うぞ?」


 学校校生活というのは、交友関係が非常に大切だと思う、光樹も勉強は好きな方では無かったし、何か夢中に取り組むものも無かったが、友達と放課後遊びに行ったり、時にはサボったり、大人になった今だからこそわかるが、あの時の時間はすごく貴重だった。


「別にいいじゃんっ! ぶっちゃけ友達関係とかマジめんどいんだよね…… 特に、まだ入学したてだからさ、誰々がカッコいいとか、彼氏にするために、協力してとかさ、好きでもなんでもない男にデートに誘われたり…… こっちはそんな気ないっつーの」


 なるほどな、今日は、恐らく隣にいたあの派手目な女子高生が狙ってる男を連れてくるために亜希はエサにされたってとこかね…… だから、あっさり引き下がったのかね……


「そうか、なら仕方ないな、そんな気に食わないやつとは関わるべきではないな」


「えっ?」


「んっ?」


「いや…… てっきり説教でもされるのかなって……?」


 亜希はさっきとは違う意味で困惑していた。 

「そんな事で驚いてるんじゃねーよ、てか、自分と合わないやつとは関わらないようにするのは普通だろ? 神様じゃないんだから誰とでも仲良くなれるやつなんているわけないだろ? まぁ、これは俺の考え方だから偏見しかないがな」


「あたしもそー思う、はぁ…… 今回はたまたま逃げれたけど、こんなの繰り返してるとクラスではぶられるかもな~ いっそ学校辞めようかな……」


「そうか、何かやりたいことはあるのか?」


「あ~ 別にやりたいことは無いけど、単純に学校がつまらないだけ」


「なら、学校は行っとけ、なに、まだ始まったばかりだから、気の合うやつとも出会うかもしれないぞ、仮にいなくても、勉強はしといた方がいいぞ、勉強すれば選択肢は広がるからな」


――後悔先に立たずって言葉があるように、社会人になると勉強しなかったことに対して悔いを残す。


「そ~かなぁ~」


「お~そうだぞ、おっともう19時過ぎになってるな、家に送るついでに飯でも食っていかないか?」


 あたりはすっかり暗くなっており、光樹は腕時計を確認し、亜希へ提案した。


「いいよ~ 何食べるの?」


「何かリクエストあるか?」


 少し間が空いて亜希は返答した。


「ん~ 元々外食自体したことないし、なんでもいいよ」


「よしわかった、外食が多くないなら、ラーメンでも食いにいくか、この辺に美味い店があるんだ」


 隣で歩いていた亜希は、小走りで光樹の前に来て、振り返って首をかしげる。


「は~い、でも、正直、初外食にラーメン屋に誘うのはど~かと思うけど?」


「やかましい、高い店に行こうなんざ、まだはやいっつーの、ガキだからラーメン屋で十分だっつーの」


「はぁ~? もうあたしだって高校生で大人だしぃ~、その発言絶対後悔させてるっ!」


「はいはい、そんな事どうでもいいから飯行くぞ飯」


 そんな会話をしながら光樹と亜希はラーメン屋へ向かった。




――あっ、そーいえば、会社に連絡するの忘れてた、まぁ、営業なんか直行直帰が多い職業だから適当に事後報告でいいか。

  


読んでくださりありがとうございます。投稿が遅くなってすみません。


コロナウィルスで社会が大変ですが皆さんはいかがでしょうか?


私の職場も在宅勤務になり、執筆活動がはかd…… ゲフンゲフン


いつもよりあとがきが長くなりましたが、更新頻度を増やせるよう頑張りますので温かい目で見守っていただければ幸いです。

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