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ミーガンに食事をさせ、私も出かける前にと出されたものをかき込んだ。ストラウス家の食事は、大体が質素だが、砦のジャガイモと携帯食の後では美味いとしか感じない。
今夜もネッドとともに食事をしてる。ネッドに、退屈しているから、ミュリエル捜査の進捗状況を話してほしい、と言われたから。「退屈させない」というのが、ネッドにストラウスでミーガンの面倒を見てもらう条件なのよね。
「・・・と、いうことで、カスティーヨ通りに乗り込むわ。」
右手だけで器用に食事を進めるネッドが首を傾げる。
「男娼と女娼、どっちもいるエリアですよね。」
「まあ、まず、男娼でしょうね。」
ネッドが面白そうに、
「片っ端から買って、寝物語で聞き出すんですか?」
と聞く。
給仕をしていた家令が、
「ぼっちゃま!」
と、叱った。いやいや、体が弱くても、成人済み、子供を産ませようって年でしょうに。
「男の子は口が堅いのよ。特に貴族を相手にするような男の子はね。それよりは、相手にされない女娼に話を聞くほうが手っ取り早いと思うわ。多少掴ませてね。」
う、侍女の視線が痛い。いいじゃない、ミーガンには意味わかんないわよ、まだ。
考え込みながらネッドが言う。
「ミーガンを置いていくんですよね、カスティーヨに行くから。なんだか、貴方の行動はミュリエルに似てませんか?」
私は頷く。
「そうね、バーには連れていったけど、カスティーヨに行く前に赤ん坊を置いていく。ミュリエルもモーガン探して、カスティーヨに乗り込んだ可能性はあるわね。貴族のお嬢ちゃんが行くような場所じゃないのに。それにしても、ミーガンを私のところに置いていく必要はないと思うけど。」
そう言いながら、ネッドの方を見ると、左の口元に、食べかすがついている。手を伸ばして、カスを取ると、そのまま口に入れてしまった。
ネッドが顔を赤らめている。案外可愛いとこあるわね。
「ありがとう。左側が麻痺しているので、結構わからないんです。時々やらかします。」
「どういたしまして。砦には、世話をしてくれる人が誰かくるの?」
首を横に振っている。
「いえ、現地で見つけるつもりです。フリスも忙しいだろうし。」
「お母様は?ずっと面倒見てくれてたんじゃないの?新しい人に慣れるのはめんどくさくない?」
ネッドの顔がパッと明るくなった。
「母は『ようやく子供たちが独り立ちしたから、自由にさせていただきます』と言って、叔父のところへ行きました。父が亡くなったあと、ずっと支えてくれた叔父をずいぶん待たせたし、あとは二人でやっていくでしょう。」
え、叔父って、ストラウス師団長?!うわ、ほんとストラウス家って・・・
「わがままでしょう、私たち。」
ネッドが私の考えていることを言い当てた。ワガママ、自由勝手、いやそうじゃないわ、なんだろ、一途で、我武者羅なのかなぁ。
こんな思いを寄せられるのも悪くはないのかも。




