↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
76/119

タイムエイジマシンの製作

 それから茶トラ先生は毎晩ほとんど眠らずに(だけどしっかり昼寝して)、ぼくが渡した設計図を元に、せっせと本格的な設計図を書き始めた。

 そのあいだぼくらは外へ遊びに行ったりして過ごしたりしたけど、相変わらず友達にはシカトされていた。

 だから外で遊んでもあまり楽しくはなかったんだ。

 それから、ご飯を食べに行こうといって、茶トラ先生がぼくらを、あの、お父さんたちが残念会をやった中華料理屋の「イカ天」へ連れて行ってくれた。

 そして茶トラ先生が中華どんぶりを3人前注文したのだけど、ウエイターは茶トラ先生の分だけしか持ってこなかった。

 そしてぼくとデビルの分については、「そんな注文は受けていない」の一点張りだったんだ。

 それに考えてみるとぼくら、この世界でちっともお腹が減らないし、のどもかわかないし、それどころか、おしっこもうんこもしたくならない。

 つまりぼくら、この過去の世界でシカトされるだけではなく、何というか、幽霊みたいな存在なんだと、ぼくらは気付いた。

 だから、とにかくここでは、ぼくらは幽霊みたいに過ごすしかない。

 そして、それはしょうがないと、ぼくらはそのことを前向きに考えることにした。

 それはともかく、茶トラ先生はその間、どんどんタイムエイジマシンの設計を続け、そしてその設計図は、それはそれはものすごい量になり、本何冊分も、いや、何十冊分にもおよぶものになっていった。

 それから茶トラ先生は、莫大な量の部品のリストも作った。

 そして、そういうものが出来上がると、いよいよタイムエイジマシンの製作に入った。

 まずは部品の調達だ。

 それらの多くは特殊な電子部品で、それは茶トラ先生が取引、というか、いつも出入りしているという専門の、もうオタクの巣窟のような、「なんちゃら無線」とかいう電子部品屋から買っているようだった。とにかくそういう訳の分からない電子部品が棚に雑然と並べ立ててあった。

 そしてそれ以外の、タイムエイジマシンの鏡とかカーテンとかは、近くのホームセンターへ、ぼくたちが買いに行くことになった。

 だけどぼくらは、この世界でシカトされているから、買えるかどうかは分からないけれど、ともかく「お試しに」と、ぼくとデビルはそれらを買いに、ホームセンターへと出かけた。(ほかにあんまりすることもなかったし)

 そしてそこの家庭用品コーナーには、なんとタイムエイジマシンに使われていたのと全く同じ鏡やカーテンがあった。

 そして例の赤や青のランプはカー用品コーナーに、そっくりのもの(トラック野郎が買いそうなやつ)があったので、これらを全部カゴに入れ、レジへ持って行った。

 すると何と、そこの人に「いらっしゃいませ」と言われ、それからレジを打ち、それらを袋に入れてもい、ぼくらは茶トラ先生から受け取ったお金を払った。

 それからぼくらは、ホームセンターの駐車場を歩きながら話した。

「ねえねえ、ここのレジの人、ぼくらをシカトしなかったね」

「言われてみるとそうだったな」

「もしかしてぼくら、もうここの世界でシカトされなくなったのかな?」

「たぶんそうじゃねえのか。たぶんもうシカトされねえんだよ」

「だといいね」

「お! あそこにいるの、静香ちゃんだぜ!」

「静香ちゃん?」

「静香ちゃんは、ゆりちゃんの双子のお姉さんだぜ」

「へぇー、そうなんだ。知らなかった」

「で、おれ、このごろ静香ちゃんのファンなんだ!」

「あらそうなの。こんどは静香ちゃんなんだ。ゆりちゃんはもういいの?」

「お~いお~い、静香ちゃ~~~ん!」

 それからデビルはそういいながら、なぜか積極的に手を振りながら、静香ちゃんの方へと小走りにかけよった。

 すると静香ちゃんはにっこりと笑った。

 何と静香ちゃんは、デビルをシカトしなかったんだ!

 それでぼくも静香ちゃんに近寄り、「静香ちゃん、はじめまして」というと、やっぱり静香ちゃんはにっこりと笑った。

 だけどどういうわけか、一緒にいた静香ちゃんのお母さんは、思い切りぼくをシカトしたんだ!

 実は静香ちゃんのお母さん、つまりそれはゆりちゃんのお母さんでもあるのだけど、で、そのゆりちゃんはゲシュタルト先生のところで、ぼくと一緒に空手を習っている。

 だから、空手の練習の後、ゆりちゃんを迎えにきたりするから、いつもぼくはゆりちゃんのお母さんに「こんにちは♪」ってあいさつしているんだ。

 そしたらお母さんは「あら、イチロウ君こんにちは」って言ってくれる。

 だからゆりちゃん、そして静香ちゃんのお母さんが、ぼくをシカトするわけがない!

「やっぱりぼくら、まだここでは思い切りシカトされているんだ。しないのは茶トラ先生と、さっきのホームセンターのレジの人と、それと、微妙だけど、静香ちゃんだけだよ」

「それっていったいどうしてなんだ?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。