チュートリアルからの卒業
昨夜は大いに調理し、革細工し、食って飲んで暴れて怒られて、色目使って振られて怒られて、いつの間にか出来上がったカップルが消えて。
酒場らしい一夜を過ごし、起きたら見慣れた我が家の天井だった。
後半は村人ね。
ホントだよ。
「ほんじゃぁのう いつでも帰ってくるんじゃぞ。」
「牧場もありますし、ちょくちょく戻らせて貰いますよ。」
女優帽に前掛け姿の村長と木工でお世話になったオクマさんにお別れをし、ヒメアの方に振り向くと女衆と男共が集まってる。
クヤシクナンテナイ
捕獲しすぎて心配だった牧場に朝行くと、アメザリ(笑)がさっそく自分用の沼地を作って食事中だった。その奥に巨大な巣穴が出来ていたけどスルー。俺は何もやってない。
「出発しんこ~~。」
1号であるアメザリに大八車を装着し、その上に2人を乗せRPGの本番がようやく始まった。
「何にも襲ってこないね~こんなものなの?」
「モンスターはいるし、乗り物乗ってる時には攻撃されないんじゃないかな?にしても振動すごいな『お尻がランブーランみたくなってるぞ。』」
「??」
うんヒメアは元ネタ知らないのか。
試しに降りてみると、アクティブの『噛みつきバッタ』が襲ってくるが、村で必要以上にLVを上げてしまった為適当に倒した後は乗車してやり過ごす事にして、ランブータン以外は順調に旅を進めていく。
「あれじゃない?遠くにちっちゃく見えるヤツ。」
徒歩よりは速いスピードで草原の間を延々と続く1本道を1時間ほど揺られていくと、ようやく始めの街に到着。
「大都会日本出身なのに気持ちは村から初めて出てきたおのぼりさんだな。」
「だね~人酔いしちゃいそう。」
街の名前は『ベレーガ』中央に円形に配置された巨大なキノコ(フェアリーリング)があり、そこから放射線状に拡がっている円形の街。ここで一旦分かれて、お互い情報収集する事に。すっかり存在忘れてたが、リアフレの藤村にも連絡入れておいてやるか。
そうアメザリは街の入り口にあった『騎獣預かり所』に預けた。なんかめっちゃ見られて恥ずかしかったから。
そういえば俺未だに初期装備だ。ついでに装備調えるか。中央広場行けばプレイヤーが作った商品出てるだろう。わっこの中から探すって無理ゲー
礼儀正しい日本人らしくフェアリーリング内には人は居なかったが、その外にびっしり人人人、通行人のスペースを空けて向かい合う様に人人人が立ち並び生産者が叫んでる。
「イベントリあるよ~リュックタイプで900s戦闘職なら必須だよ。」
「私のアイテムボックスは大容量据え置きだよ。絶世の美女製。」
「なんの僕の据え置きは宝箱。これ買わないとRPGとは言えないね。」
アイテムボックス!!これで袋一杯になるたび帰還するって煩わしさから解放される!
テンション上がりまくりだが、今の全財産が3000s弱。大八車も近々買い換えたいしよく考えて買わないと。
聞き込みをすると、どうやら練金持ち限定クエストでイベントリの元になる素材が作れる様になったおかげで今イベントリフィーバーらしい。宝箱ってのもあったからその素材さえ買えれば安く自作出来るかと思いきや、素材を作るのに複数スキル必要らしくそんな上手くはいかないらしい。
とりあえず必須なのは防具。村はそもそも装備てものが無かったが、早めに準備しておかないとな。で、困ったのが商品アピールしてる生産者は呆れるほどいるんだが現品を出してる人がいないから相場や品ぞろえがわからん。
「すいません 防具欲しいんですが、どんなのありますか?」
勘で声を掛けたのは『木蓮』て名前で見た目20代中盤、肩上のストレートでこざっぱりした女性キャラ。まぁ性転換出来ないから女性なんだが。
「お いらっしゃい 初めての装備だね。うちは布と革装備専門だよ。」
商品をトレード板に載せてもらいながら確認すると、他ゲームでよくある露天や店ってシステムはあるのだが西の門から進んだ次の街まで行かないと買えないらしく、攻略組引率で生産者の合同討伐計画があがってるらしい。
「ん~どれが良い物なのかわからないな、『この周辺で使える程度のDFE、DEX付けばなお良い』装備だとどんな物ある?正直お金に余裕がないんだ。」
「一見で私選んだのは運がいいよ~ 初装備でお金無いならこれはどう?試作なんだけどブラウ?君にはたぶんお勧めだよ。」
出されたのは分類するなら修理工場なんかで使われるツナギ。
ボトムはカーゴっぽくサイドと腰回りにポケットが付いて、上は襟つきのミシン目が表に出たタイプ。防具や作業着ってより普通にカッコいい。
「まずお勧めポイントは一式装備だから、頭と靴以外セットだから上下買うよりは格安で買えること。ちなみに頭と靴はたいていDFE付かないから必要に応じてだね。次のポイントがポケット部分がイベントリになってる事。イベントリについて詳しくないだろうからおまけで教えてあげちゃうね。」
イベントリ。(アイテムボックスと言えば現状据え置きタイプを指すらしい)いくらでも入る夢の4次元空間かと思っていたが、そうでもないらしい。純粋に空間を広げるだけらしく、ツナギの腰回り4つだと薬瓶が各20個。サイドの2つだと2m弱の武器がそれぞれ収納。あと前開き部分の隠しポケットに背負い袋タイプのイベントリと同程度(12時間戦闘した素材が入る。只の袋の4倍)。
「便利なのはわかったが収納箇所多くてわからなくなりそうだな。」
「にゃは やっぱりそう思う?かなり良いアイデアだと思ったんだけどね。」
「そこは自分で気をつければいいか。服としてもかなり好みだし、買わせてもらうよ。」
RPGらしくないセンスだと思ったら木蓮はオリジナルブランドを持つデザイナーで、自分が作った物の反応を直接お客から見る為にフェアリーリングを始めたらしくほとんど戦闘してないらしい。藤村からメールが来たのでフレ登録をしてわかれた。
「ツナギに長鞭。後はハットを自作すれば完璧な冒険者だな」RPGのそれとはちと違うが冒険者には違いない。お気にの服ってなんでこうも心を揺さぶるのか。
今回はさくっと
チュートリアルで話数使いすぎたw




