SCP-■■■■-AWとジャック・ブライト
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僕達はひとしきり語り合った。
僕のこと。どうして冒険者になったのか。ナルメアちゃんのこと。僕と出会うまでに何をしていたのか。
思えばちゃんと話したことがなかった。それなのに、僕はただ彼女の隣にいようとして、支えになったつもりでいた。きっとあのときにはきっともうあの考えは浮かんでいたのだろう。
一緒に冒険者になった友達。
今も腰に装備している二振りの剣の元の持ち主。
僕はそれをずっと知らずにいた。
壁の外で響いていたコボルトロードの絶叫が聞こえなくなった。僕は地面に刺していたSCP-117を引き抜く。それだけで僕達を包み込んでいた土壁は地面に帰り、壁の外にいたSCP-553が襲いかかってくる。
「SCP-553、《収容》」
でも、僕達を傷つける前に《収容》する。SCP-553達は魔方陣に包まれて消えていった。
「グルルルゥ……」
消え入るような鳴き声が聞こえた。その方向を見ると、コボルトロードがいた。すでに目は潰れ、体をおおっていた強靭な毛皮はボロボロできっともう毛皮としての機能は持っていないだろう。迷宮の王は、そこに倒れ伏していた。
「……」
僕はコボルトロードの元に向かい、剣を抜く。なるべくゆっくりと歩き、思考する。
これからのこと、ナルメアちゃんのお友達のこと、ナルメアちゃんのこと。
色々考えたけど、思い付かなかった。
「ごめん」
きっとこいつに対して失礼なことだと思う。他のことを考えてこいつを殺すんだから。
そんなことを思いながら、僕は剣を振り下ろした。
僕達はダンジョンから無事に脱出した。コボルトロードの魔石は人の握り拳くらいの大きさだった。ナルメアちゃんは僕に「もう大丈夫」って言ってくれたけど、まだ色々と考えることはあるのかもしれない。
そう思いながら道を歩く。ナルメアちゃんはお花摘みに行った。周囲にはこれから攻略に向かおうという希望に満ちた顔つきの冒険者がちらほらと見受けられる。その様子をぼーっと見ていたら突然後ろから声をかけられた。
「大変だなぁ?SCP-■■■■-AW?」
「ーッ!?」
誰だ。何故それを知っている。振り替えると、そこには一人の冒険者がいた。
「あんたは……」
そこには、冒険者パーティー『鉄血』、ナルメアちゃんに絡んできた奴等の一人がいた。
「お前は……誰だ」
「おいおい、俺のことを伸したお前さんがわすれてちゃあー「お前は死んでいる」ーへぇ、」
そう、こいつは、こいつだけはいるのはおかしい。
こいつは、死んでいる。
冒険者パーティー『鉄血』はこの前一つの依頼のときに仲間を一人失った。それがこいつだ。
「馬鹿ではないみたいだねぇ?SCP-■■■■-AW?」
目の前の男の姿が変わっていく。それだというのに、他の冒険者は異常に気づかない。
変わった姿は、見覚えのない、首に無駄にごてごてとしたルビーの首飾りを着けた黒髪黒目の男だった。
「お前は――まさか!」
「もう遅いよ、君は邪魔だ。退場してもらう。『SCP-120《瞬間移動プール》』」
魔法陣が、僕の足元に展開される。
何故、どういうことだ。
「なぜ、ここにいる!?『ジャック・ブライト』!」
落下しながら僕はそいつを見続ける。
奴の顔は、表情を持っていなかった。
SCP-120 《瞬間移動プール》
オブジェクトクラス Safe
様々な色に光るプール。入ると入った人間とその持ち物を転移させる。
プールの光ごとに転移する位置が変わる。




