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13 ロゴは首を傾げる ~~俺の息子はちょっと違うのかもしれない~~

短い目の話を3話投稿します。これは1話目です。

ロゴは基本的には物事を深く考えない。


敵が攻めてきたら、「よっしゃ」と言って手に唾を吐き、馬に乗り槍を持ち、戦いに行く。領地の境目あたりでは、細かい喧嘩沙汰が多いから、そういうのは真っ先に出掛けて行って暴れることにしている。


あとは暇なときは、あちこちの村を巡回する。「俺がいるぞ」ということを知らしめているのだ。そうすると、用人を派遣するだけで、必要な穀物やその他の物をおとなしく差し出すようになる。


それがロゴの仕事であり日常だった。


一応、王との関係では忠誠契約がある。

王がいくさをするときには召集が掛かるときもある。掛からないときもある。よほどの戦をするとき以外は、王は自分の従士や大貴族でなんとかするから、ロゴは普段は王のことは忘れている。

自分の領地のことだけを考えていればいい。

いや、「考える」というほどのことすらしない。

自然に草が生えてくるのと同じことで、領地は黙っていれば食うもの飲むものを生産する。ロゴは近隣の領主の侵略を防いでいればそれでいいのだ。

たまに、魔物が大量発生したら、領主たちに声を掛けて連合軍を編成して討伐する。そうすると自分の名声が上がるし、兵を出さなかった領主たちから、謝礼を喝取できる。


あと、直領でない領地がある。封臣に納めさせている土地だ。ジャケなどは自分に忠実なのは分かっている。子供の頃からの子分だ。他にも封臣はいる。領地を貰ったときに、偉い人の次男やらなんやらを押しつけられたりした。それも別に疑うようなこともない。好きにすればいいと思っている。戦争になったときに、馬に乗ってやってくれば、それでいいのだ。


ところが、息子、テウデリクは考えるらしい。

それだけでも、ロゴにとっては異人種に等しい。

もっとも、ロゴには、「異人種」というような概念すらない。

だから、「うちの息子は、なんか、うーん、なんかなんだよな。ま、悪い奴ではないんだ。」という程度の感覚なのだ。


テウデリクは、妙に女たちに受けが良い。

見目みめの良い幼児だということもあるのだが、なんだか便利な道具を作ったりしているらしい。便利な道具を作ると女たちがなぜ喜ぶのか、ロゴには良く分からないが、喜んでいるのだからいいことなのだろうと思っている。

あと、用人を貸してくれと言ってきた。

別に死人も出さずに返してきたから、まあいいかと思っている。用人たちも、別に不満もなさそうだし。


ゴームルにも聞いてみた。息子に不満はないか、困っていないか、一応確認しておこうと思ったのだ。家宰なのだから、問題があるのなら、ロゴの代わりに考えるのが仕事だろうと思ったのだ。そうすると、ゴームルは、


「テウデリク様のおっしゃるとおりにしていれば、親方の領地は金の成る木みたいになりますぞ!」

と鼻息荒く言ったが、なんのことか良く分からぬ。

金の成る木って、なんだ。

おそらくテウデリクは森の中を探検したりして、そういう木を発見するかもしれないということなのかもしれない。

そんな夢物語など、と思う気持ちと、ひょっとして、そういう木があればいいな、なんて思ったりするし、そういえば吟遊詩人などが歌う英雄話で、そういう話も聞いたような気もするから、やはり金の成る木というのは、森の奥にあるのかもしれない。


まあ、ロゴとしては、息子は息子で可愛いから、別によほどおかしなことをしない限り別に叱責するようなことは考えていない。それにこの前などは、一人でスライムを討伐したらしい。2歳児にしてはなかなかのものじゃないか。立派な武者になるだろう。だったら、問題ない。金の成る木を見つけるのなら、なおさら問題ない。


ご一読ありがとうございました。

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