エージェント・ロゥリィ
「あぁ……どうしよう……?」
何と勇者が単騎突撃。信じられない。何やってんだあいつ。このままじゃ人類敗北ルートだ。
「待て待て落ち着け……まだなにか策はある……そうだ!」
もうこの国には魔族しかいない。そして彼らも殆どが恐らく恒温(?)動物な筈だ。
「SCP-244《氷霧ポット》!」
追加で召喚したのは白い陶器の壺。この子供みたいな腕で少し抱える大きさだ。
SCP-244《氷霧ポット》
オブジェクトクラス Euclid
スキル 《アイスミスト》
蓋を開くと中から氷霧を発生させる。この氷霧に包まれた地域にはSCP-244-2が発生しその場にいる熱エネルギー源を包む。
蓋を開くと中から冷たい霧が沢山出てきた。僕はこれに拾っておいたロープを巻き付け逆さまに天井に吊るす。すると出てくる霧の量が一気に増える。
「……早く行こう」
今ここにいるのは危ない。さっさと逃げよう。勇者も回収しなきゃ。僕は眼鏡を持ち走り出した。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「セアッ!」
また一体魔族を倒し俺は城の中を進む。しかし魔族はひっきりなしに現れ俺を殺しに来る。魔族は強くなった俺にとって敵ではないが如何せん数が多い。このままじゃ進むのもままならない。どうするか……
「ん?霧?」
歩いていると足元に霧が立ち込め始めていた。装備している鎧越しにもわかる冷気が俺の体温を下げていく。魔族による魔法かと思ったがこれ以上の反応がない。
気にせず進もうとしたとき、突然腕を掴まれた。
「ッ!?」
おかしい、俺の《気配感知》スキルには反応が無かった筈なのに。
振り替えって俺の気配感知をすり抜けた相手を見ると――
「こ、子供?」
俺の腕を掴んでいたのは、子供みたいな背格好をした、目の辺りに包帯を巻き、その上に眼鏡をかけた見覚えの無い珍妙な格好の女の子だった。自分に気付いたことに気付いたその女の子は俺から距離を取り、バァァァァンと効果音がなりそうなあの漫画の決めポーズを取り、
「え、エージェント・ロゥリィ参上!」
と、真っ赤な顔をして口上をのたまった。
SCP-244《氷霧ポット》
オブジェクトクラス Euclid
白い陶器の壺。蓋を開くと中から氷霧が出てくる。氷霧と同じ気温になった地域には氷霧よりも温度が低いガス状のSCP-244-2が現れ、熱エネルギーを発する物(体温のある生物、火など)を包む。このときSCP-244-2に包まれたものは殆どが瞬時に氷結する。
http://ja.scp-wiki.net/scp-244




