↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
41/119

25年後の医学2

 茶トラ先生は珍しく ズボンとカッターシャツ姿だったので、病院の中でも中華料理屋のイカ天のときのような、人からじろじろと見られるような状況にはならなかった。

 そして受付へ行き、「内科の鈴木亜里沙先生に会いに来たのですが」と、ぼくが尋ねてみた。

 茶トラ先生が「あ~、鈴木は旧姓かもしれませんが…」と付け加えた。

 すると「どちら様ですか?」ときいてきたのでぼくが「鈴木一郎です」と答えた。

 そしたら「お子さんですか?」ときくので、「兄です!」と答えた。

 それから受付の人はけげんな顔をしながら妹に電話をかけてくれ、それから、

「鈴木亜里沙先生は今、診療中なので、あと一時間ほど手が離せないそうです。お急ぎでなければ、待合室のソフーでお待ちいただけますか?」と言ったので、ぼくらは待合室のイカした近代的なソファーに座り、ものすごくリアルなイカした立体テレビを見ながら妹を待った。

「それにしても亜里沙ちゃんは、無事、立派なお医者さんになっておったわい」

「立派かどうか見てみないと分からないよ」

「こんな立派な病院に勤めとるんだ。立派にきまっとる」

「そうかもね。そりゃ、ぼくの妹だもん♪」

「しかしこの立体テレビはすごいもんだな」

「水族館にいるみたいにリアルでイカしてるね。ほら、海ヘビがここまで泳いできた!」

「うわぁ! わしはヘビは嫌いじゃ!」

 それからしばらくして、妹がいっぱしの白衣姿でやって来て、けげんな顔でぼくらを見た。

「あれれ、一郎お兄ちゃん? でもどうして子ども…、ああ分かった。タイムエイジマシンで過去からやって来たのね。それと茶トラ先生、お久しぶりです。勉強のこといろいろ教えていただいて、本当にありがとうございました。おかげさまで、実は、三浪したんですけど、どうにか医学部に合格できて、それで、茶トラ先生が言われていたように、内科の医者になりました」

「そうか。亜里沙ちゃん、がんばってそして、成績も伸びたんだね。それにずいぶん背も伸びておる」

「ねえ、タイムエイジマシンのことは知っていたの?」

「それはそうよ。いつもお兄ちゃんが話しているし」

「じゃ、きっとぼくがいろいろ話してるんだな。でも記憶にないな」

「きっとお前さんが、これから話すんだ。まあいい。で、亜里沙ちゃん。いまから話すことは少々訳アリなんだ」

 茶トラ先生はそういうと待合室のソファーの脇に置いてある、洗いざらいの資料と、医局花見用のアイスボックスを指さした。

「それなら医局でお話をうかがいましょう」

 妹がそう言い、ぼくらはその医局へと向かった。

 医局というのは病院のお医者さんの控室、というか、お医者さんの「巣」みたいな場所だ。

 それから三人で廊下を歩き、エレベーターに乗り、また廊下を歩くと、「第二内科医局」と書いてある部屋があった。

 中にはずらりと机が並び、奥の方に妹の机があった。

 そして妹がイスを二つ用意し、それにぼくらは座った。

「それじゃ、お話をうかがいましょう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。