謎の森で
遅れました……すいません
そよそよと、風が僕の頬を撫でる。
「ん……っ」
僕は落下した衝撃とおそらくSCP-120の転移によるショックからの気絶から立ち直る。
「く……そ……」
悪態を吐きながら僕は立ち上がる。周囲を確認するが、見晴らしの良くない森の中だ。SCP-120はこの世界ではどこを設定してるんだろう?
「それより……」
どういうことだ?何故、『ジャック・ブライト博士』がこの世界にいる?
ジャック・ブライト。彼はSCP財団に所属する博士の一人だ。そして、彼自身がSCPでもある。
SCP-963《不死の首飾り》。それが彼であり、彼の本体だ。彼は自身を装着した存在を乗っ取り、意のままに動かせる。
恐らくSCP-120を召喚したのはあの体。あの体が僕と同じ『SCP-■■■■-AW』かそれに類似するjobを持っていたのだろう。黒髪黒目であることから僕たちのような転移者か、転生者だ。この世界の人たちは黒目で黒目の人は見たことがない。勇者召喚で日本人が呼び出される世界だ。そんなのがいてもおかしくない。
「SCP-429《時計式瞬間移動》……ダメか……SCP-249《どこだかドア》……はいけるんだ」
僕の目の前には一つのドアがでた。SCP-249だ。開けてみるがその先もただ森があるだけ……つまり、どこにも繋がっていない。SCP-429は召喚できなくなっていた。財団に何らかの方法で邪魔されているか、ブライト博士がやってくれたのだろう。
森のど真ん中。それも人がろくにいない場所にいることは確かなようだ。
「はぁ……SCP-249《収容》」
SCP-249を《収容》し、再度周囲を観察する。
周囲は森だ。日の光が葉で遮られてかなり暗い。荷物は……剣と、あまり物の入っていないバッグ。魔石はナルメアちゃんに渡してあった。
「SCP-109《無限水筒》……あとSCP-458《はてしないピザボックス》」
食料と水、召喚できなくなってしまう前に召喚しておく。
「とにかく歩こう」
このままここでじっとしていても何も変わらないだろう。それにブライト博士の「退場してもらう」と言っていたのに僕がまだ生きている意味がわからない。
原因を探るためにも、僕は森を歩き始めた。
SCP-963《不死の首飾り》
オブジェクトクラス Safe
大きなルビーを真ん中に嵌め込んだアクセサリーのSCP。
これを手に持つ、装着する等をしたときそれをした存在の人格を消去し、ジャック・ブライトの精神を上書きする。
O5によってレプリカが作られたようだが……?
http://ja.scp-wiki.net/scp-963
4月27日 SCP-109の誤字修正。混乱させた方、申し訳ありません




