第13話 人世の流れに身を任せる
執着を手放せば新しい生気が流れ込んでくる
ワイズマンは、その温かい眼差しで健二を見つめ、語りかけた。
「若者よ、人生は一本の直線ではない。
曲がりくねり、時に立ち止まる迷路のようなものじゃ。
学業も仕事も、道草を食うことが、後に大きな実を結ぶこともある。
失敗は、学びの機会であり、変化に対応する力を育むための栄養なのだ。
転んでもただでは起きぬ、という言葉を忘れてはならん」
ワイズマンの言葉は、オレの心を優しく包む。
放校になった大学を相手に訴訟までした経験は、
まさに人生の大きな道草だった。
当時は絶望したが、あの経験がなければ、希望に燃えてきた今のオレはここにいない。
健二:「脳は、新たな情報や環境に適応することで、
神経回路を再構築します。
変化に適応する能力は、生物として生存するために不可欠だよ。
生涯学習していく能力と直結しているね。
失敗を恐れずに挑戦し、フィードバックループを回すことが、
脳の成長を促し、運気を好転させるんだ。
学習と試行錯誤は、脳の最高のトレーニングなんだ」
健二は、オレの経験に科学的な裏付けを与えてくれる。
変化への適応能力を高めていたということか。
オレが気の波動といった、抽象的な概念に惹かれるのも、
科学的なエビデンスがあるからだろう。
そのときスピ女が、感性豊かな声で語りかけた。
「そうよ。変化の波に乗るには、心の柔軟性が大切なの。
柳に枝折れなし。過去のこだわりや、未来への執着を手放すことで、
新しい生気が流れ込んでくるわ。
それが生きる力を活性化させるのよね。
駅内の人の流れには逆らえない。
人世の流れに身を任せて、自分の直感を信じるの。
宇宙は常に最善の道を用意してくれているわ」




