表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
同級生のギャルを総理大臣にするために動きます  作者: しけもくパイポ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/4

第一話 あーしが総理大臣!?

 国会は、ざわめきに包まれていた。


 拍手。怒号。喝采。

 歴史に刻まれる一瞬を、誰もがそれぞれの感情を表に出しながら見守っている。


「——本院は、相田みく君を、内閣総理大臣に指名することに決しました!」


 議長の声が響く。

 衆目が、薄紅色のスーツに身を包んだ相田みくへと注がれた。


「……あーしが、総理大臣!?!?」


 ——静まりかえった講義室。


 長閑な午後。窓の外では、小鳥のさえずりが春の風に乗って響いている。

 教授が一つ、大きく咳払いした。


 くすくすと笑いを堪える声があちこちから漏れる。

 相田みくは寝ぼけているのか、状況をまだ飲み込めていないようだ。


 学生たちは、期待と面白がりの入り混じった目で彼女を見つめている。


「あー……とりま、日経平均アゲてこー? みたいな」


 ——教室が爆笑に包まれた。

 教授はあきれた顔で板書を続け、僕は笑えないまま、彼女の紅潮した横顔だけを見ていた。


 結論から言おう。僕はギャルが苦手だ。


(将来の夢といえばプロ野球選手、大金といえば100万円、偉い人といえば総理大臣……。そんな呑気に生きてみたいものである)


 とはいえ、相田みくの取り繕い方には若干の違和感があった。彼女はいつも講義中に寝ているし、寝言を言ったのも一度や二度ではない。寝ぼけていたというより、言ってしまったことに照れた——そんな顔に見えた。


 講義後、学生たちは彼女の周囲に集まり、「よっ総理」「消費税下げてよ」などと囃し立てる。


(あほくさ……)


 盛り上がる講義室を尻目に、僕はそそくさと立ち去ろうとした。


 その時、背後から大きな声で、


「正田くん。あとで連絡すんね」


 と言われた。


(おいおい。僕と直接話したことも、連絡を取り合ったこともないやん)


 それによりさらに講義室は盛り上がる。

「早速内閣発足ですか総理」

「確かに学内主席、政界一家の正田は外せないよな」

「相田総理と正田大臣のアイショウコンビの誕生だ」


「ちょっともう、みんな解散するよ」


 一同「解散総選挙だー!」


 大学一年の春、僕は“相田みく”と出会った。出会ってしまったと言うべきか。


 安穏と生きていこうと思っていた学生生活が、この女のせいで大きく変わることになる。いや、学生生活どころか人生丸ごと、か。


 ——そしてその夜、本当に連絡が来た。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ